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CHAPTER 10 8 / 8

データの質を保つ

集計が合わない原因の多くは、入力のゆれにあります。表記ゆれ・入力漏れ・重複を防ぐ入力時の工夫と、あとから直す手順を、総務・点検・営業の例で紹介します。ルール作りも解説します。

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玲子さんサトルさんフォミ ★★ ふつう
データ活用と帳票のイメージ
現場改善ノートの目次(章と記事の一覧)
1. 現場改善とノーコードの基本
2. 紙・Excel からの卒業
3. 日報・報告を変える
4. 点検・保守・品質を変える
5. 申請・承認・稟議を変える
6. 営業・顧客・案件を変える
7. 在庫・備品・資産を変える
8. アプリづくりの考えかた
9. 現場を巻き込む・定着させる
10. データ活用と帳票
11. 失敗しないための注意
この記事の内容

この記事でわかること

  • データの質が下がる4つの原因がわかる
  • 入力のときに防ぐ工夫がわかる
  • 乱れたデータの直し方がわかる

取引先ごとに集計したら、同じ会社が3つに分かれて出てきた。人のせいではなく、入力欄の作りに原因があります。

玲子さん
玲子さん取引先ごとの集計を出したら、「サンプル工業」と「(株)サンプル工業」と「サンプル工業㈱」が、別々に出てきたんです。
サトルさん
サトルさんよくある表記ゆれですね。人が悪いのではなく、入力欄が自由すぎたのです。
玲子さん
玲子さん入力のときに、揃えてもらうしかないんでしょうか。
サトルさん
サトルさん「あとで直す」より「最初から揃う」ようにするのが、いちばん楽です。

データの質が下がる4つの原因

集計や検索が思うようにいかないとき、原因は、アプリではなく、データそのものの質にあります。よくある原因は次の4つです。

原因例起きる困りごと
表記ゆれ「(株)」「株式会社」「㈱」集計が分かれる、探せない
入力漏れ必須の項目が空集計から漏れる
重複同じ記録を2回入力件数が合わない
誤り全角と半角の混在、桁違い計算が狂う

方針は「入力のときに防ぐ」

自由に書ける欄
揃うように作った欄
「(株)サンプル工業」「サンプル工業㈱」
一覧から「株式会社サンプル工業」を選ぶ
空のまま送れてしまう
必須の欄は、空では送れない
桁違いの数字が入る
範囲を超えたら、その場で警告
入力欄の作りで、ゆれを防ぐ

データの質を保つ基本は、間違いを入れさせないことです。あとから直すのは、手間がかかり、直し漏れも出ます。

選択肢にする

自由に書かせず、選んでもらう形にします。状況・種類・担当部署などは、選択式にすれば、表記ゆれは起きません。

たとえば、設計画面では、こんなふうに項目を並べます。

設備点検票のフォーム設計画面。左に項目の種類、中央に必須の印の付いた入力欄が並ぶ
設備点検票のフォーム設計画面。左に項目の種類、中央に必須の印の付いた入力欄が並ぶ
  • 左の項目の種類に、「選択」「はい/いいえ」などの選ぶ形がある
  • 項目名の横の赤い印が、必須の項目

一覧から選ぶ(マスタを使う)

取引先・設備・部品のように、決まったリストがあるものは、そのリストから選んでもらいます。名前を打つ必要がなく、「サンプル工業」はいつも同じ表記になります。

取引先のような決まったリストは、たとえば、こんなテーブルで1か所に持ちます。

「取引先」のテーブル構成画面。取引先名・所在地・電話番号・区分の4列が並ぶ
「取引先」のテーブル構成画面。取引先名・所在地・電話番号・区分の4列が並ぶ
  • 「必須」「重ならない」の印が、列ごとに付く
  • 「区分」は、決まった中から選ぶ形の列

必須にする

ないと困る項目は、必須にします。空のまま送れなくすることで、入力漏れを防げます。

入力のチェックを付ける

数字の範囲(たとえば0〜100)や、日付の形式など、ありえない値は、その場で警告します。桁違いや入力ミスに、入力した本人が気づけます。

自動で入れる

前回の値を引き継ぐ、日付を今日にする、合計を自動で計算する。人が書かなくていい項目は、自動で入れると、間違いの余地がなくなります。

すでに乱れているデータを直す

すでに表記ゆれや重複がある場合は、次の手順で整えます。

  1. 1
    乱れを洗い出す

    件数の多い順に並べる

  2. 2
    基準を決める

    「株式会社サンプル工業」など

  3. 3
    まとめて直す

    同じ値に一括で

  4. 4
    *入力側で防ぐ

    これからのデータは入口で揃える

乱れたデータを直す手順

直す前に、バックアップや履歴を残しておくと、間違えたときに戻せます。

質を保つ「習慣」

仕組みを作っても、使われ方が変わると、またゆれが出てきます。

  • 月に1回、件数の多い値や、空の多い項目を見る
  • 新しい項目や選択肢を足すときは、決まった人が行う
  • 「迷ったらここに相談」の窓口を決める
玲子さん
玲子さん取引先は、一覧から選ぶ形に直します。今の分は、基準の名前にまとめて直しますね。
サトルさん
サトルさん直す前に、履歴が残る状態にしておけば安心です。
玲子さん
玲子さん来月の集計が、ちゃんと合いそうです。

まとめ

  • 質が下がる原因は、表記ゆれ・入力漏れ・重複・誤りの4つ
  • 基本は、入力のときに防ぐ
  • 選択肢・マスタ・必須・チェック・自動入力を組み合わせる
  • すでに乱れたデータは、基準を決めてまとめて直す
  • 月1回の見直しと、決まった人による項目の管理を習慣にする
フォミ
フォミきれいなデータは、あとで頑張るより、最初に守るほうが、ずっと楽です。

Formia でやるなら

Formiaには、選択肢の項目、ほかの表のレコードを選ぶ参照、必須や入力のチェック、既定値の設定があります。入力の段階でゆれを防ぐ設計ができます。作り方は 必須入力と検証、選択肢の項目、参照項目 を見てください。

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