CHAPTER 09 6 / 8
属人化を防ぐ
「あの人しか知らない」状態が、チームのいちばん大きなリスクになります。属人化が起きる理由と、小さく始める共有の工夫を紹介します。会話と具体例つきで、やさしく読めます。
約5分で読めます
段取り教室の目次(章と記事の一覧)
1. プロジェクト管理ってなに?
2. 課題管理入門
4. ガントチャート入門
5. 見積もりとスケジュール
6. 進捗管理と報告
7. チームのコミュニケーション
8. Web制作の現場で
この記事の内容
この記事でわかること
- 属人化が起きる理由がわかる
- 防ぐ4つの工夫がわかる
- 今日からできる共有がわかる
担当の人が休んだ途端、誰も手が出せなくなった。そんな「あの人しか知らない」状態は、どのチームにも起きています。
属人化とは
仕事のやり方や情報が、特定の人だけのものになっていることです。その人が休んだり、辞めたりすると、仕事が止まります。
属人化は、悪い人がいるから起きるのではありません。忙しい人ほど、説明を書く時間がなく、自分でやったほうが早いからです。
属人化のサイン
- 「◯◯さんに聞かないとわからない」が、よく出る
- 設定やパスワードが、個人の手元にだけある
- 引き継ぎの資料がない
- 特定の人の休みで、作業が止まる
- 「あの人に任せておけば安心」と思っている
防ぐための 4 つの工夫
1. 書いておく(共有の置き場を決める)
完璧な資料は、不要です。まずは、手順をメモにして、みんなが見られる 1 か所に置きます。置き場所が散らばると、見つかりません。
2. 2 人で持つ
大切な作業は、「主担当」と「副担当」の 2 人体制にします。副担当は、いざというとき、代わりに動ける人です。
3. 作業中の情報を、見える場所に出す
進み具合や、判断の理由を、個人のメモではなく、案件の記録に残します。あとから来た人が、経緯を追えます。
4. 定期的に、役割を交代する
月に 1 回など、担当を入れ替えると、自然に共有が進みます。最初は遅くなっても、チーム全体の力が上がります。
この図は、4 つの工夫を並べたものです。どれも、大きな準備はいりません。
手順を 1 か所に置く
主担当と副担当
経緯を案件の記録に
月に 1 回など
「ふだんの書き方」を変える
引き継ぎ用の特別な資料を作るのは、大変です。そこで、ふだんの仕事を、そのまま見える形で残すことを心がけます。
- 打ち合わせの結論は、議事録に残す
- 判断の理由は、課題のコメントに書く
- 手順は、作業のついでにメモする
たとえば、こんな画面です。手順や決まりを、ページにして 1 か所に置けます。

- 左のツリーに、「議事録」や「コーディングの決まり」のページが並んでいます。
- 右の目次で、長いページも見出しから探せます。
共有する情報の優先順位
全部を共有するのは大変です。まずは、「その人がいないと、今日、仕事が止まるもの」から共有します。たとえば、サーバーへの入り方、公開の手順、お客さんの窓口の連絡先などです。その後、少しずつ範囲を広げます。
まずは、「その人がいないと、今日、止まるもの」から共有しましょう。
- サーバーへの入り方を、メモにした
- 公開の手順を、1 か所に置いた
- 主担当と副担当を決めた
- お客さんの窓口の連絡先を共有した
まとめ
- 属人化は、忙しい人ほど起きやすい。誰かの落ち度ではない。
- 手順と情報は、みんなが見られる 1 か所に置く。
- 主担当と副担当の 2 人体制にする。
- ふだんの仕事を、見える形で残す。
akamine でやるなら
判断の理由や手順は、課題のコメントやドキュメントに書けば、あとから検索できます。課題にウォッチ(見守り)をつけると、担当以外の人も、経過を追えます。ドキュメント と ウォッチ の記事を見てください。

- 右上に「ウォッチ中 3」と、見守っている人の数が出ています。
- 下の会話の欄に、判断や経緯がコメントとして残ります。