Glossary
組み込み・IoT 用語辞典
マイコン・RTOS・BLE・MQTT・エッジAIまで、組み込み・IoT開発に関わる主要な技術用語を カテゴリ別にわかりやすく解説します。
デバイス・ボード
Arduino 初心者向けの定番マイコンボード。開発環境も含む。 BeagleBone 産業向けの小型Linux SBC。豊富なI/Oが特長。 ESP32 Wi-Fi/BLE内蔵の安価なマイコン。IoT試作の定番。 ESP8266 Wi-Fi内蔵の低価格マイコン。ESP32の前世代。 FPGA 回路を書き換えられる半導体。高速・並列処理に強い。 MPU(マイクロプロセッサ) CPU中心の高性能チップ。外付けメモリやOSと組み合わせて使う。 NVIDIA Jetson GPU搭載のエッジAIボード。映像のリアルタイム推論向き。 Raspberry Pi Linuxが動く小型SBC。教育から産業まで広く普及。 Raspberry Pi Pico RP2040搭載のマイコンボード。安価で扱いやすい。 SBC(シングルボードコンピュータ) 1枚の基板で完結する小型PC。Raspberry Piが代表。 SoC(System on Chip) CPU・GPU・通信などを1チップに統合した集積回路。 SoM(System on Module) SoCと周辺をまとめた基板モジュール。量産基板に載せて使う。 STM32 STマイクロのArmマイコン。産業機器で広く使われる。 マイコン(MCU) CPU・メモリ・I/Oを1チップに集約した小型コンピュータ。組み込みの中核。 リファレンスデザイン メーカー提供の標準回路設計。量産設計の出発点。 評価ボード(EVK) チップ評価・試作用の公式ボード。
プロセッサ・アーキテクチャ
ARM Cortex-A 高性能Armコア。Linuxやスマホ・SBCで使われる。 ARM Cortex-M マイコン向けArmコア。低消費電力でリアルタイム制御向き。 DSP(デジタル信号処理) 信号処理に特化した演算器。音声・センサー処理に有効。 FPU(浮動小数点演算器) 小数計算を高速化する回路。 MMU(メモリ管理ユニット) 仮想メモリを実現するメモリ管理ユニット。Linuxに必須。 NPU(AIアクセラレータ) AI推論を高速化する専用演算器。 RISC-V オープンな命令セットアーキテクチャ。ライセンス不要で注目。 x86 / x64 PCやエッジサーバーで使われるIntel系アーキテクチャ。 Xtensa ESP32などに使われるTensilica製コア。 エンディアン メモリ上のバイト並び順(ビッグ/リトル)。 クロック周波数 CPUの動作速度。高いほど速いが消費電力も増える。 パイプライン 命令処理を分割し並行実行して高速化する仕組み。 ビット幅(8/16/32/64bit) 一度に扱えるデータ幅。性能とコストに影響。 組み込みGPU 映像処理やAIに使う並列演算器。 命令セット(ISA) CPUが理解する命令の体系。
メモリ・ストレージ
DMA CPUを介さずメモリ転送を行う仕組み。負荷を下げ高速化。 DRAM 大容量・安価な揮発メモリ。定期リフレッシュが必要。 EEPROM 少量データを書き換え保存する不揮発メモリ。 eMMC 基板実装型のフラッシュストレージ。組み込みLinux機でよく使う。 NANDフラッシュ 大容量・安価なフラッシュ。データ保存向き。 NORフラッシュ ランダムアクセスが速いフラッシュ。コード実行向き。 SRAM 高速だが高価な揮発メモリ。マイコン内蔵RAMやキャッシュに。 ウェアレベリング フラッシュの書き込み回数を分散し寿命を延ばす技術。 キャッシュ CPUとメモリ間の高速な一時記憶。 フラッシュメモリ 電源を切っても消えない不揮発メモリ。プログラム格納に使う。 メモリマップ 各メモリ・周辺をアドレス空間に割り当てた配置。 メモリリーク 解放されず残り続けるメモリ。組み込みでは致命的になりやすい。
OS・実行環境
