CHAPTER 08 13 / 14
案件がいくつも重なったとき
複数の Web 制作案件が同時に走るとき、人の取り合いと優先順位でつまずかないための、見える化と調整のコツを紹介します。会話と具体例つきで、やさしく読めます。現場の例で学べます。
約5分で読めます
段取り教室の目次(章と記事の一覧)
1. プロジェクト管理ってなに?
2. 課題管理入門
4. ガントチャート入門
5. 見積もりとスケジュール
6. 進捗管理と報告
7. チームのコミュニケーション
8. Web制作の現場で
この記事の内容
この記事でわかること
- 案件の重なりを見える化できる
- 人ごとの作業量の見方がわかる
- 優先順位の決め方がわかる
来週は、2 つの案件が重なる。ひとりに作業が集まって、誰も悪くないのに、現場がぴりぴりしてくる。そんなときの考え方です。
案件が重なると、何が起こるか
- 同じ人に、作業が集中する
- どの案件を先にするか、誰も決めない
- 切り替えのたびに、頭の中が散らかり、効率が落ちる
- 小さな案件が、後回しになる
これらは、人の頑張りだけでは解決しません。仕組みで見える化し、調整が必要です。
手順 1: 全案件を 1 枚に並べる
案件ごとの、開始と終わりの日程を、横に並べます。山のように重なっている週が、危険な週です。
この図は、2 つの案件を同じ時間軸に並べたものです。2 つの山場(公開と校了)が近い週が、危険な週です。
| 案件 | 期間 | 担当 | 山場 |
|---|---|---|---|
| さくらベーカリー | 9/1〜10/31 | ひなた、ケンジ | 10/25 公開 |
| LP 制作 | 10/10〜10/28 | ひなた、ミサキ | 10/28 校了 |
たとえば、こんな画面です。マイルストーンや子プロジェクトを、1 つの日程の上に並べられます。

- 上に、マイルストーンの菱形が置かれています。
- 「子プロジェクト」の見出しの下に、「管理画面」と「LP」の 2 つが並び、課題の件数が出ています。
手順 2: 人ごとの作業量を見る
1 人が、1 日に使えるのは 1 日分です。複数案件の作業を足して、1 日に収まっているかを確認します。収まっていなければ、どこかが無理をしています。
たとえば、こんな画面です。工数のレポートで、人ごとの記録を見られます。

- 上の枠に、合計時間と、記録した人の数が並んでいます。
- 下の「人ごとの実績」で、人ごとの実績の時間と、稼働に対する割合を比べられます。
手順 3: 優先順位を決める
順番は、次の観点で決めます。
- 動かせない締切があるか(フェア、キャンペーン)
- 遅れた場合の影響の大きさ(お客さんの売り上げ、信頼)
- ほかの人が、待っているか
誰かが決めないと、「声の大きい案件」が先になります。決めるのは、プロジェクトの責任者や、上司です。
この図は、締切の固さと、遅れた場合の影響で、案件を 4 つに分けたものです。右上の案件から先に手をつけます。
影響は大きいが、動かせる
動かせず、影響も大きい
影響が小さく、動かせる
動かせないが、影響は小さい
手順 4: 調整する
- 山を、前後にずらせないか
- 手伝える人はいないか
- 締切を動かせる案件はないか(お客さんに相談)
- 小さな作業を、他の人に渡せないか
調整の結果は、関係者全員に伝えます。
切り替えのコスト
人が、案件を切り替えるたびに、頭を切り替える時間がかかります。1 日に 3 つの案件を行き来するより、午前は A、午後は B のように、まとまった時間で分けるほうが、効率が上がります。調整のときは、この点も考えます。
まとめ
- 案件が重なると、人に作業が集中する。
- 全案件を 1 枚に並べると、危険な週が見える。
- 人ごとの作業量を、余裕をもって確認する。
- 優先順位は、誰かが決める。結果は共有する。
akamine でやるなら
ガントチャートで、担当者ごとの課題を並べると、重なる週が見えます。担当者ごとのレーンに分けたカンバンも、偏りを見つけるのに便利です。ガントチャート と カンバンのレーン の記事を見てください。