CHAPTER 05 3 / 9
金額で決裁者を変える
少額は課長まで、高額は部長や社長まで。金額によって決裁者を変えるルールの考えかたと、決めるときの注意点を、経費や購買の例で紹介します。規程の確認が先になる点にも触れます。
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現場改善ノートの目次(章と記事の一覧)
1. 現場改善とノーコードの基本
2. 紙・Excel からの卒業
3. 日報・報告を変える
4. 点検・保守・品質を変える
5. 申請・承認・稟議を変える
6. 営業・顧客・案件を変える
8. アプリづくりの考えかた
9. 現場を巻き込む・定着させる
10. データ活用と帳票
この記事でわかること
- 決裁基準の考えかたがわかる
- 自動にする前に決めることがわかる
- まず2段階で始める理由がわかる
一万円の交通費も、百万円の設備購入も、同じ順番で回していませんか。金額によって、承認する人は本来変わります。
金額による決裁のしくみ
会社では、金額が大きいほど、上の人が決裁するのが一般的です。これを「決裁権限」や「決裁基準」と呼びます。
| 金額の例 | 決裁者の例 |
|---|---|
| 1万円未満 | 申請者の上長、または自動承認 |
| 1万円以上10万円未満 | 課長 → 経理 |
| 10万円以上100万円未満 | 部長 → 経理 |
| 100万円以上 | 役員 → 社長 |
上の表は例です。金額の区切りや決裁者は、会社ごとの規程に合わせて決めます。
金額で回り先が分かれる様子を、図にするとこうなります。
上の段は段階が少なく、下の段は上長が間に入ります。
決めておくべきこと
自動にする前に、次の点をはっきりさせます。
- 金額の区切り: どの金額で、決裁者が変わるか
- 「以上」か「超える」か: ちょうど10万円のとき、どちらに入るか
- 何の金額か: 税込か税抜か。合計か、1件ごとか
- 種類ごとの違い: 交通費と備品購入で、基準が違うか
- 複数の承認者: 順番に回すか、全員の承認が要るか
ここがあいまいだと、申請のたびに「この場合は誰?」と迷います。
自動にするメリット
金額で決裁者が決まるようにすると、次のことが起きます。
- 申請者が迷わない: 入力した金額で、自動的に回る先が決まる
- 事務の手間が減る: 玲子さんが、手でふりわける必要がなくなる
- ルールが一定になる: 人によって回し方がぶれない
- 少額は速く通る: 小さな金額は、承認の段階が少ない
たとえば、稟議の1件の画面です。金額と、決裁者が並んでいます。

- 「金額(税抜)」の下に「決裁者」が出ている
- 上の帯が、課長承認 → 部長承認 → 社長決裁 → 決裁済み の流れを示している
まず小さく始める
最初から細かく分けると、運用が重くなります。
- 最初は「少額」と「それ以上」の2段階
- 運用で不便が出たら、段階を増やす
- 規程が変わったときに、ルールを直しやすい形にしておく
経費精算のデモでは、「1万円未満はすぐ経理へ(上長承認を省く)」というルールが、自動化の一覧に1行で並んでいます。

- 「いつ(レコードが作られたとき)」「もし(精算合計が10000より小さい)」「すること(状態を経理確認待ちに進める)」の1文で読める
- 隣の行には、差し戻されたら申請者にメールを送る設定も並んでいる
例外の扱い
決裁基準には、例外がつきものです。「緊急の購入」「契約の更新」など、金額だけで決められない場合があります。例外は、最初から仕組みに入れず、「コメントで相談して管理者が進める」運用で始めるのが現実的です。例外が何度も出るようなら、それが仕組みに入れるべきルールです。
規程が古いままになっていることもあります。仕組みを作るのを機に、決裁基準を見直す会社も少なくありません。現状に合わない基準が見つかったときは、総務や経営層と相談して、先に整えておきます。
規程の表を見ながら決めるときは、次の点を確かめてください。
- 金額の区切りを決めた
- ちょうどの金額が「以上」か「超える」かを決めた
- 税込か税抜か、合計か1件ごとかを決めた
- 種類ごとに基準が違うかを確かめた
- 複数の承認者は、順番か全員かを決めた
まとめ
- 金額が大きいほど、上の人が決裁する。これを決裁基準と呼ぶ
- 区切り・以上か超えるか・税込か税抜か・種類を、先に決める
- 自動にすると、申請者は迷わず、事務の手間も減る
- まず2段階で始め、規程の変更に合わせて直す
Formia でやるなら
Formiaのワークフローでは、アクションに「押せる条件」を付けたり、状態ごとの担当者を人・グループ・項目で選んだ人から決めたりできます。デモの経費精算アプリは、1万円未満は自動で承認、それ以上は上長 → 経理の順に回る例です。作りかたは 承認の条件 と 承認者の決めかた の記事を見てください。
