CHAPTER 09 1 / 8
リスク管理の基本
リスクとは「まだ起きていない困りごと」。問題との違い、確率と影響の考え方、4 つの対応方法を、新人ディレクター向けにやさしく解説します。会話と具体例つきで、やさしく読めます。
約5分で読めます
段取り教室の目次(章と記事の一覧)
1. プロジェクト管理ってなに?
2. 課題管理入門
4. ガントチャート入門
5. 見積もりとスケジュール
6. 進捗管理と報告
7. チームのコミュニケーション
8. Web制作の現場で
この記事でわかること
- リスクと問題の違いがわかる
- 「確率 × 影響」で大きさを考えられる
- 4つの対応方法がわかる
「あのトラブル、言われてみれば予想できたかも……」。そう思った経験はありませんか? リスク管理は、その「言われてみれば」を、先に見つける考え方です。
リスクと問題は、違うもの
| リスク | 問題(イシュー) | |
|---|---|---|
| 意味 | まだ起きていない、起きるかもしれないこと | もう起きていること |
| 例 | お客さんの素材が、遅れるかもしれない | 素材が遅れていて、作業が止まっている |
| 対応 | 予防する、備える | 解決する |
リスク管理は、「問題になる前に手を打つ」ための考え方です。
この図は、リスクが問題に変わる流れを表します。強調した「起きた」の前に手を打つのが、リスク管理です。
リスクの大きさは「確率 × 影響」
すべてのリスクに備えるのは無理です。そこで、大きさを 2 つの軸で考えます。
- 起きやすさ(確率): どれくらい起きそうか
- 起きたときの影響: 日程、費用、品質に、どれだけ響くか
この図は、リスクを「起きやすさ」と「影響」で 4 つに分けたものです。右上のリスクから手をつけます。
起きやすいが、影響は小さい
起きやすく、影響も大きい
起きにくく、影響も小さい
起きにくいが、影響は大きい
「起きやすくて、影響も大きい」ものから手をつけます。
4 つの対応方法
リスクが見つかったら、次の 4 つのどれかで対応します。
リスクの元をなくす。難しい機能を、今回はやめる
起きにくくする。素材の期限を早めに設定する
他の人や仕組みに任せる。決済は専門の会社に
起きたら対応すると決める。影響が小さいもの
起きたときのことも、決めておく
「減らす」でも、ゼロにはなりません。起きたときの動き(連絡先、代わりの手順)を決めておきます。
リスクが見つかったら、次の 4 つを確かめましょう。
- 「まだ起きていないこと」として書いた
- 起きやすさと影響を、ざっくり決めた
- 4 つの対応のどれにするか決めた
- 起きたときの連絡先と手順を決めた
リスクは、悪いことだけではない
リスクには、良い方向のものもあります。たとえば「想像以上に問い合わせが増える」です。それも、備えがなければ、対応しきれず、困りごとになります。良い方向の変化にも、気を配ります。
まとめ
- リスクは、まだ起きていない困りごと。問題とは区別する。
- 大きさは「確率 × 影響」で考える。
- 対応は、避ける、減らす、移す、受け入れるの 4 つ。
- 受け入れる場合も、決めたうえで受け入れる。
akamine でやるなら
リスクは、種別やラベルで「リスク」とわかるようにして、課題として管理できます。担当と期限をつけると、対応の抜けを防げます。ラベル と 課題の項目 の記事を見てください。
たとえば、こんな画面です。ラベルは、プロジェクトの設定で色つきで登録できます。

- 一覧に、「デザイン」「実装」「調査」のラベルが色つきで並んでいます。
- 右上の「ラベルを追加」から、「リスク」のようなラベルを足せます。

- 課題には、期限と担当、優先度のアイコンが付きます。リスクの対応も、同じように担当と期限を決めて管理できます。