クラウドネットワーキング

ルートテーブル るーとてーぶる

ルーティングVPCサブネットゲートウェイネクストホップクラウドネットワーク
ルートテーブルについて教えて

簡単に言うとこんな感じ!

ネットワークの「カーナビの地図」みたいなものだよ!「このIPアドレス宛のデータはこっちのルートで送れ」って書いてある一覧表なんだ。クラウド上の仮想ネットワーク(VPC)で、どの通信をどこに転送するか決める道案内の設定表ってこと!


ルートテーブルとは

ルートテーブル(Route Table) とは、ネットワーク上でデータパケットをどの経路(ルート)で転送するかを定めた対応表のことです。「宛先のIPアドレス範囲」と「その宛先に向けてパケットを渡す次の出口(ネクストホップ)」をセットで記録しており、ルーターやクラウドの仮想ネットワークがこの表を参照しながら通信を振り分けます。

クラウド環境(AWS・Azure・Google Cloudなど)では、VPC(仮想プライベートクラウド) 内のサブネットごとにルートテーブルを紐付けることで、「このサブネットからインターネットに出てよい」「このサブネットは社内ネットワークとだけ通信できる」といった通信ポリシーを柔軟にコントロールできます。

オンプレミス(自社データセンター)のルーターにも同じ概念はありますが、クラウドではGUIやAPIから数クリックで設定・変更できるため、ネットワーク設計の自由度が大幅に上がっています。ルートテーブルを正しく設計することは、セキュリティ・可用性・コストすべてに直結する重要な作業です。


ルートテーブルの構造と仕組み

ルートテーブルは「宛先(Destination)」と「ターゲット(Target/ネクストホップ)」の組み合わせで構成されます。

宛先(Destination)ターゲット(Target)意味
10.0.0.0/16localVPC内の通信はそのまま内部で処理
0.0.0.0/0igw-xxxxxxxx(インターネットゲートウェイそれ以外の全通信はインターネットへ
192.168.0.0/16vgw-xxxxxxxx(VPNゲートウェイ)社内ネット宛はVPN経由
10.1.0.0/24nat-xxxxxxxx(NATゲートウェイプライベートサブネットからの外向き通信

ルートの優先順位(最長一致の原則)

複数のルートが一致する場合、より具体的な(プレフィックスが長い)ルートが優先されます。たとえば 10.0.1.0/2410.0.0.0/16 より優先されます。これを「ロンゲストマッチ」と呼びます。

宛先: 10.0.1.5 の場合

  10.0.0.0/16  → マッチするが広い(プレフィックス長 16)
  10.0.1.0/24  → マッチしてより狭い(プレフィックス長 24)← こちらが優先!

パブリックサブネット vs プライベートサブネットの違い

種別ルートテーブルの特徴用途例
パブリックサブネット0.0.0.0/0 → インターネットゲートウェイWebサーバー、踏み台サーバー
プライベートサブネット0.0.0.0/0 → NATゲートウェイ or なしDBサーバー、バックエンドAPI
分離サブネットローカルルートのみ機密データ、完全閉域

歴史と背景

  • 1970年代 — ARPANETの時代から、ルーターはパケットの転送先を決めるための「ルーティングテーブル」を持っていた。当初は管理者が手動で設定する静的ルーティングが主流
  • 1980〜90年代 — ネットワーク規模の拡大に伴い、RIPOSPFなどのルーティングプロトコルが登場。ルーター同士が自動でテーブルを交換・更新する動的ルーティングが普及
  • 2006年 — AWSがEC2・S3を提供開始。クラウド上の仮想ネットワーク概念が広まり始める
  • 2009年 — AWSがVPC(Virtual Private Cloud)をリリース。クラウド上でもルートテーブルをユーザーが自由に設定できるようになる
  • 2010年代 — Azure・GCPも同様の仮想ネットワーク機能を提供。ルートテーブルはクラウド設計の基礎知識として定着
  • 現在マルチクラウド・ハイブリッドクラウド環境では複数のルートテーブルを組み合わせた複雑な設計も一般的に

クラウド各社のルートテーブル比較

主要クラウドでの呼称や仕組みはほぼ同じですが、名称や設定画面が微妙に異なります。

項目AWSAzureGoogle Cloud
名称ルートテーブルルートテーブルルート
紐付け単位サブネットサブネットVPCネットワーク全体
デフォルトルートlocal が自動作成local 相当が自動作成デフォルトルートが自動作成
カスタムルートの適用サブネットに関連付けサブネットに関連付けタグやネットワーク全体に適用

VPC内のルートテーブル構成イメージ

VPC (10.0.0.0/16) パブリックサブネット 10.0.1.0/24 ルートテーブル A 10.0.0.0/16 → local 0.0.0.0/0 → IGW プライベートサブネット 10.0.2.0/24 ルートテーブル B 10.0.0.0/16 → local 0.0.0.0/0 → NAT GW NAT Gateway パブリック側に配置 Internet Gateway (IGW) インターネット接続口

関連する規格・RFC

規格・RFC番号内容
RFC 1812IPv4ルーターの要件定義。ルーティングテーブルの基本動作を規定
RFC 4271BGP(Border Gateway Protocol)。大規模ネットワーク間のルート交換プロトコル
RFC 2453RIP v2。小規模ネットワーク向けの動的ルーティングプロトコル
RFC 2328OSPF v2。リンクステート型ルーティングプロトコルの仕様

関連用語