Buildroot シンプルに組み込みLinuxを構築するツール。 FreeRTOS 軽量で普及したオープンソースRTOS。 POSIX UNIX系OS共通のAPI規格。移植性を高める。 RTOS(リアルタイムOS) 応答時間を保証する組み込み向けOS。 TOPPERS / ITRON 国産で実績ある組み込みOS仕様。 U-Boot 組み込みLinuxで定番のブートローダー。 Yocto Project 組み込みLinuxを自作するためのビルド基盤。 Zephyr Linux Foundation主導の新しい組み込みRTOS。 カーネル OSの中核。ハード制御やプロセス管理を担う。 コンテナ(Docker) アプリを隔離して動かす技術。エッジでも利用が広がる。 デバイスツリー ハード構成をOSに伝える記述ファイル。 デバイスドライバ ハードを制御するためのソフト。 ファイルシステム データを管理する仕組み。フラッシュ向けもある(ext4/FAT/UBIFS)。 ブートローダー 電源投入後に最初に動き、OSを起動するプログラム。 ベアメタル OSを使わず直接ハードを制御する方式。 ユーザー空間 / カーネル空間 アプリ領域とOS中核領域の分離。 組み込みLinux 機器向けに構成したLinux。SBCや産業機器で広く使う。
リアルタイム制御
ISR(割り込みハンドラ) 割り込み発生時に実行される処理。 ウォッチドッグタイマ 暴走を検知して再起動させる安全機構。 クリティカルセクション 同時実行を禁じる重要処理区間。 コンテキストスイッチ 実行するタスクを切り替える処理。 ジッタ 周期処理のばらつき。 スケジューラ タスクの実行順を決める仕組み。 セマフォ 資源の排他・同期に使うカウンタ。 ソフトリアルタイム 多少の遅れが許容される要件。 タスク / スレッド 並行して動く処理の単位。 デッドロック 互いに資源を待ち合い処理が止まる状態。 ハードリアルタイム 締切を1回でも破ると致命的になる要件。 プリエンプション 優先度の高いタスクが実行中の処理を中断する方式。 ポーリング 状態を繰り返し確認する方式。割り込みの対義。 ミューテックス 1つの資源を排他制御する仕組み。 リアルタイム性 決められた時間内に必ず処理を終える性質。 レイテンシ 要求から応答までの遅延時間。 割り込み(インタラプト) 外部イベントで処理を中断し対応する仕組み。 優先度逆転 低優先タスクが高優先タスクを妨げる不具合。
インターフェース・バス(有線)
ADC(A/D変換) アナログ信号をデジタルに変換。 CAN FD 高速・大容量化したCAN。 CAN(CANバス) 車載・産業で使う高信頼な通信バス。 DAC(D/A変換) デジタル信号をアナログに変換。 Ethernet 有線LANの標準。産業用イーサもある。 GPIO 汎用入出力ピン。LED点灯やスイッチ入力など。 HDMI / LVDS 映像出力インターフェース。 I2C 2線式の近距離バス。多数のセンサーを数珠つなぎできる。 JTAG チップのデバッグ・書き込み用の標準インターフェース。 LIN 車載の低速・低コストなサブバス。 MIPI(CSI/DSI) カメラ・ディスプレイ用の高速インターフェース規格。 Modbus 産業機器で定番の通信プロトコル。 PWM パルス幅でモーター速度やLED輝度を制御。 RS-232C 古くからあるシリアル通信規格。 RS-485 長距離・多点接続に強いシリアル通信。 SPI 高速な同期式シリアル通信。ディスプレイやフラッシュに。 SWD Arm向けの2線式デバッグ端子。JTAGの簡略版。 UART 調歩同期式のシリアル通信。デバッグや機器間通信に。 USB PC周辺機器の標準インターフェース。 USB OTG 機器がホストにもデバイスにもなれる仕組み。
近距離無線
