CHAPTER 08 3 / 14
要件定義と合意
作るもの・作らないものを文章にして、お客さんと合意する「要件定義」の考え方と、決めることのチェックリストを、新人ディレクター向けに説明します。会話と具体例つきで、やさしく読めます。
約6分で読めます
段取り教室の目次(章と記事の一覧)
1. プロジェクト管理ってなに?
2. 課題管理入門
4. ガントチャート入門
5. 見積もりとスケジュール
6. 進捗管理と報告
7. チームのコミュニケーション
8. Web制作の現場で
この記事でわかること
- 要件定義で決めることがわかる
- 「やらないこと」を書く理由がわかる
- 合意を記録に残す手順がわかる
お客さんの希望は聞いた。でも、そのまま作り始めて、あとから「そんなつもりじゃなかった」と言われたことはありませんか?
ヒアリングが終わって、ひなたは満足そうです。
要件定義とは
要件定義は、「何を作るか」を、お客さんと作る側が同じ言葉で決める作業です。「要件」は、お客さんの目的を満たすために必要な条件のことです。
決めた内容は文章にして、お客さんの合意をもらいます。これが後の工程の「約束の書類」になります。
決めることのチェックリスト
- 目的とゴール: 公開後に何がどうなればうまくいったと言えるか
- 対象ページ: 作るページの一覧(あとで サイトマップ にする)
- 機能: お問い合わせフォーム、予約、お知らせの更新など
- やらないこと: 今回は含めないもの(多言語対応、会員機能など)
- お客さんが用意するもの: 原稿、写真、ロゴ、各種アカウント
- スケジュールと公開日: 公開日に決まりがあるか
- 費用と支払い: 見積もり、支払い条件
- 公開後の運用: 誰が更新するか、保守はどうするか
たとえば、こんな画面です。要件を 1 つのページにまとめておけます。

- 見出しが「目的」「範囲」「スケジュール」「決まっていること」の順に並んでいます。
- 右の目次から、見たい項目へ移れます。
「やらないこと」を書く理由
たとえば「スマホ対応」と書いても、「アプリのように動く」と期待されるかもしれません。「表示を画面幅に合わせる」まで書いておけば、期待のずれを防げます。
この図は、同じ内容を、あいまいに書いた場合と、期待がそろうように書いた場合で比べたものです。
合意は「見える形」でもらう
口頭の「いいですよ」では、あとで「そんなつもりでは」となりがちです。
この図は、合意をもらうまでの 4 つの手順を表します。
- 1要件を A4 で 1〜2 枚にまとめる
- 2打ち合わせで読み合わせる
質問に答える
- 3記録の残る形で返事をもらう
「この内容で進めます」とメールなどで
- 4合意した日付と版を残す
要件が決まらないときは
お客さん自身が、まだ決められないこともあります。そのときは、無理に決めず、「決まっていないこと」を一覧にして、いつまでに誰が決めるかを書きます。 決めない状態のまま進むのと、決めていないと自覚して進むのとでは、あとの混乱が大きく違います。
この図は、要件を「決まった」「宿題」「やらない」の 3 列に分けたものです。強調したカードが、決める人と期限を書く対象です。
決まった3
宿題(決める人と期限を書く)2
やらないこと2
合意をもらう前に、次の 4 つを確かめましょう。
- 「やらないこと」が書いてある
- 決まっていないことが一覧になっている
- お客さんの宿題に期限がある
- 記録の残る形で返事をもらえる
まとめ
- 要件定義は、「何を作るか」を同じ言葉で決める作業。
- 目的、ページ、機能、やらないこと、お客さんの宿題、日程、費用を決める。
- 「やらないこと」を書くと、期待のずれが減る。
- 合意は、記録の残る形でもらう。
akamine でやるなら
要件はドキュメントに書いておけば、変更の履歴が残ります。要件の 1 項目ごとに課題をつくると、「決まったこと」と「作業」がつながります。ドキュメント と 課題の履歴 を見てください。

- 会話を「すべて」にすると、コメントと、ステータスの変更や工数の記録が時間順に並びます。
- 「誰がいつ変えたか」が残るので、あとから経緯をたどれます。