CHAPTER 04 10 / 10
品質記録を残す
品質記録は、後から見せられて、改ざんされていないことが信頼の元です。何を・誰が・いつ残したかを追える記録の考えかたと、残しかたのコツを紹介します。監査の前に慌てない保管の考えかたです。
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現場改善ノートの目次(章と記事の一覧)
1. 現場改善とノーコードの基本
2. 紙・Excel からの卒業
3. 日報・報告を変える
4. 点検・保守・品質を変える
5. 申請・承認・稟議を変える
6. 営業・顧客・案件を変える
8. アプリづくりの考えかた
9. 現場を巻き込む・定着させる
10. データ活用と帳票
この記事でわかること
- 品質記録に求められる条件がわかる
- 信頼される記録の作りかたがわかる
- 出せる状態に整える進めかたがわかる
「3年分の検査記録を出してください」。そう言われて、保管場所を探して回る。記録は、残すだけでなく、出せなければ意味がありません。
品質記録に求められること
品質記録は、製品や工程が基準を満たしていたことの証拠です。取引先や監査で見せる場面があり、次の条件が大切です。
| 条件 | 意味 |
|---|---|
| 誰が・いつ | 記録した人と日時がわかる |
| 何を | 対象の製品・設備・ロットがわかる |
| 結果 | 判定、測定値、写真が残っている |
| 変更の経緯 | 直した場合、前の内容と誰が直したかがわかる |
| 探せる | 必要なときに、すぐ見つかる |
| 保管 | 決められた期間、失われずに残る |
品質記録に必要なことを、3つの段階にまとめます。
紙の記録で起きやすいこと
- 修正液や二重線で直され、元の値がわからない
- 保管場所が分かれ、全体を探せない
- 紛失・汚れ・劣化がある
- 記録した人の確認(署名・押印)が抜けている
こうした問題は、書く人の注意だけでは防げません。仕組みで支える必要があります。
紙で起きがちなことと、仕組みで支えたときの違いは、次のとおりです。
信頼される記録の作りかた
- 記録に必要な情報を決める: 日時、担当者、対象、判定、測定値、写真
- 自動で入るものは自動にする: 日時や作成者は、人が書かずに記録される
- 直した履歴を残す: 上書きしても、前の値と変更者が追える
- 署名や確認者を残す: 必要なら、記録者の署名や、確認した人の記録
- まとめて出せる形にする: 期間や対象で絞り、PDFなどで出せる
1件の記録の画面は、たとえばこうです。右側の「このレコードについて」に、作った日時と人が自動で残ります。

- 作った日時・作った人・最後の更新・更新した人が出ている
- 「変更の履歴」のタブで、変更の経緯を確かめられる
保管と廃棄のルール
記録は、保管期間と保管場所を決めておきます。
- 製品ごと、取引先ごとに、決められた期間がある場合がある
- 期間を過ぎたものの扱い(廃棄・保管継続)を決める
- バックアップを取り、災害や故障で失わないようにする
具体的な期間や要件は、取引先や業界の決まり、社内規程によって異なります。必ず確認してください。
誰が記録を見たか、帳票を出したかも、監査ログに残ります。

- 操作の種類・操作した人・期間で、絞り込める
- 「帳票を出力した」「回答の詳細を見た」の行が、時刻つきで並ぶ
監査の前に慌てないために
監査や顧客確認の依頼は、突然来ることがあります。日ごろから、「期間と対象を指定すればすぐ出せる」状態にしておくと、慌てません。年に一度、予行演習として「3年前の記録を5分で出せるか」を試してみるのも有効です。出せなかったときが、保管や整理の見直しどきです。
設備ごとの点検履歴は、1枚の帳票で出せます。監査の依頼にも、これを渡せます。

- 点検日・記録番号・種類・判定・所見が、時間順に並ぶ
- 設備名とコードが、上に出る
記録を残す担当者の負担も考えます。記録の項目が多すぎると、書く側が疲れて、内容が薄くなります。本当に残すべきものを絞り、それ以外は自動で入る形にすると、記録の質と継続のどちらも守れます。
まとめ
- 品質記録は、誰が・いつ・何を・どうだったか、を追える形で残す
- 日時や作成者は自動で入れ、直した履歴も残す
- 必要に応じて署名や確認者を残し、期間や対象で絞って出せるようにする
- 保管期間・バックアップは、取引先や社内規程に合わせて決める
Formia でやるなら
Formiaでは、レコードごとに作成者・作成日時・更新者が残り、変更履歴で「前と後」を見比べられます。署名の項目や押印欄を使え、設備ごとの点検履歴などは帳票としてPDFで出せます。くわしくは 署名の項目、帳票の基本、監査ログ の記事を見てください。