CHAPTER 02 8 / 10
『最新版はどれ?』問題
ファイル名で版を管理していると、いつか「どれが最新?」で混乱します。起きる理由と、置き場所を一つにして、一つの記録として育てる考えかたを、玲子さんとユウキの会話から説明します。
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現場改善ノートの目次(章と記事の一覧)
1. 現場改善とノーコードの基本
2. 紙・Excel からの卒業
3. 日報・報告を変える
4. 点検・保守・品質を変える
5. 申請・承認・稟議を変える
6. 営業・顧客・案件を変える
8. アプリづくりの考えかた
9. 現場を巻き込む・定着させる
10. データ活用と帳票
この記事の内容
この記事でわかること
- 最新版が分からなくなる原因がわかる
- ファイル名の工夫に限界があるとわかる
- 「一か所に置く」考えかたがわかる
「顧客リスト_最新2」。このファイル名を見て、少し笑えて、少し胃が痛くなった人は多いはずです。
なぜ「最新版」が分からなくなるのか
この問題は、次のような流れで起こります。
- 誰かがファイルを、メールで受け取る
- 保存して、自分用に少し直す
- 別の人にも、直したファイルを送る
- 同じ名前のファイルが、あちこちにできる
どこかで一度ずれると、元には戻せません。誰が悪いわけでもなく、「ファイルを配って共有する」という仕組みの限界です。
ファイル名で解決しようとすると
よくある対策は、「最新」「修正」「日付」をファイル名につけることです。しかし、これには限界があります。
| 工夫 | 起きがちな問題 |
|---|---|
| 日付をつける | 同じ日に複数回直すと区別できない |
| 「最新」とつける | 次の更新で「最新」が二つになる |
| 名前をつける | 誰のものが正か決められない |
| 旧版フォルダを作る | 旧版を誤って開く |
ルールを増やしても、人が守り続けるのは難しく、守れない人を責めても解決しません。
解決の考えかた: 「一か所」に置く
根本の解決は、ファイルを配らず、「データの置き場所を一か所にする」ことです。
- 全員が、同じ場所のデータを見る
- 直すと、全員にすぐ反映される
- 「これが最新」と、迷う余地がない
たとえば、日報の一覧は、全員が同じ画面を見ます。

- 1行が1件の記録で、全員が同じ一覧を見ます
- 上の「変更履歴」から、変更の様子を確かめられます
ファイルを送り合うのをやめれば、「版」という概念そのものがなくなります。
「いつ・誰が直したか」は履歴で分かる
一か所に置いても、「前はどうだったのか」を知りたくなることがあります。そのときは、ファイルの旧版を探すのではなく、変更の履歴で確かめます。履歴があれば、旧版を残しておく必要もなくなります。
すぐにできる、はじめの一歩
仕組みを変える前に、できることもあります。
- 共有フォルダの正のファイルを、一つに決める
- 手元のコピーを、削除する
- ファイルを、メールに添付して送らない
ただし、これは応急処置です。長く続けるなら、一か所にデータを置く仕組みに、移ることを考えましょう。
版の混乱が、大きな損につながる場面
たとえば、取引先の連絡先が古いファイルのまま使われていたり、価格表が旧版のまま見積に使われたりすると、信用や利益に関わります。「最新版はどれ?」という質問が出たら、それは、仕組みを見直すサインです。
まとめ
- 「最新版はどれ?」は、ファイルを配って共有する仕組みが原因
- ファイル名の工夫には限界がある
- データの置き場所を一か所にして、全員が同じものを見る
- 過去の状態は、旧版のファイルではなく、変更の履歴で確かめる
Formia でやるなら
Formiaでは、記録は一か所に溜まり、全員が同じ一覧を見ます。レコードの画面には「変更の履歴」があり、いつ、誰が、どこを変えたかを追えます。アプリ全体の変更履歴もあります。くわしくは レコードの画面 を見てください。
1件の画面では、いつ・誰が直したかを、その場でたどれます。

- 右側の「変更の履歴」のタブで、旧版のファイルを探さずに前の状態を確かめます
- 「このレコードについて」に、作った人・更新した人・最後の更新日時が出ます