CHAPTER 04 8 / 11
バッファの持ち方
バッファは、予定外の遅れを吸収するための余裕です。作業ごとに足すよりまとめて持つほうが効く理由、量の目安、使うときのルールを、ぽんぽこ制作所の会話で説明します。
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段取り教室の目次(章と記事の一覧)
1. プロジェクト管理ってなに?
2. 課題管理入門
4. ガントチャート入門
5. 見積もりとスケジュール
6. 進捗管理と報告
7. チームのコミュニケーション
8. Web制作の現場で
この記事でわかること
- バッファが何かがわかる
- まとめて持つほうが効く理由がわかる
- 量の目安と使い方のルールがわかる
計画は、全部が予定どおりに進めば間に合う。でも、そんな案件がこれまでにあったでしょうか。遅れを前提に、先に余裕を置いておくのがバッファです。
バッファとは
バッファは、もともと「緩衝材」という意味です。プロジェクトでは、予定外の遅れを吸収するために、あらかじめ持っておく日数のことです。
遅れは、必ず起きます。お客様の返事が遅れる、思ったより修正が多い、担当者が体調を崩す。これらを「想定外」ではなく「起きて当然のこと」として、日程に織り込んでおきます。
作業ごとに足すと、うまくいかない
「各作業に、念のため1日ずつ足しておこう」というやり方は、実はあまり効きません。次の理由があるからです。
- 余裕があると、人はぎりぎりまで手をつけない(締切に追われる心理)
- 早く終わっても、余った日数は使われずに消える(もう終わったとは報告しにくい)
- 遅れた作業の分は、足した日数だけでは足りないことがある
作業ごとの余裕は、使われてしまい、あとに引き継がれません。
まとめて持つと効く
おすすめは、余裕を1か所にまとめて持つことです。具体的には、次のような持ち方があります。
| 持ち方 | 内容 |
|---|---|
| プロジェクト全体のバッファ | 公開日の手前に、最後の1〜2週間を空けておく |
| 区切りごとのバッファ | 大きな区切り(デザイン完了など)の後ろに、数日おく |
| お客様の確認待ちのバッファ | お客様の返事が遅れる前提で、確認期間を長めにとる |
こうしておくと、どこかの作業が遅れても、全体のバッファで吸収できます。作業が順調なら、バッファは使わずに済み、納期より早く終われます。
3つの持ち方を、ひとつのガントに置くと、こうなります。
この図の灰色の棒がバッファです。公開(菱形)の手前に、まとまった余裕が残っています。
どれくらい持つか
決まった数字はありませんが、目安として次の考え方があります。
- 慣れた内容の案件: 全体の期間の 10〜15%
- 初めての内容、新しい技術、お客様が初めてのとき: 20〜30%
- お客様の確認や素材の提供が多いとき: 上乗せして考える
たとえば、3か月(約60営業日)のサイト制作なら、6〜9営業日が目安です。
使い方のルール
バッファは、使うときのルールを決めておくと効果的です。
- バッファを使うのは、クリティカルパス(遅れると全体が遅れる道筋)の遅れを吸収するときだけ
- 使ったら、チームで共有する(使った日数と理由を書く)
- 半分以上使ったら、計画の見直しを考える
遅れの兆しは、プロジェクトの概要でも見つけられます。たとえば、こんな画面です。

- 「期限の状況」で、期限切れ・今週・来週に何件あるかを一目で見られます
- 期限切れが増えてきたら、バッファを使う前に手を打つ合図です
まとめ
- バッファは、遅れを吸収するために計画に入れる余裕
- 作業ごとに足すより、まとめて持つほうが効く
- 目安は全体の10〜30%。内容の慣れ具合で変える
- 使うときのルールを決め、減り方で危なさをつかむ
akamineでやるなら
akamineのガントでは、公開日のマイルストーンの手前に、バッファ用の課題やマイルストーンを置く、というやり方ができます。「バッファ」という課題を作って期間を入れておき、遅れが出たらその期間を使う、という形です。バーの動かし方はマニュアルの「ガントチャート」、日付の入れ方は「優先度と日付」にあります。
たとえば、こんな画面です。

- 公開の節目(菱形)の手前に、バッファの課題の棒を置けます
- 遅れが出たら、その棒の期間を使います