CHAPTER 06 8 / 9
クレーム管理で再発防止
クレームを「謝って終わり」にせず、記録して原因を探り、再発を防ぐ流れを解説。現場と営業が責め合わずに情報を共有するための記録項目と進めかたを紹介します。初めての方にも読みやすい内容です。
約6分で読めます
現場改善ノートの目次(章と記事の一覧)
1. 現場改善とノーコードの基本
2. 紙・Excel からの卒業
3. 日報・報告を変える
4. 点検・保守・品質を変える
5. 申請・承認・稟議を変える
6. 営業・顧客・案件を変える
8. アプリづくりの考えかた
9. 現場を巻き込む・定着させる
10. データ活用と帳票
この記事の内容
この記事でわかること
- クレームを記録する3つの段階がわかる
- 事実と推測を分けて書く理由がわかる
- 同じ原因の繰り返しを見つける方法がわかる
クレームが起きた直後は、つい「誰のせいか」を探してしまいます。でも、人を責めても、同じことは繰り返されます。
ナナ先週、お客様から「納品された部品に傷がある」って連絡があって。
工藤さん……梱包のとき、気づかなかった。
ナナいえ、工藤さんのせいとは限らなくて。運送中かもしれないし。
工藤さんでも、俺が最後に見たのは確かだ。
サトルさん原因を探す前に、まず「何が起きたか」を、そのまま残しませんか。
クレームは、起きた直後は、誰かの責任のように感じられます。しかし、現場の人を責めても、同じことは繰り返されます。大切なのは、仕組みのどこで防げたかを探すことです。
クレームを「財産」にする三段階
三つの段階は、一度で終わらず、くり返し回ります。
- 1受ける
- 2調べる
- 3防ぐ
- 4傾向を見る
1. 受ける: 事実をそのまま記録する
連絡が来たら、次の項目を、その場で残します。
- いつ・誰から・どの製品について
- 何が起きたか(お客様の言葉のまま)
- 写真があれば添える
- 重要度(急ぎ・通常)
ここでは、原因の推測や、誰のせいかは書きません。事実と推測を混ぜないことが、後の調査をまっすぐにします。
書きがちな記録
受けたときに書く記録
「梱包のミスだ」
「納品した部品に傷があると連絡があった」
「お客様の使いかたが悪い」
お客様の言葉のまま「角に傷がある」
担当者の名前を挙げる
いつ・誰から・どの製品かを書く
2. 調べる: 原因と対応を残す
担当者が調べて、原因と、お客様への対応(交換・返金・謝罪など)を記録します。現場に確認するときは、コメントで質問して、答えも同じ場所に残します。
たとえば、問い合わせ・クレーム管理の1件の画面です。

- 「お問い合わせの内容」と、社内だけの「対応の記録」が分かれている
- 「重要度」と、写真(任意)の欄がある
- 上の帯に、受付 → 対応中 → お客様の返事待ち → 完了 が並ぶ
3. 防ぐ: 再発防止を決めて、実行する
原因が見えたら、対策を一つ決めます。
| 原因の例 | 対策の例 |
|---|---|
| 梱包時に傷を見逃した | 出荷前の外観チェックリストに項目を足す |
| 運送中の破損 | 緩衝材を変更する。運送会社へ連絡する |
| 指示の伝達ミス | 受注の備考欄を、製造指示書にも出す |
対策は、「気をつける」ではなく、仕組みを変える形にします。人の注意力に頼る対策は、長続きしません。
- 対策が、「気をつける」で終わっていない
- チェックリスト・梱包・指示書など、仕組みが変わる
- 同じ原因が、繰り返されていない
工藤さん……チェックリストに「外観」が一行入るなら、毎回やる。
ナナ工藤さんが見てくれていたから、傷に気づけたとも言えますね。
サトルさん責任の話ではなく、「見つけられる形」をみんなで作る話です。
傾向を見る
記録が溜まると、傾向がわかります。
- 製品別・原因別の件数
- 月ごとの増減
- 対応にかかった日数

- 状態ごとの件数と、カードの重要度で、いま何が滞っているかを見渡せる
まとめ
- クレームは責任探しではなく、仕組みを良くするための情報
- 受ける・調べる・防ぐの三段階で、記録を残す
- 事実と推測を分けて書く
- 対策は「気をつける」ではなく、仕組みの変更にする
- 溜まった記録で、同じ原因が繰り返されていないかを見る
Formia でやるなら
問い合わせ・クレーム管理のひな形では、受付から完了までの状態をワークフローで管理し、種類(不具合・クレームなど)や重要度で絞り込めます(問い合わせアプリ、ワークフローの基本)。傷の写真は 写真・ファイルの項目 で添付できます。種類別・月別の件数は、ピボットビュー で集計できます。
