CHAPTER 05 7 / 9
押印・署名はどうなる?
申請をアプリにしたとき、ハンコや署名はどう扱うのでしょうか。承認の記録で足りる場面と、押印欄・署名が必要な場面の考えかたを整理して紹介します。法的な判断は専門家に相談する点も明記します。
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現場改善ノートの目次(章と記事の一覧)
1. 現場改善とノーコードの基本
2. 紙・Excel からの卒業
3. 日報・報告を変える
4. 点検・保守・品質を変える
5. 申請・承認・稟議を変える
6. 営業・顧客・案件を変える
8. アプリづくりの考えかた
9. 現場を巻き込む・定着させる
10. データ活用と帳票
この記事でわかること
- ハンコの2つの目的がわかる
- 社内と社外で必要なものが違うとわかる
- 段階的に移す進めかたがわかる
アプリにしたいけれど、ハンコはどうなるのか。現場でいちばん多い疑問のひとつです。答えは、場面によって違います。
押印の目的を考える
ハンコには、主に2つの目的があります。
- 誰が承認したかを示す(社内の承認)
- 書類が本物であることを示す(社外への提出、契約)
この2つを分けると、必要なものが見えてきます。
示す相手(社内か社外か)と、示したいこと(承認の記録か、書類が本物であることか)で整理すると、次のようになります。
規程で決める
押印・電子契約など。専門家に確認
承認の記録で足りる場面が多い
取引先との約束で決める
この表の左下が、社内の稟議や経費精算にあたります。ここから始めると、無理がありません。
社内の承認
社内の稟議や経費精算では、「誰が・いつ・承認したか」の記録があれば、多くの場合は足ります。
| 紙のとき | アプリのとき |
|---|---|
| 承認印を押す | 承認ボタンを押す(押した人と日時が記録される) |
| 差し戻しの付箋 | 差し戻しのコメントが残る |
| 回覧の順番 | 状態の移り変わりが記録される |
承認の記録は、申請に残り、あとから確認できます。
たとえば、決裁まで終わった稟議の1件の画面です。

- 帯に、承認が済んだ段階が順に並び、いまの状態が濃い色で出ている
- 右側の「変更の履歴」「進み具合」で、あとから経緯を確かめられる
社外に出す書類
見積書・請求書・契約書などの社外向け書類は、事情が変わります。
- 取引先が、押印のある書類を求めることがある
- 書類に、社印や担当者印の印影を入れたPDF を出す、という運用もある
- 契約には、取引先と合意した方法(電子契約など)を使う場合もある
どの方法を使うかは、取引先との約束と、社内の規程で決まります。
押印欄のある書類を出したいときは、帳票の様式に押印欄を置けます。たとえば、こんな帳票です。

- 右上の押印欄に、印を押す位置が確保されている
- 件名や金額などは、入力した内容が自動で入る
署名と手書きの確認
「本人が確認した」ことを、手書きの署名で残したい場面もあります。
- 点検や受け取りの確認で、画面に指やペンで署名する
- 作業完了の確認を、お客様のサインで受ける
- 受け取りの記録を、署名つきで残す
手書きの署名は、画像として記録され、記録と一緒に保存できます。
紙の習慣をいきなり変えない
押印の習慣は、社内に根づいています。
- 1社内承認から移す
記録で足りる場面で始める
- 2社外向けの書類は段階的に
取引先とのやりとりを見ながら
- 3押印欄の位置を残して出力
押印欄が必要な帳票は、位置を残したまま出す
迷ったときの考えかた
迷ったときは、「誰に、何を、証明したいか」を言葉にしてみます。社内の経理や監査に「承認した」と示したいのか、取引先に「本物だ」と示したいのか。示したい相手と内容がはっきりすれば、必要な方法も決まります。それでも決められないときは、現状のやり方を一部残したまま、アプリの記録を併用する形で、様子を見ながら進めます。
アプリに移したあとも、紙の書類を出す場面は残ります。そのときは、アプリの記録から帳票を出力して、必要な押印や署名だけを紙で行う、という併用が現実的です。両方の良さを活かす形から始めましょう。
まとめ
- ハンコには「承認の記録」と「書類の真正性」の2つの目的がある
- 社内承認は、「誰が・いつ」の記録があれば足りる場面が多い
- 社外向けは、取引先との約束や規程に従う
- 手書きの署名は、画像として記録に残せる
- 法的な扱いは専門家に確認し、段階的に移行する
Formia でやるなら
Formiaのワークフローでは、承認のたびに「誰が・いつ・どのボタンで・コメント」を記録します。フォームには手書きの署名の項目があり、帳票には押印欄を置けます。くわしくは 署名の項目 と 帳票の押印欄 の記事を見てください。