CHAPTER 06 2 / 10
進捗率の落とし穴
「90%でずっと止まる」のはなぜ? 進捗率が当てにならない理由と、完了の数で数える・作業を小さく割るという対策を、現場の会話でやさしく学びます。ぽんぽこ制作所の会話をもとに、順を追って説明します。
約5分で読めます
段取り教室の目次(章と記事の一覧)
1. プロジェクト管理ってなに?
2. 課題管理入門
4. ガントチャート入門
5. 見積もりとスケジュール
6. 進捗管理と報告
7. チームのコミュニケーション
8. Web制作の現場で
この記事でわかること
- 進捗率が90%で止まる理由がわかる
- 終わった数で進捗を数える方法がわかる
- 作業を小さく割るコツがわかる
「あと少しで終わります」と言われて待っていたら、1 週間たっていた。そんな経験はありませんか。原因は、人の頑張りではなく、数え方にあります。
なぜ 90%で止まるのか
進捗率は、多くの場合、担当者の「感覚」で決まります。感覚には癖があります。
- 作業の「見える部分」ができると、気持ちが先に進む
- 最後の確認、細かい直し、ほかのブラウザでの表示確認が、実は大きい
- 終わりが何かを決めていないので、いつまでも「あと少し」になる
作ったものが動くのと、お客様に出せる状態になるのとでは、必要な作業の量がだいぶ違います。最後の 10%が、全体の 3 割を占めることも珍しくありません。
この図は、同じ作業を「感覚」と「完了の数」で数えた例です。感覚では 90%でも、完了の数で数えると 60%だった、というズレを表しています。
感覚ではなく、終わったもので数える
対策の基本は、進捗率を終わった数で決めることです。
| 方法 | 例 | 特徴 |
|---|---|---|
| 0・50・100 ルール | 未着手は 0%、着手したら 50%、完了したら 100% | 数字は荒いが、ごまかしにくい |
| 完了の数で数える | 20 ページのうち 12 ページが完了= 60% | 客観的で、誰が見ても同じ |
| 子の積み上げ | 小さな作業の完了状況から、親の進捗を計算する | 作業を割れば割るほど正確になる |
どれも共通するのは、「完了」の条件を先に決めておくことです。「公開前チェックを通ったら完了」と決めておけば、「90%」の中身も明確になります。
作業を小さく割ると、嘘がつけなくなる
大きな作業に一つの進捗率をつけると、感覚が入り込みます。「トップページのコーディング」を、次のように割ってみましょう。
- ヘッダーとフッターの実装
- メインビジュアルの実装
- お知らせ一覧の実装
- スマホ表示の調整
- 主要ブラウザでの表示確認
5 つのうち 3 つが完了なら 60%。「90%」の根拠が、ひとつずつ見えます。割り方の詳しい話は「WBS:仕事を細かく分けよう」でどうぞ。
- ヘッダーとフッターの実装
- メインビジュアルの実装
- お知らせ一覧の実装
- スマホ表示の調整
- 主要ブラウザでの表示確認
この図は、割った作業のうち、どれが終わってどれが残っているかを表しています。残りの二つが、「90%」のときに見えていなかった部分です。
たとえば、akamine の課題の一覧では、親課題の横に、子課題の完了数(「0/2」「0/1」など)が出ます。

- 「トップページ改修」の横の「0/2」が、子課題 2 件のうち完了が 0 件という意味
- 子課題は、親課題の下に一段下がって並ぶ
進捗率と一緒に見るもの
進捗率だけでは判断しません。次のものをセットで見ると、状況が立体的になります。
- 残りの作業: 何が残っているかを言葉で
- 期限までの日数: 残りが期限に間に合う量か
- 止まっている理由: 待ちなのか、迷いなのか
今日からできる1つのことは、いま進めている作業を5つ以内に割って、「完了の条件」をひとことで書いておくことです。
まとめ
- 進捗率は感覚で決まりやすく、90%で止まりがち
- 終わったものの数で数えると、客観的になる
- 「完了」の条件を先に決めておく
- 作業を小さく割ると、進捗のごまかしがきかなくなる
- 進捗率は、残りの作業や期限とセットで見る
akamine でやるなら
akamine の課題には 0〜100%の進捗率があり、詳細で 10%刻みに選べます。完了のステータスにすると 100%になります。親課題は、子課題の進捗を予定工数で重みづけして計算した値も出せるので、課題を小さく割っておけば、進捗が自然に積み上がります。考え方は 進捗率の考え方 を読んでください。
たとえば、進捗率は、課題の期間の線を押して開く画面で変えられます。

- 「進捗率」の欄で、40%のように選ぶ
- 同じ画面で、開始日・期限・予定工数も一緒に直せる