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CHAPTER 07 1 / 8

備品台帳が追いつかない

備品台帳のExcelが現物と合わなくなる理由を整理し、更新が続く台帳の考えかたを解説。総務と現場が無理なく守れる、記録のルールづくりのコツを紹介します。現場の例つきで説明します。

約6分で読めます

玲子さんユウキ
在庫・備品・資産を変えるのイメージ
現場改善ノートの目次(章と記事の一覧)
1. 現場改善とノーコードの基本
2. 紙・Excel からの卒業
3. 日報・報告を変える
4. 点検・保守・品質を変える
5. 申請・承認・稟議を変える
6. 営業・顧客・案件を変える
7. 在庫・備品・資産を変える
8. アプリづくりの考えかた
9. 現場を巻き込む・定着させる
10. データ活用と帳票
11. 失敗しないための注意
この記事の内容

この記事でわかること

  • 台帳が現物とずれる理由がわかる
  • 動かした人が記録する形の作りかたがわかる
  • Formiaでの備品台帳のイメージがつかめる

「台帳には載っているのに、現物がどこにもない」。そんな探しものに、時間を取られたことはありませんか。

玲子さん
玲子さんユウキさん、現場にあるクランプメーターは、台帳では総務の棚になっているんです。
ユウキ
ユウキあ、それ僕が先月借りてから、ずっと現場の机にあります。
玲子さん
玲子さんやっぱり。去年の棚卸しのときも、台帳にない備品が十個以上ありました。
ユウキ
ユウキ借りるときに、台帳に書くのを忘れてました。すみません。
玲子さん
玲子さん責めているわけではないんです。台帳が「書きにくい」のが問題だと思っていて。

備品台帳は、作った日が一番正確で、その後は少しずつ現物とずれていきます。これは、台帳を管理している人の怠慢ではありません。多くの会社で起きる、仕組みの問題です。

なぜ台帳は現物とずれるのか

原因具体例
更新が「ついで」の仕事備品を動かしても、台帳の更新は後回しになる
台帳が事務所にしかない現場で動かした人が、その場で書けない
書く人が一人玲子さんだけが更新し、連絡が来ないと変わらない
書く項目が多い型番・購入日・金額……と、変更のたびに何か所も直す

つまり、「備品が動く場所」と「台帳がある場所」が離れている、これが一番の原因です。

次の図は、今の台帳の姿と、目指す姿を並べたものです。右の列が、この記事で目指す形です。

こうなりがち
こうしたい
台帳は事務所のExcelにしかない
動かした人が、その場で記録できる
更新するのは総務の一人だけ
動かした本人が、短く書く
型番・購入日など書く項目が多い
変わる項目だけを、選んで更新する
備品の見分けが、品名だけ
一つの備品に、一つの管理番号
備品台帳が追いつかない形と、続く形の比較

台帳が続くための考えかた

動かした人が、その場で記録できる

台帳の更新を総務に集めず、動かした本人が記録する形にします。ただし、ルールが重いと続きません。借りたときは「誰が・いつ」だけ、返したときは「返した」だけ、のように最小にします。

一つの備品に一つの番号

同じ「ノートPC」が三台あるとき、番号がないと区別できません。備品ごとに管理番号を決め、現物にラベルを貼ります。番号が現物と台帳をつなぐ鍵になります。

項目は「更新が必要なもの」と「ほぼ変わらないもの」に分ける

たとえば、こんな画面です。備品の1件の画面で、上の「備品」の欄は登録したらほぼ変わらない項目、下の「所在と状態」の欄は動くたびに変わる項目です。

備品の1件の画面。品名・区分・型番などの下に、状態・保管場所・使用者の項目がある
備品の1件の画面。品名・区分・型番などの下に、状態・保管場所・使用者の項目がある
  • 上の「備品」の欄は、最初に登録すれば、あとは触らない項目です。
  • 「所在と状態」の欄の状態・保管場所・使用者が、更新する項目です。右の変更履歴に、直した記録が残ります。
変わらない項目変わる項目
品名・型番・製造番号・購入日状態・保管場所・使用者

変わる項目は少なく、選ぶだけで更新できる形にします。

借りるときの記録は、次の流れに絞ります。

現物のラベルを見る管理番号を確認番号を選ぶ状態を「貸出中」に使用者を入れる使う返す「保管中」に戻す
借りてから返すまでの、最小の記録の流れ

図のとおり、記録のために開く画面は一つだけです。番号を選んで状態を変える、この一手間に絞るのがポイントです。

ユウキ
ユウキ借りるときに、現物のラベルを見て、番号を選んで「貸出中」にすれば、10秒で終わりますね。
玲子さん
玲子さんそれなら、私も月末に、台帳と現物を突き合わせる手間が減りそうです。

台帳を見る人を増やす

台帳は、更新する人だけでなく、探す人にとっても便利でなければ続きません。

  • 「あの測定器、どこにある?」を、台帳を検索して答えられる
  • 「点検の時期が近い備品」が、一覧に並ぶ
  • 古い備品の廃棄の候補が、すぐ出る

見る人が増えると、間違いにも気づきやすくなります。

たとえば、こんな画面です。管理番号・品名・区分・状態・保管場所・使用者が一覧に並び、キーワードや条件で絞り込めます。

備品・在庫管理の一覧。管理番号・品名・区分・状態・保管場所・使用者が並ぶ
備品・在庫管理の一覧。管理番号・品名・区分・状態・保管場所・使用者が並ぶ
  • 「状態」の列を見ると、貸出中・修理中・廃棄予定が一目でわかります。
  • 上の検索欄で、番号や品名から探せます。

今日からできる1つのことは、「いちばん動く備品を3つ選び、管理番号を決めること」です。

  • 備品ごとに、管理番号が決まっている
  • 借りた人が、その場で状態を変えられる
  • 変わる項目は、選ぶだけで更新できる
  • 台帳を見る人が、総務のほかにもいる

まとめ

  • 備品台帳がずれるのは、備品が動く場所と台帳の場所が離れているから
  • 動かした人が、その場で、短い記録を残せる形にする
  • 一つの備品に一つの番号。現物にラベルを貼る
  • 変わる項目は少なくし、選ぶだけにする
  • 台帳を見る人を増やすと、間違いにも気づける

Formia でやるなら

備品・在庫管理のひな形には、品名・区分・製造番号・状態・保管場所・使用者・購入日・次の点検日などの項目があります。管理番号(AST-0001など)は自動で振られます。スマホからも更新でき、変更の履歴が残るので、「いつ誰が動かしたか」を追えます(備品管理アプリ、アプリの作りかた)。

スマホで見た備品の1件の画面。品名・区分・型番などと、状態の項目がある
スマホで見た備品の1件の画面。品名・区分・型番などと、状態の項目がある

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