CHAPTER 11 3 / 5
作った人しか直せない問題
アプリを作った1人にしか直せない状態は、その人の異動や休みで現場が止まる危険があります。複数人で持つ、変更を記録する、手順を残すなど、人に頼りすぎないための工夫を紹介します。
約6分で読めます
現場改善ノートの目次(章と記事の一覧)
1. 現場改善とノーコードの基本
2. 紙・Excel からの卒業
3. 日報・報告を変える
4. 点検・保守・品質を変える
5. 申請・承認・稟議を変える
6. 営業・顧客・案件を変える
8. アプリづくりの考えかた
9. 現場を巻き込む・定着させる
10. データ活用と帳票
この記事の内容
この記事でわかること
- 作った人しか直せない危険がわかる
- 人に頼りすぎない4つの備えがわかる
- 異動前の引き継ぎ項目がわかる
「直せるのは、あの人だけ」。その人が休んだ日に、現場から要望が届いたら、どうしますか。
「あの人しか知らない」が一番危ない
Excelのマクロで、昔、同じことがありました。作った人が退職して、誰も直せなくなった。ノーコードのアプリでも、作った人しか直し方を知らない状態は、同じ危険を持っています。
現場が頼りにしているものほど、その人がいなくなったときの影響が大きくなります。
| 起きること | 現場の困りごと |
|---|---|
| 作った人が休む | 要望を直せず、現場が待たされる |
| 作った人が異動・退職する | 誰も直せず、使えなくなる |
| 作った人が、勝手に直す | 何が変わったのか、誰にもわからない |
次の図は、1人で持つ場合と、2人以上で持つ場合の違いです。右の形を目指します。
人に頼りすぎない4つの備え
1. 直せる人を、2人以上にする
最低でも2人。1人が休んでも、もう1人が直せる状態にします。ただし、直せる人が多すぎるのも考えものです。少人数で、決まった人を置きます。
2. 作った理由と、決めごとを残す
アプリには、見ただけではわからないことがあります。
- なぜ、その項目があるのか
- 選択肢の意味と、使い分け
- 集計や帳票に使っている項目はどれか
これらを、簡単なメモに残しておきます。丁寧な資料でなくて構いません。
たとえば、1件の画面には、変更の履歴を見る場所があります。

- 「変更の履歴」のタブに、直した回数が出る
- コメント欄に、直した理由もメモできる
3. 変更の記録を残す
誰が、いつ、何を直したかが、あとから追えるようにします。記録があれば、何が変わったのかを、後任の人がたどれます。
直せる人は、役割で絞ります。たとえば、「アプリの設計」の行を、確かめる場所があります。

- 「アプリを作る」「アプリを組む」などの行に、青い丸の付く役割だけが直せる
- 役割を作って、直せる人だけに付けられる
4. 同時に直さない
2人が同時に同じ画面を直すと、片方の変更が消えることがあります。今、誰が直しているかがわかる、または、同時に直せない仕組みがあると、安心です。
引き継ぎのチェックリスト
異動や退職が決まったときは、次の項目を確認します。
- 直せる人が、後任を含めて2人以上いる
- どのアプリが、どの業務に使われているか、一覧がある
- 項目や選択肢の意味が、メモに残っている
- 連携している先(会計・基幹など)が、一覧になっている
- バックアップの取り方、戻し方を知っている人がいる
- 管理者の権限が、後任に渡されている
「作る人」を、育てる
直せる人を増やすには、作る人を育てることも大切です。最初は、見ているだけ。次に、小さな修正だけ任せる。そのうち、新しいアプリも任せる。少しずつ、手を渡していきます。
まとめ
- 作った人しか直せない状態は、異動・休み・退職で、現場が止まる
- 直せる人は、少人数でも2人以上にする
- 作った理由・決めごと・連携先を、簡単なメモに残す
- 変更の記録を残し、同時に直さない工夫をする
- 異動が決まる前から、ふだんから2人で持つ
Formia でやるなら
Formiaでは、直せる人を役割やアプリごとに決められます。変更の履歴は残り、同じ設計の画面を2人が同時に直して片方の変更が消えないよう、編集のロックもあります。詳しくは ロールを決める と 改訂履歴 を見てください。