CHAPTER 03 5 / 9
日報を集計して現場を見える化
日報は書いて終わりではなく、集めて数えると現場の姿が見えてきます。作業の種類や人ごとの時間を集計し、改善のヒントにする考えかたを紹介します。表計算が苦手でも始められる見かたです。
約6分で読めます
現場改善ノートの目次(章と記事の一覧)
1. 現場改善とノーコードの基本
2. 紙・Excel からの卒業
3. 日報・報告を変える
4. 点検・保守・品質を変える
5. 申請・承認・稟議を変える
6. 営業・顧客・案件を変える
8. アプリづくりの考えかた
9. 現場を巻き込む・定着させる
10. データ活用と帳票
この記事でわかること
- 日報を集計すると見えることがわかる
- 集計できる書きかたにそろえられる
- 表・グラフ・元の日報の3つの見せかたがわかる
たまっていく日報を、読み返すことはありますか。1枚ずつ見ると「今日の様子」。集めて数えると、現場の「いつもの姿」が見えてきます。
集計すると何が見えるか
日報を1枚ずつ読むと「今日の様子」がわかります。日報を集めて数えると、「いつもの様子」と「いつもと違う様子」がわかります。
| 集計の切り口 | わかること |
|---|---|
| 作業の種類ごとの合計時間 | どの作業に時間がかかっているか |
| 案件・製品ごとの合計時間 | 見積りと実際のずれ |
| 人ごと・班ごとの合計 | 負荷の偏り |
| 日ごと・週ごとの推移 | 忙しい時期、残業が増える時期 |
| 不具合ありの件数 | 問題の多い工程や設備 |
たとえば、作業の種類ごとの1か月の合計時間を、棒で並べるとこうなります(数字は架空です)。
思ったより「片付け」が長い。こういう気づきが、最初の改善のきっかけになります。
集計できる日報の条件
集計したいなら、日報の書きかたを少しだけそろえます。
- 選んで入れる項目にする: 「段取り」「段取り替え」「準備」と自由に書くと、数えられない
- 時間は数字で入れる: 「2時間くらい」ではなく、分や時間の数値で
- 日付を必ず入れる: 日別・週別・月別に分けられる
集計のしやすさは、書く時点の工夫で9割決まります。前の記事の「選ぶ項目」が効いてきます。
日報が数字になるまでの流れは、次のとおりです。どこかで詰まったら、前の段の書きかたに戻して直します。
見える化の3つの形
集計結果は、見せかたで伝わりやすさが変わります。
- 表: 数字をそのまま比べる。細かく調べたいとき
- グラフ: 棒グラフや折れ線で、大小や増減をひと目で見る
- 一覧への戻り: 数字を押すと、元の日報にたどり着ける。理由を確かめたいときに必要
特に3番目は大切です。「今週は段取りが多い」とわかったら、どの日報なのかをすぐ見に行けると、次の改善に進めます。
グラフビューの例です(案件のデータですが、日報の作業時間でも作りかたは同じです)。

- 画面の上に、グラフの種類を切り替えるボタンが並ぶ
- 「表で見る」で数字の表に切り替えられ、Excel・CSVに書き出せる
集計の結果は、ホーム画面にも並べられます。たとえば、こんな画面です。

- 「今月の日報」のカードに、今月の件数と先月との差が出ている
- 棒グラフで、段階ごとの金額を並べて比べられる
数字を見る人にも渡す
集計は、管理職だけのものではありません。現場の班長や作業者が自分たちの数字を見ると、「自分たちで直そう」という動きが生まれます。
- 週に一度、数字を見ながら5分だけ話す
- 責めるためでなく、直すところを探すために使う
- 良くなった点も、数字で確かめる
小さく始める集計
最初から多くの切り口を用意する必要はありません。まずは「作業の種類ごとの合計時間」を1つだけ見てみます。1か月分がたまったら、気づいたことを班で話し合います。「思ったより片付けに時間がかかっている」といった発見が、最初の改善のきっかけになります。集計の項目は、必要になってから増やせば十分です。
集計の結果は、完璧でなくて構いません。最初は件数がばらついたり、入力の揺れがあったりします。その揺れを見つけること自体が、「次は選ぶ形にしよう」という改善のヒントになります。
まとめ
- 日報は、集めて数えると現場の姿が見える
- 作業の種類・案件・人・日付の切り口で見る
- 集計できる書きかた(選ぶ・数字・日付)にそろえる
- 表・グラフ・元の日報への戻りの3つがそろうと使いやすい
Formia でやるなら
Formiaでは、日報の一覧から行と列を入れ替えて集計できるピボットや、棒・折れ線などのグラフを作れます。数字を押すと、元の一覧に切り替わります。ピボットは ピボットビュー、グラフは グラフビュー の記事を見てください。