CHAPTER 08 5 / 12
マスタを分けて持つ
取引先や品目、設備など「何度も使う一覧」をマスタとして別に持つ考えかたを解説。入力の揺れを防ぐ効果と、マスタに入れるものの決めかた、保守のコツを紹介します。現場の例つきで説明します。
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現場改善ノートの目次(章と記事の一覧)
1. 現場改善とノーコードの基本
2. 紙・Excel からの卒業
3. 日報・報告を変える
4. 点検・保守・品質を変える
5. 申請・承認・稟議を変える
6. 営業・顧客・案件を変える
8. アプリづくりの考えかた
9. 現場を巻き込む・定着させる
10. データ活用と帳票
この記事でわかること
- マスタとは何かがわかる
- マスタに入れるものの決めかたがわかる
- マスタの保守のコツがわかる
同じ取引先なのに、書類ごとに名前の書きかたが違う。集計のたびに、頭を抱えたことはありませんか。
玲子さん見積書のたびに、取引先の名前を打つので、表記がバラバラなんです。
サトルさんたとえば、どんな違いがありますか?
玲子さん「株式会社ことり製作所」「(株)ことり製作所」「ことり製作所」……。
玲子さん請求書をまとめるときに、別の会社として数えられてしまいました。
サトルさん取引先の名前は、打つのではなく「選ぶ」形にしませんか。
同じ情報を、あちこちの記録で何度も打ち込んでいると、表記が揺れ、間違いが入り込みます。これを防ぐ考えかたが「マスタ」です。
マスタとは
マスタとは、「何度も使う、基準になる一覧」です。
| マスタの例 | 中身 |
|---|---|
| 取引先マスタ | 会社名、住所、担当者、締め日 |
| 品目マスタ | 品名、型番、単価、単位 |
| 設備マスタ | 設備番号、設備名、設置場所 |
| 社員・部署マスタ | 氏名、所属、役職 |
見積・日報・点検などの記録(日々増えていくデータ)では、マスタから「選ぶ」だけにします。名前や単価は、マスタの側だけに書いておきます。
マスタと記録の関係は、次の図のとおりです。
取引先マスタ会社名は、ここだけに書く見積の記録取引先を「選ぶ」請求書の記録取引先を「選ぶ」集計同じ会社は一社
マスタの中身は、たとえば次のような表です。設計の画面では、列ごとに「必須」「重ならない」などを決められます。

- 「取引先名」には「必須」と「重ならない」の印があり、同じ名前の重複登録を防ぎます。
- 「選ぶときに見せる列」の印で、記録から選ぶときに表示する列を決めます。
マスタを分けるメリット
- 表記の揺れがなくなる: 同じ会社が、いつも同じ名前で記録される
- 打つ手間がなくなる: 一覧から選ぶだけ
- 直すのが一か所で済む: 取引先の住所が変わったら、マスタを一度直せばよい
- 集計が正しくなる: 同じ会社が、一社として数えられる
記録の側では、たとえば次のように選びます。案件の入力画面の「顧客」は、一覧から探して選んだ会社が入っています。

- 「顧客」の欄は、右の矢印から一覧を開いて選ぶ形です。
- 選ぶので、会社名の表記が揺れません。
何をマスタにするか
マスタにしたほうがよいもの
- 何度も出てくる(取引先、品目、設備)
- 名前が決まっていて、人によって変わってはいけない
- 付随する情報がある(取引先なら住所や締め日)
マスタにしなくてよいもの
- 一度しか使わないもの
- 選択肢が3〜5個で、ほとんど変わらないもの(それは単なる選択肢で足ります)
玲子さん部署の名前は、よく変わるので、マスタにしたほうがよさそうですね。
サトルさん変わる情報ほど、一か所で直せる形にしておく価値があります。
保守のコツ
マスタがないとき
マスタがあるとき
「(株)ことり製作所」など、表記が揺れる
同じ会社が、いつも同じ名前
住所が変わると、記録ごとに直す
マスタを一度直せば済む
同じ会社が別の会社として数えられる
一社として集計できる
マスタは作ったあとの手入れが大切です。
| 気をつけること | 理由 |
|---|---|
| 管理する人を決める | 誰でも追加できると、重複ができる |
| 古いものは「削除」せず「使わない」にする | 過去の記録が参照できなくなるのを防ぐ |
| 追加の依頼方法を決める | 現場が困らないようにする |
- 取引先・品目・設備など、何度も出るものをマスタにした
- マスタを管理する人を決めた
- 古いものは、削除せず「使わない」にする決まりがある
- 追加の依頼方法を、現場に知らせた
まとめ
- マスタは、何度も使う基準の一覧。記録では「選ぶ」だけにする
- 表記の揺れがなくなり、集計が正しくなる
- 変わりやすい情報ほど、一か所で直せるマスタにする
- 管理する人を決め、古いものは削除せず「使わない」にする
Formia でやるなら
Formiaでは、マスタ用の表を「テーブル」として作れます。フォームのない、表のままのデータで、列を決めて直接編集できます(テーブル)。記録のフォームからは「参照」の項目で、そのテーブルから選べます(参照の項目、列の設定)。
