CHAPTER 07 3 / 8
貸出・返却の記録
工具や測定器、社用PCの貸し借りを「誰が・いつから」で追えるようにする考えかたを解説。返し忘れを減らす、軽い貸出記録のつくりかたを紹介します。初めての方にも読みやすい内容です。
約6分で読めます
現場改善ノートの目次(章と記事の一覧)
1. 現場改善とノーコードの基本
2. 紙・Excel からの卒業
3. 日報・報告を変える
4. 点検・保守・品質を変える
5. 申請・承認・稟議を変える
6. 営業・顧客・案件を変える
8. アプリづくりの考えかた
9. 現場を巻き込む・定着させる
10. データ活用と帳票
この記事でわかること
- 貸出と返却を状態の更新として考えられる
- 返し忘れに気づける仕組みがわかる
- 続く貸出記録のルールがわかる
「あの道具、誰が持っていったっけ」。貸し借りのある備品では、よく起きる探しものです。
貸し借りのある備品は、「どこにあるか」が一番の関心事です。だからこそ、貸出の記録が抜けると、探す時間が増えます。
貸出ノートが続かない理由
- 書く場所が決まった場所にしかなく、持ち出すときに寄る手間がある
- 書く項目が多い(日付・名前・備品名・返却予定・返却日)
- 返却は、書き忘れやすい(使い終わると、そのまま棚へ戻す)
「貸出」より「返却」の記録が抜けやすいのが特徴です。
記録は「状態の更新」で考える
貸出と返却を、別々の記録ではなく、備品の「状態」の変化として考えます。
| 状態 | 意味 | 使用者 |
|---|---|---|
| 保管中 | 棚にある | なし |
| 貸出中 | 誰かが使っている | 借りた人 |
| 修理中 | 点検・修理に出している | なし |
| 廃棄予定 | もう使わない | なし |
借りるときは「貸出中」にして使用者を入れる。返したら「保管中」に戻して使用者を空にする。二回の操作で済みます。
- 1保管中
- 2*貸出中
- 3返却
たとえば、こんな画面です。状態ごとに列が分かれ、各列にその状態の備品がカードで並びます。

- 「貸出中」の列を見れば、いま外に出ている備品がわかります。
- カードには、管理番号・区分・保管場所が出ます。
貸出の履歴を残す
状態を上書きするだけだと、「先月は誰が使っていたか」がわかりません。変更の履歴が残れば、「いつ・誰が・何から何に変えたか」を後から追えます。
返却予定日を決める
長期で貸すものは、返却予定日を決めておくと、「そろそろ返してください」の声かけが自然にできます。予定日を過ぎた備品が一覧に並ぶだけでも、返し忘れに気づけます。
続けるための工夫
貸出ノートと、状態の更新で、記録がどう変わるかを並べます。
一覧で見るときは、次のような画面になります。状態の列があり、貸出中や修理中の備品を絞り込めます。

- 「状態」の列で、貸出中の備品を見分けられます。
- 「使用者」の列で、誰が持っているかがわかります。
- 貸出の記録をする人は、借りる本人
- 返却は、返す人が記録する(受け取る人ではなく)
- 月に一度、「貸出中」のまま長く動いていない備品を確認する
現場で起きる小さな例外
決まりを作っても、例外は起きます。急ぎで持ち出して記録できなかった、別の人に又貸しした、といった場面です。例外を禁止するより、「あとで直してよい」「コメントで経緯を残す」と決めておくほうが、記録が続きます。
正確さより、続くことを優先する。この考えかたが、貸出記録を長持ちさせます。
- 借りる人が、自分で状態を「貸出中」にする
- 返す人が、「保管中」に戻す
- ルールは、保管場所に二行で貼ってある
- 月に一度、長く動かない「貸出中」を確認する
まとめ
- 貸し借りの記録は、「どこにあるか」を探す手間を減らすためのもの
- 貸出と返却を、備品の状態の更新として捉えると軽くなる
- 変更の履歴が残れば、過去の使用者も追える
- 返却予定日を決めると、返し忘れに気づける
Formia でやるなら
備品・在庫管理のアプリには、状態(保管中・貸出中・修理中・廃棄予定など)と使用者の項目があり、状態でカンバンに並べることもできます(備品管理アプリ、選択項目)。変更の履歴は、1件の画面に自動で残ります(1件の画面)。
