CHAPTER 01 7 / 10
紙と転記のかくれたコスト
紙の記録と、あとでの転記には、目に見えにくい時間とミスのコストがかかっています。紙代や印刷代よりも大きい「かくれたコスト」を、具体的な数字の例で、一緒に数えてみます。
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現場改善ノートの目次(章と記事の一覧)
1. 現場改善とノーコードの基本
2. 紙・Excel からの卒業
3. 日報・報告を変える
4. 点検・保守・品質を変える
5. 申請・承認・稟議を変える
6. 営業・顧客・案件を変える
8. アプリづくりの考えかた
9. 現場を巻き込む・定着させる
10. データ活用と帳票
この記事でわかること
- 紙のかくれたコストがわかる
- 転記の時間を数える方法がわかる
- 数えるときのコツがわかる
紙の点検表の束を前に、「これ、いつまで写すんだろう」と思ったことはありませんか。紙の本当のコストは、紙代ではなく、人の時間にあります。
紙のコストは「紙代」だけではない
紙の運用のコストというと、印刷代や保管場所が思い浮かびます。けれど、本当に大きいのは、人の時間です。
| コスト | 内容 |
|---|---|
| 書く時間 | 現場で、手書きで記入する |
| 運ぶ時間 | 事務所まで持っていく、回覧する |
| 転記の時間 | 紙の内容をExcelなどに打ち直す |
| 探す時間 | 必要なときに、ファイルから探し出す |
| 直す時間 | 読めない字・書き漏れを確認する |
どれも、一回は小さくても、毎日・毎月くり返されます。
転記の時間を、数えてみる
玲子さんの例で、試しに計算してみましょう(数字は架空の例です)。
- 点検表1枚の転記に、5分かかる
- 月に40枚ある
- 5分 × 40枚 = 200分、約3時間20分
そのうえ、確認や直しの時間を足すと、「2日がかり」という実感に近づきます。年間で見れば、数日分の仕事が、「写すだけ」で消えていることになります。
ミスのコスト
転記には、もう一つのコストがあります。写し間違いです。
- 数字の1と7の読み違い
- 行のずれ、記入漏れ
- 同じ内容を二か所に写して、食い違う
ミスは、あとで見つけると大変です。「どちらが正しいか」を確かめるために、元の紙を探し、本人に電話する、という手間がかかります。
現場で最初から画面に入力すれば、写し間違いが入り込む余地が減ります。たとえば、設備点検の入力画面はこうです。

- 設備番号の欄の「スキャン」で、コードを読み取って入れられます
- 読み取ると、設備の名前や場所が緑の枠に表示されます
数えるところから始める
改善の最初の一歩は、「いま、どれだけかかっているか」を数えることです。次の三つを、一か月だけ、ざっくりと記録してみてください。
- 紙に書く・Excelに写す作業の回数
- 1回あたりの時間
- 探しもの・確認の電話の回数
数字が出ると、「何から直すか」の優先順位が自然に決まります。上司に説明するときの材料にもなります。
数えるときのひと工夫
数えるときは、「全部」を数えようとせず、一週間だけ、特定の作業に絞って記録するのがコツです。たとえば、「点検表を事務所に持ってくる時間」と「Excelに打ち込む時間」だけを、メモします。短期間で、十分に実感が得られます。数えた結果は、「月に何時間」という形にそろえておくと、あとで比べやすくなります。
今日からできる一つのことは、「点検表を事務所に持ってくる時間」だけを、一週間メモすることです。
- 数える作業を一つに絞った
- 1回の時間と、回数をメモした
- 「月に何時間」の形にそろえた
まとめ
- 紙の本当のコストは、書く・運ぶ・写す・探す、の人の時間
- 転記は時間がかかるうえ、写し間違いも起きる
- まず一か月、回数と時間を数えてみる
- 数字は、改善の優先順位と、説明の材料になる
Formia でやるなら
現場でフォームに入力すると、その記録はそのまま一覧に溜まります。紙を写す作業がなくなるので、「転記の時間」と「写し間違い」が減ります。作りかたは フォームを組む、集めたデータの見かたは 表のビュー を参照してください。
入力した記録は、そのまま一覧に並びます。

- 1行が1件の記録で、あとから打ち直す必要がありません
- 列の見出しで並べ替え、上の欄で探せます