CHAPTER 06 1 / 9
顧客台帳を一つにまとめる
営業の名刺フォルダ、総務の取引先Excel、現場の連絡メモ。バラバラな顧客情報を一つの台帳に集めると何が変わるのか、集め方と決めておくことをやさしく解説します。
約6分で読めます
現場改善ノートの目次(章と記事の一覧)
1. 現場改善とノーコードの基本
2. 紙・Excel からの卒業
3. 日報・報告を変える
4. 点検・保守・品質を変える
5. 申請・承認・稟議を変える
6. 営業・顧客・案件を変える
8. アプリづくりの考えかた
9. 現場を巻き込む・定着させる
10. データ活用と帳票
この記事の内容
この記事でわかること
- 顧客情報がバラバラになる理由がわかる
- 一社一行の台帳の考えかたがわかる
- 台帳をまとめる進めかたがわかる
お客様の電話番号が変わったと聞いたのに、どのファイルが最新なのかわからない。顧客の情報は、気づくとあちこちに増えていきます。
顧客の情報は、気づくとあちこちに増えます。営業の手帳、総務の取引先リスト、請求用のExcel、メールのアドレス帳。どれも「最新のつもり」で、少しずつ違っています。
なぜバラバラになるのか
悪気があるわけではありません。それぞれの仕事に必要な情報が違うので、各自が使いやすい形で持つようになります。
| 持っている人 | 持っている情報 | 困りごと |
|---|---|---|
| 営業 | 担当者名、電話、最後に話した内容 | 手帳やスマホの中で、本人にしか見えない |
| 総務・事務 | 請求先の住所、締め日、支払条件 | 変更の連絡が来ないと古いまま |
| 現場 | 納品先、受け取り担当者 | 口頭やメモで伝わる |
同じ会社の情報なのに、直したときに一か所しか変わらない。これが「どれが正しいかわからない」の正体です。
一つの台帳にするときの考えかた
項目は「みんなが使うもの」から始める
サトルさんの助言は、最初から全部の項目を作らないことでした。会社名・担当者・電話・住所・取引状況くらいから始めます。営業だけが使う細かいメモは、あとから足せば十分です。
一社一行、番号を振る
同じ会社が二行あると、また「どっちが正しい?」になります。会社ごとに一行にして、顧客番号(たとえばCUS-0001)を振っておくと、見積書や案件から呼び出しやすくなります。名前の書き方の揺れ(「株式会社」と「(株)」)にも強くなります。
たとえば、顧客管理の一覧です。1社が1行で、顧客番号が振られています。

- 左から、顧客番号(CUS-0001など)・会社名・ランク・業種・取引の状況が並ぶ
- 上のタブで、すべて・Aランク・B・Cに絞り込める
直す人を増やし、直した記録を残す
営業が訪問先で気づいた変更を、その場で直せる。総務は、変更の履歴を見て経緯を追える。「誰が・いつ・何を変えたか」が残れば、安心して直せます。
顧客を軸にすると、その会社の商談や見積が、ひとつながりになります。
- 株式会社ことり製作所(CUS-0001)
- 商談
- 第二工場 生産ライン更新
- 保守契約の更新
- 見積
- EST-0001
- 商談
顧客の1件の画面でも、同じようにひもづいて見えます。

- 右側の「関連レコード」に、商談2件と見積1件が並ぶ
- 下の「商談の一覧」で、その会社の案件名・段階・見込み金額を見られる
移行のコツ
- 1列の名前を見比べる
今あるExcelを二つ並べる
- 2呼び方を一つに決める
「得意先」「取引先」「顧客」などを統一する
- 3重複を一行にまとめる
玲子さんの確認のもとで
- 4使いながら直す
全部きれいにしてから始めない
まとめ
- 顧客情報は、放っておくと営業・総務・現場に分かれて古くなる
- 一社一行・顧客番号つきの台帳を、みんなで見る形にする
- 最初の項目は共通のものだけ。細かい項目はあとから足す
- 変更の履歴が残れば、誰でも安心して直せる
Formia でやるなら
Formiaの「顧客管理」のひな形から作ると、会社名・ランク・業種・担当者・所在地などの項目がそろった台帳がすぐできます(アプリのひな形)。手元のExcelがあれば、1行目を項目名として読み込んで作ることもできます(アプリを作る)。案件や見積から顧客を選ぶ項目は「参照」で作れます(参照項目)。
顧客の1件の画面には、関連する商談や見積が並び、右側にコメントと変更履歴が出ます(1件の画面)。