BLE(Bluetooth Low Energy) 低消費電力のBluetooth。IoT・ウェアラブルの定番。 Bluetooth Classic 音声や連続通信向けの従来Bluetooth。 FeliCa 日本で普及した高速NFC技術(交通系IC等)。 GATT BLEのデータ構造・通信ルール。 Matter スマートホーム機器の相互接続規格。 NFC 数cmの近距離通信。決済や認証に。 RFID 電波でタグを読み取る非接触識別技術。 Thread IPv6ベースの低消費メッシュ無線。 UWB(超広帯域) 高精度な距離・位置測定ができる無線技術。 Wi-Fi 無線LANの標準。高速だが消費電力は大きめ。 Wi-Fi HaLow 低消費・長距離向けのWi-Fi(IoT向け)。 Z-Wave 住宅向けの低消費無線規格。 Zigbee 低消費電力のメッシュ無線。スマートホーム向け。 アドバタイズ BLEが自分の存在を周囲に知らせる仕組み。 ビーコン(iBeacon / Eddystone) 位置情報を発信する小型BLE機器。 メッシュネットワーク 機器同士が中継し合う網状の通信構成。
広域・低電力無線
5G 高速・低遅延・多接続の次世代携帯通信。 eSIM 基板に組み込む書き換え可能なSIM。 GNSS GPS等の衛星測位システムの総称。 GPS 米国の衛星測位システム。 LoRa 長距離・低消費の変調方式。 LoRaWAN LoRaを使う広域IoTネットワーク規格。 LPWA 省電力で広域をカバーする無線の総称。 LTE-M(Cat-M1) 低速・低消費なセルラーIoT。移動体にも対応。 NB-IoT 超低消費・低速のセルラーIoT。固定設置向き。 RTK測位 センチメートル級の高精度測位技術。 Sigfox 超低速・超低消費の広域IoT通信。 SIM 携帯回線の契約者識別カード。 セルラーIoT 携帯回線を使うIoT通信の総称。 基地局 / ゲートウェイ 端末とネットワークをつなぐ中継設備。
IoTプロトコル
AMQP 信頼性重視のメッセージングプロトコル。 CBOR / Protocol Buffers 効率的なバイナリデータ形式。 CoAP 制約機器向けの軽量Webプロトコル。 HTTP / HTTPS Web標準の通信プロトコル。 JSON 軽量なデータ記述形式。 mDNS / SSDP 機器を自動発見する仕組み。 MQTT 軽量なPub/Sub型メッセージング。IoTの定番。 MQTT-SN センサーネット向けの軽量MQTT(UDP対応)。 NTP ネットワーク経由で時刻を合わせる仕組み。 OPC UA 産業機器の標準データ連携規格。 OTA(無線アップデート) 無線経由でファームを更新する仕組み。 Pub/Sub 発行者と購読者を分離する通信モデル。 REST API HTTPベースのシンプルなAPI設計様式。 WebSocket 双方向リアルタイム通信プロトコル。
クラウド・プラットフォーム
AWS IoT Core AWSのIoT接続・管理サービス。 Azure IoT Hub MicrosoftのIoT基盤サービス。 Google Cloud IoT GCPのIoT関連サービス群。 IoTゲートウェイ 機器とクラウドを橋渡しする中継機器。 IoTプラットフォーム デバイス管理やデータ収集を担う基盤。 エッジコンピューティング 端末側でデータ処理を行う考え方。 ダッシュボード センサーデータを可視化する画面。 デジタルツイン 現実の機器をデジタルに再現するモデル。 デバイスシャドウ 機器の状態をクラウド側に保持する仕組み。 フリート管理 多数の機器を一括管理する仕組み。 プロビジョニング 機器をネットワーク・クラウドに登録する初期設定。 時系列データベース センサーデータの保存に適したDB。
エッジAI
ONNX 機械学習モデルの共通フォーマット。 TensorFlow Lite (Micro) 組み込み向けの軽量推論ライブラリ。 TinyML マイコンで動く超軽量な機械学習。 エッジAI 端末側でAI推論を行う技術。 データセット 機械学習の学習に使うデータの集合。 プルーニング 不要な部分を削りモデルを小型化する技術。 異常検知 正常から外れた挙動を見つけるAI技術。 学習済みモデル 事前に訓練されたAIモデル。 推論(インファレンス) 学習済みモデルで結果を予測する処理。 推論アクセラレータ AI推論を高速化する専用ハード(NPU等)。 物体検出 画像中の対象を見つけるAIタスク。 量子化 モデルを軽く・速くする数値圧縮技術。
