CHAPTER 04 3 / 10
良い点検チェックリストの作りかた
点検チェックリストは、項目が多すぎても少なすぎても役に立ちません。項目の数・言葉・判定の選択肢・順番など、現場で使えるチェックリストの作りかたを紹介します。項目を磨いて点検が形だけになるのを防ぎます。
約6分で読めます
現場改善ノートの目次(章と記事の一覧)
1. 現場改善とノーコードの基本
2. 紙・Excel からの卒業
3. 日報・報告を変える
4. 点検・保守・品質を変える
5. 申請・承認・稟議を変える
6. 営業・顧客・案件を変える
8. アプリづくりの考えかた
9. 現場を巻き込む・定着させる
10. データ活用と帳票
この記事でわかること
- チェックリストが流される理由がわかる
- 良いチェックリストの5つの条件がわかる
- 判定の選択肢の選びかたがわかる
三十項目のチェックリストを、毎回、全部しっかり見ていますか。正直に言えば、流している項目があるのが普通です。
チェックリストが「流される」理由
項目が多いと、人は同じ答え(良)を繰り返すようになります。そのうち、本当に確かめる項目も、流して付けるようになります。点検が形だけになるのは、現場が怠けているのではなく、リストの作りの問題です。
良いチェックリストの条件
| 条件 | 内容 |
|---|---|
| 項目が絞られている | 「異常があると困る」ものに限る。目安は10項目前後 |
| 言葉が具体的 | 「異常なし」より「油漏れ・水漏れがない」 |
| 一つの項目で一つのこと | 「油漏れ・異音がない」は2つに分ける |
| 判定が明確 | 良/否/対象外など、迷わず選べる |
| 順番が動線どおり | 設備を歩く順に並べる |
6項目にまとめたチェックリストの入力画面です。1項目が1つのことを確かめる文になっています。

- 「油漏れ・水漏れがない」のように、確かめることが具体的
- 判定は「良」「否」「対象外」の3つで迷わない
- 欄の下に「6/6項目」「否2件」の件数が出る
項目の決めかた
- 過去の不具合から逆算する: 実際に起きた故障や事故の前兆は何だったか
- メーカーの点検項目を参考にする: 取扱説明書にある日常点検
- 現場の経験を聞く: 「ここが変わると危ない」という班長の知恵
- 使わなかった項目を外す: 半年見て一度も「否」がない項目は、頻度を下げる
項目の見直しは、2つの軸で考えると進めやすくなります。
よく出るが軽い。手順や設備を見直す
よく出て、影響も大きい
月に一度でもよい
めったに出ないが、出ると困る
判定の選びかた
判定の選択肢は、「良/否」だけが正解ではありません。
- 良/否/対象外: 一般的な点検。作業をしなかった項目は「対象外」
- 実施/未実施: 清掃や給油などの作業記録
- A/B/C/D: 摩耗など、段階で見るもの
- 数値の入力: 圧力・温度・運転時間などの測定値
判定の選択肢は、設計画面で選べます。

- 「良/否/対象外」「合格/不合格」「可/否」「実施/未実施/対象外」「A/B/C/D」の候補から選ぶ
- 判定ごとに「理由の入力を求める」「問題として数える」を設定できる
用途ごとの選びかたを、4枚にまとめます。
一般的な点検。しなかった項目は「対象外」
清掃や給油などの作業記録
摩耗など、段階で見るもの
圧力・温度・運転時間などの測定値
「否」を選んだときに、理由や写真を求めるかも決めておきます。次の記事で詳しく説明します。
言葉は現場の言葉で
専門用語や略語は、現場で使っている呼び方に合わせます。新人にも伝わるよう、項目の下に短い補足(「目詰まりの目安: 8割」など)を添えます。
見直しの頻度
チェックリストは、一度作って終わりではありません。半年から1年に一度、「実際に起きた不具合」と「項目」を突き合わせます。不具合が起きたのに対応する項目がなければ足し、何年も「否」が出ていない項目は頻度を下げる。こうして、現場の実態に合った形を保ちます。見直しの記録も残しておくと、変更の理由が説明できます。
新しく設備を導入したときは、チェックリストも作り直す好機です。メーカーの資料と、現場の経験の両方から項目を出し、最初の数か月は少し多めに取って、使わない項目を後から減らす進めかたもあります。
チェックリストを作る場に、実際に点検する人を必ず入れてください。机の上で考えた項目は、現場の動線や言葉と合わないことがよくあります。
見直しのときは、次のチェックを使います。
- 項目は10前後に絞られている
- 1項目で1つのことを確かめている
- 設備を歩く順に並んでいる
- 半年に一度、実際の不具合と突き合わせている
まとめ
- 項目が多すぎると、点検は形だけになる
- 10項目前後を目安に、「異常があると困る」ものに絞る
- 1項目1事項、具体的な言葉、動線の順で並べる
- 判定の選択肢は、点検の性格に合わせて選ぶ
- 測定値は数値で残す
Formia でやるなら
Formiaには、点検項目ごとに「良/否/対象外」などを選べる判定リストの項目があります。判定の選択肢・色・理由欄の扱いは、設計画面で決められます。くわしくは チェックリスト項目 の記事を見てください。