CHAPTER 11 2 / 5
最初から大きく作りすぎない
全部入りの大きなアプリを最初から作ると、完成が遠く、現場の要望ともずれがちです。小さく作って使いながら育てる進め方と、最初に入れる項目を絞る具体的な基準を紹介します。
約6分で読めます
現場改善ノートの目次(章と記事の一覧)
1. 現場改善とノーコードの基本
2. 紙・Excel からの卒業
3. 日報・報告を変える
4. 点検・保守・品質を変える
5. 申請・承認・稟議を変える
6. 営業・顧客・案件を変える
8. アプリづくりの考えかた
9. 現場を巻き込む・定着させる
10. データ活用と帳票
この記事の内容
この記事でわかること
- 大きく作ると困る理由がわかる
- 最初に入れる項目の絞り方がわかる
- 使いながら育てる進め方がわかる
「どうせ作るなら全部入れておこう」。その親切心が、入力の重さと、使われないアプリを生みます。
大きく作ると、なぜ困るのか
「どうせ作るなら、全部入れておこう」。親切な気持ちですが、次のような困りごとが起きます。
| 困りごと | 理由 |
|---|---|
| 完成が遠い | 作るのに時間がかかり、使い始めが遅れる |
| 入力が重い | 項目が多いと、書く人が嫌になる |
| ずれやすい | 使う前に作るので、現場の実際と合わない |
| 直しにくい | 項目が多いほど、直すときの影響が広がる |
| 使われない項目が増える | 「あると便利そう」が、結局使われない |
特に、「あとで使えそうだから」で入れた項目は、ほとんど使われません。
この図は、会話のユキの日報アプリを数字にしたものです。作った数より、使われる数のほうがずっと少ないことがわかります。
小さく作る3つの基準
1. 「今、実際に使うもの」だけを入れる
紙に書いている項目を、現場の人が実際に毎日書いているものだけに絞ります。「あるといいな」は、あとで足せます。
たとえば、点検票は、こんな少ない項目から始められます。

- 設備番号・点検実施日・点検者・天候の、基本の項目が並ぶ
- 左の一覧から、あとで項目を足せる
2. 「1つの業務」から始める
日報、点検、経費など、1つの業務で作ります。いろいろな業務をまとめた「万能アプリ」は、作るのも直すのも大変です。
3. 「少人数」で試す
まず、1つの班、数人で使います。小さい範囲で試せば、失敗しても、影響が小さくて済みます。
項目の絞り方
次のような目安で、項目を絞ります。
最初に入れる5
あとで足す2
入れない1
この図は、項目を3つの列に仕分けたものです。最初は、左の列だけで始めます。
最初は、上の2つだけで、始めてみます。10項目前後に収まることが多いものです。
使いながら育てる
小さく始めると、使いながら、現場から要望が出てきます。「写真も付けたい」「集計を見たい」。それを、1つずつ足すのが育てる進め方です。
足すときは、現場から「ほしい」と言われたものを優先します。そうすれば、足した項目は使われます。
小さく始めた画面は、スマホでも、たとえば、こんなに短く済みます。

- 基本の欄が上から並び、縦に迷わず進める
- 下の保存ボタンで、すぐ送れる
「小さすぎる」ことを、心配しない
小さく始めると、「これだけで本当に役に立つのか」と不安になることがあります。でも、小さく始めたアプリは、足すのも直すのも軽く、早く現場の反応をもらえるのが強みです。
足りない部分は、使ってもらううちに、現場の人が教えてくれます。最初から完璧を目指すより、「まず動かして、一緒に育てる」と考えるほうが、結果として、使われるアプリになります。
まとめ
- 大きく作ると、完成が遠く、入力が重く、ずれやすい
- 「今、実際に使うもの」だけを入れる
- 1つの業務・少人数から始める
- 迷ったら「空でも回るか」で判断する
- 現場からの要望を1つずつ足して、育てる
Formia でやるなら
Formiaでは、はじめに少ない項目で作り、あとから項目を足したり並べ替えたりできます。過去のデータも、項目を足したあとに読めます。作り方は アプリを作る と フォームデザイナー を見てください。