CHAPTER 06 5 / 9
訪問・やりとりの履歴を残す
営業の訪問や電話のやりとりを、個人の記憶ではなく会社の記録にする方法を解説。書く負担を軽くするコツと、引き継ぎで困らない履歴の残しかたを紹介します。やさしい言葉で説明します。
約6分で読めます
現場改善ノートの目次(章と記事の一覧)
1. 現場改善とノーコードの基本
2. 紙・Excel からの卒業
3. 日報・報告を変える
4. 点検・保守・品質を変える
5. 申請・承認・稟議を変える
6. 営業・顧客・案件を変える
8. アプリづくりの考えかた
9. 現場を巻き込む・定着させる
10. データ活用と帳票
この記事でわかること
- 履歴が残らない理由がわかる
- 一回の記録に必要な3つがわかる
- 引き継ぎで困らない残しかたがわかる
担当を引き継ぐとき、これまでの経緯は頭の中と手帳の中にしかない。営業のやりとりは、残さなければ本人にしか残りません。
営業のやりとりは、担当者の頭の中にたまっていきます。本人は覚えていても、休んだとき、異動したとき、急に連絡が入ったときに、他の人は何も知らない。これは多くの会社で起きていることです。
履歴が残らない理由
書くのが面倒だから、ではありません。多くの場合、次の二つが原因です。
- どこに書けばいいか決まっていない: 手帳・メール・Excel・チャットのどれかを、その日の気分で使う
- 書く内容が重い: 議事録のように丁寧に書こうとして、後回しになる
履歴は、短くても残ることのほうが大切です。
軽く残す書きかた
一回の記録は三つで足りる
- いつ・誰と(日付・相手・方法:訪問、電話、メール)
- 何を話したか(一〜二行)
- 次にやること(期限つき)
「次にやること」が書いてあれば、後から見た人が、すぐに動けます。
日付・相手・方法(訪問・電話・メール)
一〜二行で足りる
期限をつけて書く
たとえば、案件の1件の画面には、次の一手を残す欄があります。

- 「次の一手」に、次のアクションと次回の予定日、商談メモがまとまっている
- 右側のコメント欄で、やりとりをその場に残せる
顧客や案件にひもづける
履歴は、顧客や案件の画面で見られるのが理想です。「ことり製作所」を開けば、これまでのやりとりが日付順に並ぶ。探す手間がなくなります。
- 訪問
設備更新の相談。工場見学を希望
- 電話
見積の内容を確認
- 訪問
予算の時期と決裁の流れを確認
顧客の1件の画面では、最後に話した日やメモも、関連する商談とあわせて見られます。

- 「最後に話した日」と「メモ」の項目がある
- 右側の「関連レコード」で、商談や見積に移れる
書きやすい場所で書く
営業は外出が多いので、移動中や訪問の直後に、スマホで一言残せる形が現実的です。事務所に戻ってからまとめて書くと、忘れるうえに、一日が終わってしまいます。
スマホでも、同じ画面を開いて見られます。

- 案件名・顧客・担当・段階が縦一列に並ぶ
- 上の「編集する」から、その場で書き足せる
履歴が役に立つ場面
| 場面 | 履歴があると |
|---|---|
| 担当の交代 | 経緯を読むだけで引き継げる |
| 上長の確認 | 「あの件どうなった?」を聞かずに済む |
| 失注の振り返り | どこでつまずいたかを探せる |
| クレームの対応 | 過去の約束を確認できる |
履歴を読む側のコツ
履歴は書くだけでなく、読まれて初めて役に立ちます。訪問の前に、直近の二、三件を読む習慣をつけると、「前回の話を覚えていてくれた」とお客様に伝わります。
- 訪問前に、前回の「次にやること」を確認する
- 引き継ぎの前に、履歴を新しい順に読んでもらう
- 古くなった履歴は消さずに、そのまま残す
今日からできる一つのことは、訪問を終えたら、駐車場で「次にやること」を一行だけ書くことです。
まとめ
- 営業のやりとりは、残さないと本人の頭の中にしか残らない
- 一回の記録は「いつ・誰と」「何を」「次にやること」で足りる
- 顧客や案件の画面にひもづけると、探さずに読める
- 外出先からすぐ書ける形にして、書くハードルを下げる
Formia でやるなら
顧客や案件の1件の画面には、右側にコメント欄があり、やりとりをその場に残せます。コメントでは @ で相手を呼べます。また、誰がいつどの項目を変えたかは「変更の履歴」に自動で残ります(1件の画面)。外出先からは、スマホのブラウザで同じ画面を開いて書けます(レコードを直す)。