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CHAPTER 05 3 / 9

金額で決裁者を変える

少額は課長まで、高額は部長や社長まで。金額によって決裁者を変えるルールの考えかたと、決めるときの注意点を、経費や購買の例で紹介します。規程の確認が先になる点にも触れます。

約7分で読めます

玲子さんサトルさんナナフォミ ★★ ふつう
申請・承認・稟議を変えるのイメージ
現場改善ノートの目次(章と記事の一覧)
1. 現場改善とノーコードの基本
2. 紙・Excel からの卒業
3. 日報・報告を変える
4. 点検・保守・品質を変える
5. 申請・承認・稟議を変える
6. 営業・顧客・案件を変える
7. 在庫・備品・資産を変える
8. アプリづくりの考えかた
9. 現場を巻き込む・定着させる
10. データ活用と帳票
11. 失敗しないための注意
この記事の内容

この記事でわかること

  • 決裁基準の考えかたがわかる
  • 自動にする前に決めることがわかる
  • まず2段階で始める理由がわかる

一万円の交通費も、百万円の設備購入も、同じ順番で回していませんか。金額によって、承認する人は本来変わります。

ナナ
ナナ一万円の交通費と、百万円の購入が、同じ流れで回ってます。
玲子さん
玲子さん本当は、金額で決裁者が違うのよ。だから私が、都度ふりわけてるの。
ナナ
ナナ玲子さんが!
サトルさん
サトルさん金額で決裁者が変わるルールは、決めておけば自動にできます。

金額による決裁のしくみ

会社では、金額が大きいほど、上の人が決裁するのが一般的です。これを「決裁権限」や「決裁基準」と呼びます。

金額の例決裁者の例
1万円未満申請者の上長、または自動承認
1万円以上10万円未満課長 → 経理
10万円以上100万円未満部長 → 経理
100万円以上役員 → 社長

上の表は例です。金額の区切りや決裁者は、会社ごとの規程に合わせて決めます。

金額で回り先が分かれる様子を、図にするとこうなります。

申請金額を入力1万円未満自動で承認経理確認
申請金額を入力1万円以上上長が承認経理確認
金額によって、承認の段階が変わる例

上の段は段階が少なく、下の段は上長が間に入ります。

決めておくべきこと

自動にする前に、次の点をはっきりさせます。

  1. 金額の区切り: どの金額で、決裁者が変わるか
  2. 「以上」か「超える」か: ちょうど10万円のとき、どちらに入るか
  3. 何の金額か: 税込か税抜か。合計か、1件ごとか
  4. 種類ごとの違い: 交通費と備品購入で、基準が違うか
  5. 複数の承認者: 順番に回すか、全員の承認が要るか

ここがあいまいだと、申請のたびに「この場合は誰?」と迷います。

自動にするメリット

金額で決裁者が決まるようにすると、次のことが起きます。

  • 申請者が迷わない: 入力した金額で、自動的に回る先が決まる
  • 事務の手間が減る: 玲子さんが、手でふりわける必要がなくなる
  • ルールが一定になる: 人によって回し方がぶれない
  • 少額は速く通る: 小さな金額は、承認の段階が少ない
人がふりわける
金額で自動
玲子さんが、金額を見て回し先を決める
入力した金額で、回り先が決まる
人によって、回しかたがぶれる
ルールが一定になる
少額も高額も、同じ長い流れ
少額は段階が少なく、速く通る
ふりわけを人から仕組みに移したときの違い

たとえば、稟議の1件の画面です。金額と、決裁者が並んでいます。

稟議・承認の1件の画面。金額(税抜)が240万円で、決裁者は「部長決裁」と出ている。上の帯に課長承認・部長承認・社長決裁・決裁済みが並ぶ
稟議・承認の1件の画面。金額(税抜)が240万円で、決裁者は「部長決裁」と出ている。上の帯に課長承認・部長承認・社長決裁・決裁済みが並ぶ
  • 「金額(税抜)」の下に「決裁者」が出ている
  • 上の帯が、課長承認 → 部長承認 → 社長決裁 → 決裁済み の流れを示している

まず小さく始める

最初から細かく分けると、運用が重くなります。

  • 最初は「少額」と「それ以上」の2段階
  • 運用で不便が出たら、段階を増やす
  • 規程が変わったときに、ルールを直しやすい形にしておく

経費精算のデモでは、「1万円未満はすぐ経理へ(上長承認を省く)」というルールが、自動化の一覧に1行で並んでいます。

経費精算の自動化の一覧。「1万円未満はすぐ経理へ(上長承認を省く)」「差し戻されたら申請者にメール」などが「いつ・もし・すること」の形で並ぶ
経費精算の自動化の一覧。「1万円未満はすぐ経理へ(上長承認を省く)」「差し戻されたら申請者にメール」などが「いつ・もし・すること」の形で並ぶ
  • 「いつ(レコードが作られたとき)」「もし(精算合計が10000より小さい)」「すること(状態を経理確認待ちに進める)」の1文で読める
  • 隣の行には、差し戻されたら申請者にメールを送る設定も並んでいる
玲子さん
玲子さん「1万円未満は自動」だけでも、承認の山がずいぶん減りそう。
ナナ
ナナ出張から戻る前に、承認が終わっていたら助かります。
サトルさん
サトルさんまず、規程の表を一緒に確認しましょう。

例外の扱い

決裁基準には、例外がつきものです。「緊急の購入」「契約の更新」など、金額だけで決められない場合があります。例外は、最初から仕組みに入れず、「コメントで相談して管理者が進める」運用で始めるのが現実的です。例外が何度も出るようなら、それが仕組みに入れるべきルールです。

規程が古いままになっていることもあります。仕組みを作るのを機に、決裁基準を見直す会社も少なくありません。現状に合わない基準が見つかったときは、総務や経営層と相談して、先に整えておきます。

規程の表を見ながら決めるときは、次の点を確かめてください。

  • 金額の区切りを決めた
  • ちょうどの金額が「以上」か「超える」かを決めた
  • 税込か税抜か、合計か1件ごとかを決めた
  • 種類ごとに基準が違うかを確かめた
  • 複数の承認者は、順番か全員かを決めた
決裁基準を仕組みにする前の確認項目

まとめ

  • 金額が大きいほど、上の人が決裁する。これを決裁基準と呼ぶ
  • 区切り・以上か超えるか・税込か税抜か・種類を、先に決める
  • 自動にすると、申請者は迷わず、事務の手間も減る
  • まず2段階で始め、規程の変更に合わせて直す
フォミ
フォミ決裁基準は、規程の表を見ながら。迷う点は先に決めておきましょう。

Formia でやるなら

Formiaのワークフローでは、アクションに「押せる条件」を付けたり、状態ごとの担当者を人・グループ・項目で選んだ人から決めたりできます。デモの経費精算アプリは、1万円未満は自動で承認、それ以上は上長 → 経理の順に回る例です。作りかたは 承認の条件 と 承認者の決めかた の記事を見てください。

稟議・承認のワークフロー設定画面。課長承認・部長承認・社長決裁・決裁済みが矢印でつながり、否決や差し戻しの矢印も出ている
稟議・承認のワークフロー設定画面。課長承認・部長承認・社長決裁・決裁済みが矢印でつながり、否決や差し戻しの矢印も出ている

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