CHAPTER 02 5 / 10
紙とアプリを並行運用する期間
紙からアプリへの切り替えは、いきなりではなく、しばらく両方を使う期間を置くと安心です。並行運用の期間の目安、ルール、終わらせかたを、現場の工藤さんの言葉とともに説明します。
約5分で読めます
現場改善ノートの目次(章と記事の一覧)
1. 現場改善とノーコードの基本
2. 紙・Excel からの卒業
3. 日報・報告を変える
4. 点検・保守・品質を変える
5. 申請・承認・稟議を変える
6. 営業・顧客・案件を変える
8. アプリづくりの考えかた
9. 現場を巻き込む・定着させる
10. データ活用と帳票
この記事でわかること
- 並行運用をする理由がわかる
- 期間・対象・正の決めかたがわかる
- 終わらせる日の決めかたがわかる
「来週から、紙はやめます」と言われたら、現場は不安になります。紙を少しの間だけ残すのが、いちばん安全な切り替えです。
なぜ並行運用するのか
新しいやりかたに、いきなり全員が切り替えると、次のような問題が起きます。
- 想定外の使いかたで、アプリが止まる
- 現場が不安になり、「前のほうがよかった」と感じる
- 記録が抜け、あとで探しても見つからない
紙という「逃げ道」を残しておけば、アプリで困ったときも、仕事を止めずに済みます。現場の安心感が、新しいやりかたを受け入れてもらう近道です。
期間と範囲を決める
並行運用は、ダラダラ続けると、紙もアプリも中途半端になります。始める前に、次の三つを決めておきます。
| 決めること | 例 |
|---|---|
| 期間 | 2週間〜1か月 |
| 対象 | まず一つの班・一つの部署から |
| 優先する記録 | アプリを正とし、紙は予備 |
「どちらが正しい記録か」をはっきりさせないと、食い違ったときに混乱します。基本は「アプリが正、紙は控え」としておくと、移行がスムーズです。
並行運用中にやること
期間中は、次の三つを意識して回します。
- 困りごとを集める: 「ここが分からない」「紙のほうが早い」を、遠慮なく聞く
- すぐ直す: 直せるものは、その週のうちに直す
- 数を見る: アプリの入力件数と、紙の枚数を比べる
備品の貸出なら、アプリの一覧で入力の件数を確かめられます。

- 上の見出しに件数(9件)が出ます
- 「状態」の列で、使用中・保管中・貸出中などが分かります
日付を「今日」「昨日」のボタンで選べる入力欄は、たとえば日報の入力画面にあります。

- 報告日の下の「今日」「昨日」を押すと、日付が入ります
- 「紙のほうが早い」と言われた手間を、こうして一つずつ減らします
終わらせる日を、先に決める
並行運用は、「終わりの日」を先に宣言しておきます。
- 期間の最後に、現場の意見を聞く
- 問題が解消されていることを確認する
- 「この日から、紙はやめます」と全員に伝える
- 紙の様式は、置き場所ごと片づける
紙を置きっぱなしにすると、「念のため」で使い続ける人が出ます。切り替えの日に、紙の様式も片づけると、気持ちの区切りがつきます。
並行運用の、よくある失敗
並行運用でよくあるのは、次の二つです。
- 期間を決めず、いつまでも続く
- 紙とアプリの、どちらが正か分からなくなる
どちらも、「始める前に決めておく」ことで防げます。始める前の10分の話し合いが、あとの混乱を大きく減らします。
現場への伝えかた
並行運用を始めるときは、次の三点を、朝礼や掲示で短く伝えます。
- いつからいつまで、両方使うのかを伝えた
- 困ったら、誰に聞けばよいのかを伝えた
- 紙は、どこに置いてあるのかを伝えた
窓口の担当者を決めておくと、「分からないまま放置」を防げます。
まとめ
- 紙を残して並行運用すると、現場が安心して試せる
- 期間・対象・どちらが正かを、先に決める
- 期間中は、困りごとを集め、すぐ直し、数を見る
- 終わりの日を宣言し、紙の様式も片づける
Formia でやるなら
Formiaのアプリは、公開したあとでも項目の追加や並べ替えを直せます。並行運用中の「直す」を、その場で現場に返せます。一覧からは、入力の件数も確かめられます。直しかたは フォームを組む と 改訂の履歴 を見てください。