CHAPTER 04 4 / 10
『否』のときだけ詳しく書く
点検で毎回すべての項目に詳しく書くのは負担です。「否」のときだけ備考と写真の欄を開く設計で、普段は速く、異常のときは詳しく記録できる考えかたを紹介します。点検を続けやすくするための設計です。
約6分で読めます
現場改善ノートの目次(章と記事の一覧)
1. 現場改善とノーコードの基本
2. 紙・Excel からの卒業
3. 日報・報告を変える
4. 点検・保守・品質を変える
5. 申請・承認・稟議を変える
6. 営業・顧客・案件を変える
8. アプリづくりの考えかた
9. 現場を巻き込む・定着させる
10. データ活用と帳票
この記事でわかること
- 「否」のときだけ詳しく書く理由がわかる
- 「良」と「否」で画面を変える考えかたがわかる
- 「否」を対応につなげる流れがわかる
ほとんど「良」なのに、全項目に所見を書かされる。いざ異常のときは、余白が足りない。点検表のこのくせは、設計で直せます。
普段は速く、異常のときは詳しく
点検は、**ほとんどが「良」**です。毎回、全項目に所見を書かせる作りは、書く人にも読む人にも負担になります。
一方で、「否」のときは、詳しい情報が必要です。
- どこが、どのように悪いのか
- 写真はあるか
- すぐ対応が必要か、様子を見るか
この差を、点検表の設計に反映させます。
2つの作りを比べると、次のとおりです。
設計の考えかた
| 判定 | 画面の状態 |
|---|---|
| 良 | 何も出ない。次の項目へ進める |
| 対象外 | 何も出ない。次の項目へ進める |
| 否 | 備考と写真の欄が開く。理由を入れないと次へ進めない形にもできる |
点検の入力画面では、たとえばこう動きます。「否」を選んだ項目だけ、下に備考の欄が開いています。

- 2番と4番が「否」で、赤く表示され、備考が開いている
- 「良」の項目には、何も開かない
- 欄の下に「6/6項目」「否2件」と出る
こうすると、次のよい点があります。
- 普段は1タップで済み、速く終わる
- 異常のときだけ、必要な情報が確実に集まる
- 画面がすっきりして、迷いにくい
「否」のときに残す情報
詳しく書くといっても、長い文章は求めません。
- 備考: 症状を一言(「軸受から周期的な異音」)
- 写真: 異常の様子(全体と近く)
- 対応の種類: 「すぐ停止」「次回交換」「経過観察」などを選ぶ
- 対応期限: 必要なら、いつまでに直すか
選ぶ形を多くして、書く量を最小にします。
不具合につなげる
「否」が出たら、記録で終わらせず、次の動きにつなげます。
- 一覧で「不具合あり」の件数がすぐ見える
- 不具合がある点検は、報告書として別の様式でも出せる
- 対応する人に通知が届く(詳しくは「不具合の対応状況を追う」で説明します)
「否」から対応までの流れを、図にします。
「否」を付けやすい空気づくり
「否」を付けると、手間が増える、責められる、と感じると、人は「良」で済ませがちです。「否」は異常を見つけた手柄だ、という空気を現場の班長が作ることが大切です。「否」が出たら「よく見つけた」と声をかけ、そのあとの対応を一緒に考える。入力の軽さと同じくらい、この空気が点検の質を左右します。
「否」の記録は、次の点検の人にも役立ちます。前回に「否」だった項目が目に入ると、確認の注意が自然に向きます。記録が、次の点検の手がかりとして働く形にすると、点検全体の質が上がります。
まとめ
- 点検はほとんど「良」。普段は速く終われる形にする
- 「否」のときだけ、備考と写真の欄を開く
- 残す情報は、選ぶ形を中心に最小限にする
- 「否」は記録で終わらせず、対応につなげる
Formia でやるなら
Formiaの判定リストでは、判定ごとに「理由の入力を求める」「理由を書けるようにする」「出さない」を選べます。「否」を選ぶと、備考と写真の欄がその場で開きます。「問題として数える」を入れた判定は、一覧に「不具合N件」と出ます。設定は チェックリスト項目 と 必須と入力チェック の記事を見てください。
設計画面では、判定ごとに設定します。「否」には「理由の入力を求める」「問題として数える」のチェックが入っています。

設定した結果は、一覧の「点検チェックリスト」の列に出ます。

- 「問題として数える」を入れた判定が、「不具合N件」として数えられる
- 不具合のない点検は、「問題なし」と表示される