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CHAPTER 04 8 / 11

バッファの持ち方

バッファは、予定外の遅れを吸収するための余裕です。作業ごとに足すよりまとめて持つほうが効く理由、量の目安、使うときのルールを、ぽんぽこ制作所の会話で説明します。

約6分で読めます

ひなた虎田さん ★★ ふつう
ガントチャート入門のイメージ
段取り教室の目次(章と記事の一覧)
1. プロジェクト管理ってなに?
2. 課題管理入門
3. カンバン入門
4. ガントチャート入門
5. 見積もりとスケジュール
6. 進捗管理と報告
7. チームのコミュニケーション
8. Web制作の現場で
9. リスクとトラブル
10. ツール選びと定着
この記事の内容

この記事でわかること

  • バッファが何かがわかる
  • まとめて持つほうが効く理由がわかる
  • 量の目安と使い方のルールがわかる

計画は、全部が予定どおりに進めば間に合う。でも、そんな案件がこれまでにあったでしょうか。遅れを前提に、先に余裕を置いておくのがバッファです。

ひなた
ひなた虎田さん、スケジュールを見直したら、納期ぎりぎりになっちゃいました。全部の作業が予定どおりに進めば間に合うんですが……
虎田さん
虎田さん「全部が予定どおりに進めば」か。そんなこと、あるかな?
ひなた
ひなた……ないですね。毎回どこかで、何か起きます。
虎田さん
虎田さんそのとおり。だから、余裕を最初から計画に入れておくんだ。それがバッファだよ。

バッファとは

バッファは、もともと「緩衝材」という意味です。プロジェクトでは、予定外の遅れを吸収するために、あらかじめ持っておく日数のことです。

遅れは、必ず起きます。お客様の返事が遅れる、思ったより修正が多い、担当者が体調を崩す。これらを「想定外」ではなく「起きて当然のこと」として、日程に織り込んでおきます。

作業ごとに足すと、うまくいかない

「各作業に、念のため1日ずつ足しておこう」というやり方は、実はあまり効きません。次の理由があるからです。

  • 余裕があると、人はぎりぎりまで手をつけない(締切に追われる心理)
  • 早く終わっても、余った日数は使われずに消える(もう終わったとは報告しにくい)
  • 遅れた作業の分は、足した日数だけでは足りないことがある

作業ごとの余裕は、使われてしまい、あとに引き継がれません。

作業ごとに足す
まとめて持つ
余裕があると、ぎりぎりまで手をつけない
1か所に置くので、遅れた作業が使える
早く終わっても、余った日数は消える
使わなければ、納期より早く終われる
遅れが足した日数を超えると、足りない
どこが遅れても、全体で吸収できる
余裕の持ち方の違い

まとめて持つと効く

おすすめは、余裕を1か所にまとめて持つことです。具体的には、次のような持ち方があります。

持ち方内容
プロジェクト全体のバッファ公開日の手前に、最後の1〜2週間を空けておく
区切りごとのバッファ大きな区切り(デザイン完了など)の後ろに、数日おく
お客様の確認待ちのバッファお客様の返事が遅れる前提で、確認期間を長めにとる

こうしておくと、どこかの作業が遅れても、全体のバッファで吸収できます。作業が順調なら、バッファは使わずに済み、納期より早く終われます。

3つの持ち方を、ひとつのガントに置くと、こうなります。

1週2週3週4週5週6週7週8週9週10週
デザイン
区切りのバッファ
コーディング
お客様の確認(長め)
全体のバッファ
公開
◆
灰色がバッファ。区切りの後ろと、公開の手前に置いた例

この図の灰色の棒がバッファです。公開(菱形)の手前に、まとまった余裕が残っています。

どれくらい持つか

決まった数字はありませんが、目安として次の考え方があります。

  • 慣れた内容の案件: 全体の期間の 10〜15%
  • 初めての内容、新しい技術、お客様が初めてのとき: 20〜30%
  • お客様の確認や素材の提供が多いとき: 上乗せして考える

たとえば、3か月(約60営業日)のサイト制作なら、6〜9営業日が目安です。

使い方のルール

バッファは、使うときのルールを決めておくと効果的です。

  1. バッファを使うのは、クリティカルパス(遅れると全体が遅れる道筋)の遅れを吸収するときだけ
  2. 使ったら、チームで共有する(使った日数と理由を書く)
  3. 半分以上使ったら、計画の見直しを考える
ひなた
ひなたバッファが減っていくのを見れば、危ない状態がわかるんですね。
虎田さん
虎田さんそう。バッファは、プロジェクトの「体力ゲージ」なんだ。
とらまる
とらまる余裕は1か所にまとめて持つ。減り方を見れば、危なさがわかる!

遅れの兆しは、プロジェクトの概要でも見つけられます。たとえば、こんな画面です。

プロジェクトの概要の画面。進捗、ステータス別の件数、期限の状況(期限切れ・今週・来週)、担当者別、バーンダウンが並ぶ
プロジェクトの概要の画面。進捗、ステータス別の件数、期限の状況(期限切れ・今週・来週)、担当者別、バーンダウンが並ぶ
  • 「期限の状況」で、期限切れ・今週・来週に何件あるかを一目で見られます
  • 期限切れが増えてきたら、バッファを使う前に手を打つ合図です

まとめ

  • バッファは、遅れを吸収するために計画に入れる余裕
  • 作業ごとに足すより、まとめて持つほうが効く
  • 目安は全体の10〜30%。内容の慣れ具合で変える
  • 使うときのルールを決め、減り方で危なさをつかむ

akamineでやるなら

akamineのガントでは、公開日のマイルストーンの手前に、バッファ用の課題やマイルストーンを置く、というやり方ができます。「バッファ」という課題を作って期間を入れておき、遅れが出たらその期間を使う、という形です。バーの動かし方はマニュアルの「ガントチャート」、日付の入れ方は「優先度と日付」にあります。

たとえば、こんな画面です。

akamineのガント。公開前後の節目の菱形と、課題の棒が並ぶ
akamineのガント。公開前後の節目の菱形と、課題の棒が並ぶ
  • 公開の節目(菱形)の手前に、バッファの課題の棒を置けます
  • 遅れが出たら、その棒の期間を使います

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