CHAPTER 09 9 / 10
効果の測りかた
業務アプリの効果は、感覚だけでは伝わりません。時間・ミス・件数の変化を、導入の前と後で比べる方法を紹介します。測りすぎない工夫や、数字にしにくい効果の伝え方も扱います。
約6分で読めます
現場改善ノートの目次(章と記事の一覧)
1. 現場改善とノーコードの基本
2. 紙・Excel からの卒業
3. 日報・報告を変える
4. 点検・保守・品質を変える
5. 申請・承認・稟議を変える
6. 営業・顧客・案件を変える
8. アプリづくりの考えかた
9. 現場を巻き込む・定着させる
10. データ活用と帳票
この記事の内容
この記事でわかること
- 効果を測る4つの観点がわかる
- 時間の効果を数字にする計算がわかる
- 測りすぎない工夫がわかる
「このアプリ、効果あるの?」と聞かれて、「楽になりました」としか答えられなかった。そんな場面のための記事です。
効果は、「前と後」の比べっこ
効果の測りかたは、実はとても単純です。前と後を比べるだけです。ただし、アプリを入れてから「前はどうだったか」を測るのは難しいので、できれば、始める前に測っておくのが理想です。
今から測る場合は、現場の人に聞き取る方法でも、十分です。「前は、月末の集計に何時間かかりましたか?」と聞けば、おおよそがわかります。
測る4つの観点
| 観点 | 測りかた | 例 |
|---|---|---|
| 時間 | 作業にかかる時間の変化 | 日報の打ち直しが、毎日30分 → 0分 |
| ミス | 間違い・漏れの件数の変化 | チェック漏れが、月5件 → 1件 |
| 速さ | 回るまでの日数の変化 | 申請から承認まで、3日 → 1日 |
| 使われ方 | 実際に入力された件数・人数 | 今月の入力件数、入力した人数 |
特に、「使われ方」は、すぐ測れて、定着の度合いもわかります。
数字の出しかた
時間は「人数 × 回数 × 1回の時間」
この図は、「30分 × 20人」の打ち直しが、なくなった場合の例です。前後を2本並べて見せると、変化が伝わります。
「1日30分の打ち直しが、20人分」なら、1日10時間です。月20日で、200時間。大きな数字ほど、伝わります。ただし、正直な見積もりにとどめ、盛りすぎません。
アプリの中のデータを使う
アプリには、入力件数や、状況ごとの件数が、すでに溜まっています。グラフや集計で見れば、手間なく数えられます。
たとえば、ホームには、件数や合計の数字、グラフが並びます。

- 上の数字は、今月の件数や合計。「先月より」の増減も出る
- 「段階ごとの商談金額」のように、内訳が棒グラフで見える
一覧のデータは、こんなグラフにもできます。

- 棒の高さで、段階ごとの違いがひと目でわかる
- 右上の「Excel」「CSV」から、書き出しもできる
次の図は、数字を添えると、同じ効果がどう違って伝わるかを表します。右の列を目指します。
測りすぎない
測ること自体が、現場の負担になっては本末転倒です。
- 測る項目は、3つまでに絞る
- 測るために、新しい入力を増やさない(アプリのデータから出せるものを使う)
- 毎週ではなく、月に1回で十分
最後に、測りすぎないための確認です。チェックの付いた3つは、ぜひ守ります。
- 測る項目は3つまで
- 新しい入力を増やさず、アプリのデータから出す
- 月に1回だけ見る
- 数字にしにくい効果は、現場の声を一言ずつ集める
数字を、次の一手につなげる
測った結果は、報告して終わりにせず、次に何を直すかを決める材料にします。たとえば、入力件数が特定の班だけ少ないなら、その班の使いにくさを聞きに行きます。時間が減っていない工程があれば、その工程の入力を見直します。
数字が良かった場合も、「なぜ良かったのか」を確かめておくと、次のアプリでも同じ工夫を使えます。
まとめ
- 効果は「前と後」を比べるだけ。前を覚えている人に聞くのでも構わない
- 観点は、時間・ミス・速さ・使われ方の4つ
- 時間は「人数 × 回数 × 1回の時間」で、正直に見積もる
- アプリの中のデータを使えば、測る手間が少ない
- 測る項目は3つまで。数字にしにくい効果は、声で伝える
Formia でやるなら
Formiaでは、件数や合計を数値の部品で、状況ごとの内訳をグラフで、ホームやビューに並べられます。入力件数の推移を、毎日の確認の中で見られます。作り方は グラフを作る と ピボット集計 を見てください。