CHAPTER 05 4 / 9
経費精算アプリを作ってみる
経費精算を紙とハンコから、スマホで申請して自動で合計が出るアプリにします。明細・領収書の写真・承認の流れ・支払いまでの設計を、順を追って紹介します。領収書の写真で台紙貼りをなくす例です。
約7分で読めます
現場改善ノートの目次(章と記事の一覧)
1. 現場改善とノーコードの基本
2. 紙・Excel からの卒業
3. 日報・報告を変える
4. 点検・保守・品質を変える
5. 申請・承認・稟議を変える
6. 営業・顧客・案件を変える
8. アプリづくりの考えかた
9. 現場を巻き込む・定着させる
10. データ活用と帳票
この記事でわかること
- 経費精算を4つの部分に分けて考えられる
- 明細と合計を自動にする考えかたがわかる
- 承認から支払いまでの流れが作れる
月末になると、領収書の台紙貼りと電卓に追われる。経費精算は、紙のままだと、いちばん手間のかかる申請のひとつです。
経費精算アプリの設計
アプリを作るときは、**「申請」「明細」「承認」「支払い」**の4つに分けて考えます。
| 部分 | 内容 |
|---|---|
| 申請 | 申請日・申請者・部署・用途や目的 |
| 明細 | 利用日・科目・内容・金額(複数行) |
| 承認 | 上長の承認 → 経理の確認 |
| 支払い | 支払済みにして、終わり |
明細を行で入れる
経費は、交通費・宿泊費・消耗品など、複数の行になります。1行ごとに、次の情報を入れます。
- 利用日
- 科目(旅費交通費、宿泊費など。選ぶ形に)
- 内容(区間・品名など)
- 金額(税込)
- 領収書の写真
科目を選ぶ形にしておくと、科目ごとの集計ができて、経理が助かります。
たとえば、こんな画面です。経費の明細は、1行ずつ利用日・科目・内容・金額を入れます。

- 利用日の横の「科目」は、旅費交通費・宿泊費・接待交際費などを選ぶ形になっている
- 明細の下に「精算合計」が計算されて出ている
- 「領収書」の欄に「写真を撮る」「画像を選ぶ」のボタンがあり、スマホで撮った領収書をそのまま添付できる
合計は自動で計算する
明細の金額を人が足すと、間違いが起きます。
- 行を足すと、合計が自動で更新される
- 科目別の小計が出る
- 申請日が休日のときは、画面に知らせが出る(必要に応じて)
計算の間違いがなくなるだけで、差し戻しが大きく減ります。
承認から支払いまでの流れ
流れは、次のように作れます。
- 申請者が入力して提出 → 「上長承認待ち」
- 上長が承認 → 「経理確認待ち」
- 経理が内容を確認して「支払済みにする」→ 「支払済み」(終わり)
- 不備があれば、どの段階でも「差し戻す」→ 申請者に返る → 直して「再申請」
流れを図にすると、次のとおりです。
実際の1件の画面では、上の帯にこの流れが並びます。

- 帯の中で、いまの状態が濃い色で出ている
- 明細は行ごとに、利用日・科目・内容・金額が並ぶ
差し戻すときには、理由を入れてもらうようにします。申請者は、直すところが明確にわかります。
申請者が得すること
仕組みを作る目的は、経理の負担を減らすことだけではありません。
- スマホで、出先の移動中にも申請できる
- 領収書は、写真を撮って添えるだけ
- 申請の状態がわかり、「どうなった?」と聞かなくてよい
- 差し戻しの理由が、すぐ届く
スマホの画面幅では、入力欄が縦一列に並び、下に保存のボタンが固定されます。

- 申請日の横に、休日のときは赤い知らせ(「休日」)が出ている
- 保存ボタンの横に「必須はすべて入力済み」と表示される
運用に乗せるまで
アプリを作ったら、いきなり全社に広げず、まず営業部のような申請の多い部署で1か月試します。領収書の撮りかた、科目の選びやすさ、差し戻しの理由の書きかたなど、実際に使うと見えてくる点があります。直してから全社に広げると、「また面倒な仕組みが増えた」という反応を避けられます。
最初の1か月で、次の点を見るとよいでしょう。
- 領収書の撮りかたで困っている人はいないか
- 科目は選びやすいか
- 差し戻しの理由は、申請者に伝わっているか
- 申請の多い部署で、1か月試した
まとめ
- 経費精算は、申請・明細・承認・支払いの4つに分けて作る
- 明細は行で入れ、科目は選ぶ形にして、合計は自動で出す
- 流れは、上長承認 → 経理確認 → 支払済み。どの段階でも差し戻せる
- 差し戻しには理由を入れ、申請者が直しやすくする
Formia でやるなら
Formiaのデモには、経費精算アプリがあります。明細は行を足す形で入り、合計は自動計算され、1万円未満は自動で承認、それ以上は上長 → 経理の順に回ります。作りかたは 繰り返し・明細の項目 と ワークフローの設計 の記事を見てください。
