CHAPTER 04 8 / 10
点検履歴と傾向の見かた
点検の記録は、一件ずつ見るより、設備ごとに時間順で並べると変化に気づけます。履歴の見かた、数値の推移、故障の前兆を見つけるコツを紹介します。設備ごとの履歴を帳票にする使いかたも紹介します。
約5分で読めます
現場改善ノートの目次(章と記事の一覧)
1. 現場改善とノーコードの基本
2. 紙・Excel からの卒業
3. 日報・報告を変える
4. 点検・保守・品質を変える
5. 申請・承認・稟議を変える
6. 営業・顧客・案件を変える
8. アプリづくりの考えかた
9. 現場を巻き込む・定着させる
10. データ活用と帳票
この記事でわかること
- 履歴を並べると見えることがわかる
- 設備ごと・項目ごとの3つの見かたがわかる
- 履歴を帳票にして渡す使いみちがわかる
今日の点検は「基準内」。でも、先月は? 先々月は? 一件ずつ見ていては気づけない変化が、並べると見えてきます。
一件ずつ見ると、見落とす
点検は、そのときの状態を確かめるものです。一回ごとに「基準内」と判断しても、少しずつ悪くなっていることには気づきにくいものです。
履歴を設備ごとに並べると、次のことが見えてきます。
- 数値が少しずつ変化している(圧力の低下、温度の上昇)
- 同じ項目で**「否」が繰り返される**
- ある時期から急に変わった(部品交換、季節、運転条件)
一件ずつの点検から、早めの対応までの流れです。
見るべき3つの形
| 見かた | わかること | 例 |
|---|---|---|
| 設備ごとの時系列 | その設備の変化 | 吐出圧力が3か月で下がっている |
| 項目ごとの「否」の回数 | 弱い部分 | フィルタの目詰まりが多い |
| 設備どうしの比較 | 同型機のばらつき | 3F-Aに比べ、3F-Bの温度が高い |
一覧では、設備や項目ごとの数値が列に並びます。たとえば、運転時間・吐出圧力・温度の列です。

- 同じ設備(EQ-0101-3)の7月・8月・9月の点検が、別の行に並ぶ
- 運転時間・吐出圧力・温度を、行ごとに見比べられる
数値の推移は、表よりグラフのほうが伝わります。折れ線にして、基準値の線を引くと、限界までの距離が見えます。
会話の例を時間の順に並べると、次のとおりです。1回ずつは基準内でも、並べると下がっています。
- 吐出圧力 0.63 MPa
基準内
- 吐出圧力 0.61 MPa
基準内
- 吐出圧力 0.60 MPa
基準内だが、下がり続けている
履歴を使う手順
- 見る設備を決める: 重要設備、故障の多い設備から
- 見る項目を絞る: 圧力・温度・運転時間など、変化が出やすいもの
- 期間を決める: 3か月〜1年。季節の影響も考える
- 基準と比べる: メーカーの基準値、過去の正常値
- 気づいたら動く: 点検頻度を上げる、部品を早めに手配する
履歴を渡す
履歴は、点検した本人だけのものではありません。
- 保全担当には、設備ごとの履歴の一覧を
- 管理者には、「否」の多い設備のランキングを
- 業者に修理を頼むとき、**その設備の履歴を1枚の紙(PDF)**にして渡す
- 顧客や監査には、設備ごとの点検記録として提示する
設備ごとの履歴は、1枚の帳票になります。

- 上に設備名とコード(EQ-0101-3)が出る
- 点検日・記録番号・種類・判定・所見が、時間順に並ぶ
設備の履歴が1枚の帳票で出せると、説明の手間が大きく減ります。
履歴の見方を現場に広げる
履歴の分析は、情報システムの担当者だけのものにしないことが大切です。月に一度、班長と一緒に「今月、気になる設備」を3つ選んで履歴を眺める時間を持ちます。班長の経験と数字が重なると、「やっぱりそうか」という確認や、「そんな見方があるのか」という発見が生まれます。
まとめ
- 点検は一件ずつ見ると、少しずつの悪化を見落とす
- 設備ごと・項目ごと・設備どうしの3つの見かたで履歴を並べる
- 数値の推移は折れ線で、基準値と比べる
- 「基準内だが悪化」の段階で動けると、計画的な保全になる
- 履歴は、設備ごとの帳票にして関係者に渡す
Formia でやるなら
Formiaでは、設備のコードで記録を集めて、その設備の点検履歴を時間順に見られます。数値の推移はグラフビューで、設備ごとの点検履歴は帳票としてPDFで出せます。くわしくは グラフビュー と 帳票の基本 の記事を見てください。