CHAPTER 02 3 / 10
まず、いまある紙とExcelを棚卸し
アプリ化の前に、いま使っている紙の様式とExcelの表を一覧にしましょう。棚卸しのやりかた、書き出す項目、優先順位のつけかたを、玲子さんの職場の例でやさしく解説します。
約5分で読めます
現場改善ノートの目次(章と記事の一覧)
1. 現場改善とノーコードの基本
2. 紙・Excel からの卒業
3. 日報・報告を変える
4. 点検・保守・品質を変える
5. 申請・承認・稟議を変える
6. 営業・顧客・案件を変える
8. アプリづくりの考えかた
9. 現場を巻き込む・定着させる
10. データ活用と帳票
この記事でわかること
- 棚卸しの表の作りかたがわかる
- 優先順位のつけかたがわかる
- 似た様式のまとめかたがわかる
会社のどこに、どんな紙とExcelがあるのか。意外と、誰も全体を知らないものです。まずは、一覧にしてみましょう。
なぜ、棚卸しが先なのか
アプリにしたいものを、思いつきで選ぶと、次のようなことが起こります。
- 実は、ほとんど使われていない様式を作ってしまう
- 同じ内容を書く様式が、別々にあったことに後で気づく
- 一番困っているものが、後回しになる
最初に全体を見渡すと、「どこから手をつけると効果が大きいか」が分かります。
棚卸しの表を作る
Excelでも紙でも構いません。次の列がある表を作ります。
| 列 | 書くこと | 例 |
|---|---|---|
| 名前 | 様式・表の名前 | 備品貸出票 |
| 形式 | 紙 / Excel | 紙 |
| 使う人 | 誰が書くか | 全社員 |
| 頻度 | 毎日 / 毎週 / 月1回 | 週に数回 |
| 件数 | 1か月の枚数や行数 | 20件 |
| 困りごと | 面倒な点 | 返却の確認ができない |
| 渡し先 | 書いたあと、誰が見るか | 総務 |
ひとり分では見落としが出るので、現場・総務・営業それぞれの人にも聞いて、書き足してもらうと、抜けが減ります。
優先順位をつける
表ができたら、次の目安で印をつけます。
- 頻度が高い(毎日・毎週)
- 使う人が多い
- 困りごとが具体的
- 項目が少ない(作りやすい)
効果は大きいが、項目が多め
毎日使い、項目も少ない
使う回数も効果も小さい
作りやすいが、効果は小さい
当てはまる数が多いものから、順に取りかかります。いきなり1位を作らず、「作りやすい上位」から始めるのも、よい選びかたです。
似たものは、まとめられる
棚卸しをすると、「名前は違うのに、書いていることはほとんど同じ」という様式が見つかります。たとえば、「備品貸出票」と「会議用PC持ち出し申請」。こうしたものは、一つのアプリにまとめられるかもしれません。まとめると、作る数も、管理する数も減ります。
棚卸しの副産物
棚卸しの表は、アプリ化のあとも役に立ちます。どの業務が、いつ、どのアプリに移ったかの記録になり、「まだ紙のままのもの」も一目で分かります。新しく入った人への説明にも使えます。表は、更新しながら、長く育てていきましょう。
アプリ化が進むと、設計モードの一覧に、公開中のアプリが増えていきます。棚卸しの表と見比べると、進み具合が分かります。

- 各行に、アプリの名前・件数・フォームや帳票の数が出ます
- 右端の「公開中」で、使える状態が分かります
棚卸しで、つい忘れるもの
棚卸しで抜けやすいのは、次のようなものです。
- 個人の机やパソコンの中だけにある、手製のExcelはないか
- ホワイトボードや付箋で管理している情報はないか
- 口頭やメールで受けて、あとで記録しているものはないか
こうしたものほど、じつは担当者に負担がかかっていることがあります。「ほかに、自分だけで管理しているものはありませんか」と、一言聞いてみてください。
まとめ
- アプリ化の前に、紙とExcelを一覧にする
- 名前・形式・使う人・頻度・件数・困りごと・渡し先を書き出す
- 頻度・人数・困りごと・作りやすさで優先順位をつける
- 似たものは、まとめられないか考える
Formia でやるなら
棚卸しで選んだ一つ目から、フォームを作ります。紙の様式なら項目を洗い出して組み、Excelの表なら、そのファイルからアプリを作れます。手順は アプリを作る を見てください。
一つ目を作ると、利用の画面ではこんな一覧になります。たとえば日報の一覧です。

- 1行が1件の記録です
- 「状態」の列で、提出済み・確認済みなどが分かります