CHAPTER 08 10 / 12
計算は機械に任せる
合計・税額・日数・加重金額など、人が電卓で計算している作業を、入力から自動で出す考えかたを解説。元になる値の決めかたと、任せるときの注意を紹介します。初めての方にも読みやすい内容です。
約6分で読めます
現場改善ノートの目次(章と記事の一覧)
1. 現場改善とノーコードの基本
2. 紙・Excel からの卒業
3. 日報・報告を変える
4. 点検・保守・品質を変える
5. 申請・承認・稟議を変える
6. 営業・顧客・案件を変える
8. アプリづくりの考えかた
9. 現場を巻き込む・定着させる
10. データ活用と帳票
この記事の内容
この記事でわかること
- 計算を機械に任せられるものがわかる
- 入力する値と結果を分ける理由がわかる
- 端数処理のルールを決める大切さがわかる
出来上がった見積の合計を、念のため電卓でもう一度。その一手間に、毎回時間を使っていませんか。
計算は、機械が得意で、人が苦手なことです。人が計算すると、時間もかかり、ミスも出ます。入力した値から、計算した結果を自動で出す形にすれば、安心して任せられます。
計算を任せられるもの
| 計算 | 例 |
|---|---|
| 合計・小計 | 明細の金額を足す |
| 掛け算 | 数量 × 単価 |
| 税額 | 小計 × 税率 |
| 日数・期間 | 納期までの日数、前回点検からの経過日数 |
| 割合 | 確度に応じた加重見込み額 |
| 年齢・期限 | 生年月日から年齢、見積日から有効期限 |
これらはすべて、「入力した値から、決まったルールで求められる」ものです。
見積の計算の流れは、次のようになります。人が入れるのは、最初の数量と単価だけです。
案件の管理では、見込み金額に確度をかけて、加重見込み額を出します。たとえば、こんな画面です。

- 「見込み金額(税抜)」と「確度」が、人が入れる値です。
- 「加重見込み額」は、その2つから出る結果です。4,800,000円の70%で、3,360,000円になっています。
任せるときの設計
元の値と、結果を分ける
入力するのは「数量」と「単価」。「金額」は計算で出る結果で、人が直接書き換えられない項目にします。こうすれば、結果だけが書き換わって元の値と食い違う、という事故が起きません。
計算のルールを、見える場所に置く
どんな計算をしているかが、後から確認できるようにします。担当者が代わっても、「なぜこの金額になるのか」を説明できる状態が望ましいです。
計算の結果は、印刷した見積書にもそのまま出ます。次の見積書では、小計・消費税(10%)・合計が、明細から計算されています。

- 右下の表で、小計に10%をかけた消費税が足されて、合計になっています。
- 明細の「金額」は、数量と単価から出ています。
端数処理を決めておく
消費税の端数(切り捨て・四捨五入・切り上げ)や、割合の端数の扱いは、会社や取引のルールで決まります。経理担当者と確認して、一つに決めておきます。
計算を任せないほうがよいもの
- 人が判断して決める値(値引きの交渉額、例外的な単価)
- 状況によってルールが毎回違うもの
こうしたものは、入力する項目にして、計算結果とは分けておきます。
計算の結果を信じてもらうために
機械の計算を、現場が信用してくれるとは限りません。最初の数回は、人が電卓で確かめた結果と、機械の結果を並べて比べてもらいます。一致することを一緒に確認すれば、「任せてよい」という安心が生まれます。
もし結果が合わなかったら、そこが式の間違いか、ルールの認識違いかを見つけるよい機会です。
まとめ
- 合計・税額・日数・割合など、決まったルールの計算は機械に任せる
- 入力する値と、計算で出る結果を分け、結果は書き換えられない形にする
- 端数処理などのルールは、経理担当者と決めておく
- 人が判断する値は、計算にせず入力にする
Formia でやるなら
「計算値」の項目に、式を設定すると、他の項目から結果を自動で出せます。式で、四則演算、税の計算、日数の計算、条件による分岐などが書けます(計算値の項目、式の基本、消費税の計算、日数の計算)。設計画面の「ロジック」タブでは、計算式の一覧を確認できます。
