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CHAPTER 04 8 / 10

点検履歴と傾向の見かた

点検の記録は、一件ずつ見るより、設備ごとに時間順で並べると変化に気づけます。履歴の見かた、数値の推移、故障の前兆を見つけるコツを紹介します。設備ごとの履歴を帳票にする使いかたも紹介します。

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工藤さんサトルさんフォミ ★★★ 踏み込む
点検・保守・品質を変えるのイメージ
現場改善ノートの目次(章と記事の一覧)
1. 現場改善とノーコードの基本
2. 紙・Excel からの卒業
3. 日報・報告を変える
4. 点検・保守・品質を変える
5. 申請・承認・稟議を変える
6. 営業・顧客・案件を変える
7. 在庫・備品・資産を変える
8. アプリづくりの考えかた
9. 現場を巻き込む・定着させる
10. データ活用と帳票
11. 失敗しないための注意
この記事の内容

この記事でわかること

  • 履歴を並べると見えることがわかる
  • 設備ごと・項目ごとの3つの見かたがわかる
  • 履歴を帳票にして渡す使いみちがわかる

今日の点検は「基準内」。でも、先月は? 先々月は? 一件ずつ見ていては気づけない変化が、並べると見えてきます。

サトルさん
サトルさん工藤さん、この設備の吐出圧力、過去3か月を並べてみましょう。
工藤さん
工藤さん0.63、0.61、0.60……。ほう、少しずつ下がってるな。
サトルさん
サトルさん一回ごとの点検では「正常範囲」でも、並べると傾向が見えます。
工藤さん
工藤さんこのまま下がると、そろそろ限界か。
サトルさん
サトルさん故障する前に気づけるのが、履歴の強みです。

一件ずつ見ると、見落とす

点検は、そのときの状態を確かめるものです。一回ごとに「基準内」と判断しても、少しずつ悪くなっていることには気づきにくいものです。

履歴を設備ごとに並べると、次のことが見えてきます。

  • 数値が少しずつ変化している(圧力の低下、温度の上昇)
  • 同じ項目で**「否」が繰り返される**
  • ある時期から急に変わった(部品交換、季節、運転条件)

一件ずつの点検から、早めの対応までの流れです。

一件ずつどれも基準内並べる時間順に傾向に気づく少しずつ悪化早めに動く部品の手配・頻度を上げる
履歴から早めの対応までの流れ

見るべき3つの形

見かたわかること例
設備ごとの時系列その設備の変化吐出圧力が3か月で下がっている
項目ごとの「否」の回数弱い部分フィルタの目詰まりが多い
設備どうしの比較同型機のばらつき3F-Aに比べ、3F-Bの温度が高い

一覧では、設備や項目ごとの数値が列に並びます。たとえば、運転時間・吐出圧力・温度の列です。

設備点検・保守記録の一覧画面。運転時間・吐出圧力・温度の列に、点検ごとの数値が並ぶ
設備点検・保守記録の一覧画面。運転時間・吐出圧力・温度の列に、点検ごとの数値が並ぶ
  • 同じ設備(EQ-0101-3)の7月・8月・9月の点検が、別の行に並ぶ
  • 運転時間・吐出圧力・温度を、行ごとに見比べられる

数値の推移は、表よりグラフのほうが伝わります。折れ線にして、基準値の線を引くと、限界までの距離が見えます。

会話の例を時間の順に並べると、次のとおりです。1回ずつは基準内でも、並べると下がっています。

  1. 吐出圧力 0.63 MPa

    基準内

  2. 吐出圧力 0.61 MPa

    基準内

  3. 吐出圧力 0.60 MPa

    基準内だが、下がり続けている

吐出圧力の推移(例)

履歴を使う手順

  1. 見る設備を決める: 重要設備、故障の多い設備から
  2. 見る項目を絞る: 圧力・温度・運転時間など、変化が出やすいもの
  3. 期間を決める: 3か月〜1年。季節の影響も考える
  4. 基準と比べる: メーカーの基準値、過去の正常値
  5. 気づいたら動く: 点検頻度を上げる、部品を早めに手配する

履歴を渡す

履歴は、点検した本人だけのものではありません。

  • 保全担当には、設備ごとの履歴の一覧を
  • 管理者には、「否」の多い設備のランキングを
  • 業者に修理を頼むとき、**その設備の履歴を1枚の紙(PDF)**にして渡す
  • 顧客や監査には、設備ごとの点検記録として提示する

設備ごとの履歴は、1枚の帳票になります。

設備ごとの点検履歴の帳票。点検日・記録番号・種類・判定・所見が時間順の表になっている
設備ごとの点検履歴の帳票。点検日・記録番号・種類・判定・所見が時間順の表になっている
  • 上に設備名とコード(EQ-0101-3)が出る
  • 点検日・記録番号・種類・判定・所見が、時間順に並ぶ

設備の履歴が1枚の帳票で出せると、説明の手間が大きく減ります。

工藤さん
工藤さん業者に「いつから悪い」と聞かれても、履歴を見せればいいな。
サトルさん
サトルさん点検の記録が、現場の財産になります。

履歴の見方を現場に広げる

履歴の分析は、情報システムの担当者だけのものにしないことが大切です。月に一度、班長と一緒に「今月、気になる設備」を3つ選んで履歴を眺める時間を持ちます。班長の経験と数字が重なると、「やっぱりそうか」という確認や、「そんな見方があるのか」という発見が生まれます。

まとめ

  • 点検は一件ずつ見ると、少しずつの悪化を見落とす
  • 設備ごと・項目ごと・設備どうしの3つの見かたで履歴を並べる
  • 数値の推移は折れ線で、基準値と比べる
  • 「基準内だが悪化」の段階で動けると、計画的な保全になる
  • 履歴は、設備ごとの帳票にして関係者に渡す
フォミ
フォミ履歴は未来の予報です。変化に気づいたら、早めに動きましょう。

Formia でやるなら

Formiaでは、設備のコードで記録を集めて、その設備の点検履歴を時間順に見られます。数値の推移はグラフビューで、設備ごとの点検履歴は帳票としてPDFで出せます。くわしくは グラフビュー と 帳票の基本 の記事を見てください。

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