センサー・アクチュエータ
IMU(慣性計測装置) 加速度・角速度を測るセンサーモジュール。 アクチュエータ 電気信号を動き・力に変える部品。 カメラモジュール 映像を取得するイメージセンサーモジュール。 センサー 物理量を電気信号に変える素子。 センサーフュージョン 複数センサーを統合し精度を高める技術。 マイク / スピーカー 音の入出力デバイス。 モーター(DC / ステッピング / サーボ) 回転・位置制御に使うアクチュエータ。 リレー 電気的にON/OFFを切り替えるスイッチ部品。 温湿度センサー 環境の温度・湿度を測定するセンサー。 加速度センサー / ジャイロ 動きや傾きを検出するセンサー。 気圧センサー 高度や天候の推定に使う大気圧センサー。 照度・光センサー 明るさを検出するセンサー。 測距センサー(ToF / 超音波) 距離を測るセンサー。 電流・電圧センサー 電力を計測するセンサー。
電源・省電力
DC-DCコンバータ 電圧を効率よく変換するスイッチング電源回路。 LDO 低損失の電圧レギュレータ。組み込みに広く使われる。 PMIC 電源管理を1チップ化したIC。 エナジーハーベスティング 光・振動・熱などから発電する技術。 スリープモード 一部を止めて消費電力を抑える状態。 ディープスリープ ほぼ停止して極低消費にするマイコンの状態。 バッテリー駆動 電池で動かす設計。電力収支が重要。 リチウムイオン電池 高容量の充電池。組み込みで広く使う。 充電IC 電池の充電を制御するIC。 消費電流(mA / µA) 機器が使う電流量。電池寿命に直結する指標。 低消費電力設計 電力を抑えるための設計手法全般。 突入電流 電源投入時に流れる大電流。回路設計で対策が必要。
セキュリティ
OTAセキュリティ 無線アップデートを安全に行う対策技術。 TLS / DTLS 通信路を暗号化するプロトコル。 TPM セキュリティ機能を担う標準チップ規格。 サイドチャネル攻撃 消費電力などから鍵を盗む攻撃手法。 セキュアエレメント 鍵を安全に保管する専用チップ。 セキュアブート 正規のファームのみ起動を許す仕組み。 セキュリティアップデート 脆弱性を塞ぐ更新。 ゼロトラスト すべてを信頼せず常に検証する考え方。 デバイス認証 正規の機器だけ接続を許す仕組み。 ファームウェア署名 改ざん検知のための電子署名技術。 ルートオブトラスト 信頼の起点となるハードウェア機構。 暗号化 データを第三者に読めなくする処理。 公開鍵暗号 / 共通鍵暗号 鍵の方式の違い。それぞれの特徴と用途。 証明書 / PKI 身元を保証する電子証明の仕組み。
開発・デバッグ・テスト
CI/CD ビルド・テスト・配布を自動化する仕組み。 HIL(Hardware-in-the-Loop) 実機を模擬環境でテストする手法。 IDE(統合開発環境) コーディングからデバッグまで行う開発環境。 インサーキットデバッガ 実機を止めて中身を調べるデバッグ装置。 エミュレータ / シミュレータ 実機なしで組み込みシステムの動作を再現する環境。 オシロスコープ 電気信号の波形を見る計測器。 クロスコンパイル 別環境向けの実行ファイルを作る作業。 シリアルコンソール ログ表示やコマンド入力に使う端末。 ツールチェーン コンパイラなど開発ツール一式。 バージョン管理(Git) ソースの変更履歴を管理。 ファームウェア 機器を動かす組み込みソフトウェア。 ブレークポイント デバッグ時に実行を一時停止させる地点。 メモリダンプ 不具合解析のためメモリ内容を取得する。 ユニットテスト 部品単位の自動テスト。 ロジックアナライザ 複数信号の波形を観測する計測器。 静的解析 コードを実行せず不具合を検出する解析。