CHAPTER 03 7 / 9
作業時間の記録
作業時間を日報に残すと、見積りとのずれや負荷の偏りが見えてきます。現場で無理なく時間を残すための入れかたと、合計を自動で出す考えかたを紹介します。評価のためではなく改善のために使う伝えかたも紹介します。
約6分で読めます
現場改善ノートの目次(章と記事の一覧)
1. 現場改善とノーコードの基本
2. 紙・Excel からの卒業
3. 日報・報告を変える
4. 点検・保守・品質を変える
5. 申請・承認・稟議を変える
6. 営業・顧客・案件を変える
8. アプリづくりの考えかた
9. 現場を巻き込む・定着させる
10. データ活用と帳票
この記事でわかること
- 作業時間を残す意味がわかる
- 時間の記録のしかた3つを選べる
- 合計を自動にして間違いを減らせる
「今日の作業、何時間かかった?」と聞かれて、すぐに答えられますか。夕方になると、朝の作業はもう曖昧です。
作業時間を残す意味
作業時間は、現場の仕事を数字で見るための基本情報です。残しておくと、次のことに使えます。
- 見積りの精度: 同じ作業に実際どれだけかかったかを、次の見積りに生かせる
- 負荷の把握: 特定の人や時期に作業が偏っていないか確かめる
- 改善の手がかり: 「段取りに毎回40分かかっている」といった気づきが得られる
- 原価の見える化: 製品や案件ごとの手間がわかる
時間の残しかた3つ
記録の方法はいくつかあり、現場の仕事の形で選びます。
| 方法 | 向いている現場 | 注意点 |
|---|---|---|
| 開始と終了の時刻を選ぶ | 作業が分かれている現場 | 開始・終了の入れ忘れが起きやすい |
| 所要時間(分)を直接入れる | 時間が短い作業が多い現場 | 「何分かかったか」を覚えておく必要がある |
| 作業ごとに明細で入れる | 1日に複数の作業をする現場 | 行を足す手間がある |
迷ったら、開始と終了を選ぶ形から始めるのがおすすめです。記憶に頼らず、選んだ時刻で時間が決まります。
明細の入力は、スマホではカードの並びになります。このデモの日報は、時間(h)を直接入れる形です。

- 1枚のカードが1つの作業。区分に「現場作業」「移動」などが選べる
- 行ごとに、上下の矢印と削除のボタンがある
合計は人に計算させない
作業の明細を入れて、合計時間は自動で計算させます。
- 1行ごとに「作業の種類」「開始」「終了」を入れる
- 行ごとの時間と、1日の合計が自動で出る
- 合計が就業時間と大きくずれたら、確認できるようにしておく
人が足し算すると、間違いが起きます。そして、間違いを直す手間が、あとで集計する人にかかります。
パソコンの画面では、明細は表になり、合計は自動で出ます。

- 「作業を足す」ボタンで、行を増やせる
- 「合計作業時間」の欄に「作業の時間を合計します」とあり、7.5と出ている
この日の明細を、区分ごとに合計して並べると、次のとおりです。
合計7.5時間のうち、現場作業が約7割です。足し算は仕組みに任せて、人は「このバランスでよいか」を考えます。
現場への伝えかた
時間の記録は、「監視されている」と受け取られがちです。次の点を最初に伝えておきましょう。
- 目的は、作業を改善するためであること
- 個人を評価するためではなく、工程や進め方を見るためであること
- 正確さより、「だいたい合っている」ことが大切であること
最初に伝えることを、3枚にまとめました。
作業を良くするために残す
工程や進めかたを見る
正確さより、続けること
例外の扱い
現場の時間記録には、例外がつきものです。急な応援で別の現場に行った、機械が止まって待機していた、といったときの時間です。「待機」「応援」「移動」のような作業の種類を最初から用意しておくと、こうした時間も無理なく記録できます。記録できない時間が多いと、合計と実際がずれてしまうので、種類は現場の実態に合わせて足していきます。
数字がずれていても、責めないことが大切です。ずれは、入力の手間や項目の分かりにくさのサインです。ずれた理由を現場に聞いて、記録の形を直していくと、数字が少しずつ信頼できるものになります。
まとめ
- 作業時間は、見積り・負荷・改善・原価に使える基本情報
- 開始と終了を選ぶ形が、記憶に頼らず始めやすい
- 明細で入れて、合計は自動で計算する
- 目的を最初に伝え、評価のためではないことをはっきりさせる
Formia でやるなら
Formiaのフォームには、時刻・時間帯・所要時間といった項目があり、作業ごとの行を足せる明細の項目も使えます。合計は計算式で出せます。日報アプリの説明は 日報・作業報告アプリ、計算の考えかたは 計算項目 にあります。