CHAPTER 05 5 / 9
稟議書をアプリにする
稟議書は、書式が整っていないと決裁者が判断しにくくなります。必要な項目・添付・コメント・経緯の残しかたを、アプリにするときの視点で紹介します。聞き返しをなくす項目づくりも紹介します。
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現場改善ノートの目次(章と記事の一覧)
1. 現場改善とノーコードの基本
2. 紙・Excel からの卒業
3. 日報・報告を変える
4. 点検・保守・品質を変える
5. 申請・承認・稟議を変える
6. 営業・顧客・案件を変える
8. アプリづくりの考えかた
9. 現場を巻き込む・定着させる
10. データ活用と帳票
この記事でわかること
- 稟議書に必要な項目がわかる
- 添付とコメントで経緯を残せる
- 決裁の記録と後工程まで流れに入れる
稟議書を出したのに、「目的は?」「いくらかかるの?」と何度も聞き返される。書き方がばらばらだと、決裁までの時間も長くなります。
稟議書の役割
稟議書は、「これをやってよいか」を決裁者に判断してもらうための書類です。判断に必要な情報が足りないと、決裁が遅れたり、差し戻されたりします。
項目の決めかた
決裁者が知りたいことを、そのまま項目にします。
| 知りたいこと | 項目の例 |
|---|---|
| 何をするのか | 件名、内容 |
| なぜ必要か | 目的・背景 |
| いくらかかるか | 金額(税込)、支払い時期 |
| ほかの方法は | 比較した案、選んだ理由 |
| いつまでに | 希望する決裁期限 |
| 誰が関わるか | 申請者、関係部署 |
| 根拠は | 見積書、仕様書などの添付 |
「聞き返されること」を洗い出し、それを最初から項目に入れるのがコツです。
たとえば、稟議の入力画面の後半です。

- 「決裁者」には「金額で自動的に決まります」と説明があり、金額から決まる欄になっている
- 一番下の「見積書・資料」で、ファイルを添付できる
添付とコメント
稟議には、書類の添付がつきものです。
- 見積書・仕様書・比較表などを、申請に添付する
- 紙の資料は、スキャンや写真で添える
- 決裁者の質問は、コメントで書く。申請者が答え、やりとりが残る
- 口頭やメールでの確認が、申請の記録とは別々にならない
やりとりが申請に残ると、あとから経緯を確かめられます。「なぜ承認したのか」の記録にもなります。
承認の流れ
稟議の流れは、規模によって違います。
- 小さな稟議: 申請者 → 上長 → 決裁者(1〜2段階)
- 大きな稟議: 申請者 → 部門長 → 管理部門 → 役員(複数段階)
- 決裁後の手続き: 承認後に、購買や契約などの次の作業につなげる
上の段が小さな稟議、下の段が大きな稟議です。どちらも、決裁のあとの手続きまで流れの中に入れておきます。
決裁の記録を残す
決裁者の判断は、誰が・いつ・どう判断したかが残ることが大切です。
- 承認・差し戻し・却下の、日時と判断した人
- 判断のコメント(条件付きの承認など)
- 申請を直した場合、前の内容との違い
たとえば、決裁まで終わった稟議の1件の画面です。

- 帯に「課長承認 → 部長承認 → 社長決裁 → 決裁済み」と並び、いまの状態が濃い色で出ている
- 右側に、コメントと「変更の履歴」「進み具合」のタブがある
稟議書の書式を磨く
稟議書の様式は、過去の稟議を10件ほど見直すと、改善点がわかります。「差し戻された稟議は、何が足りなかったのか」「決裁者が質問した内容は何か」。その答えを項目に加えていくと、稟議書の質が自然に上がります。様式を整える作業は、実は仕組みを作る前に、紙のままでも始められます。
承認する人の目線で、一度、申請画面を見直してみてください。判断に必要な情報が、画面の上のほうに並んでいるか。添付が見つけやすいか。決裁者の「読みやすさ」を優先すると、承認までの時間が短くなります。
様式を見直すときの確認項目です。
- 過去の稟議を10件ほど見直した
- 差し戻された稟議に何が足りなかったか書き出した
- 決裁者の質問を、項目に加えた
- 判断に必要な情報が、画面の上のほうに並んでいる
まとめ
- 稟議書は、決裁者が判断するために必要な情報を、項目にしておく
- 「聞き返されること」を洗い出し、最初から入れる
- 書類は添付し、質問や回答はコメントで申請に残す
- 決裁の記録と、決裁後の手続きまで流れに入れる
Formia でやるなら
Formiaでは、項目・添付・コメントを持つ申請アプリを作り、状態と担当者で承認の流れを組めます。決裁の履歴は、1件の画面の「進み具合」で、誰が・いつ・どのボタンで進めたかを確認できます。デモには「稟議・承認」のアプリもあります。作りかたは ワークフローの設計 と 承認の履歴 の記事を見てください。
決裁後は、押印欄つきの稟議書をPDFや印刷で残せます。

- 右上に、起案・課長・部長・社長の押印欄が並ぶ
- 入力した件名・起案者・金額・目的・理由が、様式に流し込まれている