S3(Simple Storage Service) えすすりー(しんぷるすとれーじさーびす)
簡単に言うとこんな感じ!
AmazonのクラウドにあるめちゃくちゃでかいUSBメモリみたいなもの!ファイルをインターネット越しにどこからでも保存・取り出しできるサービスで、容量は実質無制限。画像・動画・バックアップデータを置くのに超よく使われてるよ!
S3とは
S3(Amazon Simple Storage Service) は、Amazon Web Services(AWS)が提供するオブジェクトストレージサービスです。オブジェクトストレージとは、ファイルをフォルダ階層ではなく「バケット(bucket)」と呼ばれる入れ物の中に「オブジェクト(object)」として平坦に格納する方式で、1ファイルあたり最大5TBまで保存できます。
S3は2006年のサービス開始以来、クラウドストレージの事実上の標準となっており、「S3互換API」 を持つストレージサービスが他社からも多数リリースされるほどの影響力を持ちます。ウェブサービスの画像置き場、ログの長期保管、データ分析基盤(データレイク)、静的ウェブサイトのホスティングなど、用途は非常に幅広いです。
ビジネス発注の観点では、「どこかにデータをまとめて置いておきたい」「バックアップを自動的にクラウドへ送りたい」「ウェブサイトに表示する画像や動画を配信したい」といったニーズで最初に候補に挙がるサービスです。使った分だけ課金されるため、初期費用ゼロで始められる点も大きな特徴です。
S3の基本構造
S3を理解するには「バケット」と「オブジェクト」の2つの概念を押さえることが重要です。
| 概念 | 説明 | 例え |
|---|---|---|
| バケット(Bucket) | ファイルを入れる最上位の入れ物。名前はAWS全体でユニーク | 大きな引き出し |
| オブジェクト(Object) | バケットの中に格納される実データ(ファイル本体+メタデータ) | 引き出しの中の書類 |
| キー(Key) | オブジェクトを識別する名前。パスのように見えるが実際はフラット | images/photo/2024.jpg |
| メタデータ | ファイルの属性情報(コンテンツタイプ・更新日時など) | 書類に貼るラベル |
| リージョン | バケットを置くデータセンターの地理的な場所 | 東京・大阪・米国東部など |
ストレージクラス(コストと耐久性のトレードオフ)
S3にはストレージクラスという概念があり、アクセス頻度に応じてコストを最適化できます。
| クラス名 | 用途 | アクセス頻度 | コスト感 |
|---|---|---|---|
| S3 Standard | 通常のファイル置き場 | 高頻度 | 標準 |
| S3 Intelligent-Tiering | 自動で最適クラスに移動 | 不定 | やや高め(管理費用) |
| S3 Standard-IA | あまり使わないが素早く取り出したい | 低頻度 | 安い(取り出し料金あり) |
| S3 Glacier | 長期アーカイブ(数分〜数時間で取り出し) | ほぼゼロ | かなり安い |
| S3 Glacier Deep Archive | 超長期保管(12時間以内で取り出し) | ゼロに近い | 最安 |
覚え方:「バケツにモノを入れるだけ」
「バケット(バケツ)にオブジェクト(モノ)を入れる」と覚えれば完璧です。URLで言うと https://バケット名.s3.amazonaws.com/キー名 というアドレスでファイルにアクセスできるイメージです。
歴史と背景
- 2006年3月 — AWS S3がベータ公開。クラウドサービスとして画期的な「使った分だけ課金」モデルを採用
- 2006年11月 — 一般公開。当初は米国のみ
- 2008年 — EU(アイルランド)リージョンが追加。グローバル展開が始まる
- 2011年 — 大規模障害(US-EAST-1)が発生し、多くのサービスに影響。可用性設計の重要性が広く認識される
- 2012年 — 1兆個オブジェクト突破を発表
- 2013年 — Glacier(長期アーカイブ向けサービス)を統合。コールドストレージ用途に拡大
- 2015年 — バージョニング機能が強化。誤削除・上書きからのリカバリが容易に
- 2016年 — S3 Transfer Acceleration(高速転送)やイベント通知機能が充実
- 2018年 — デフォルトでパブリックアクセスをブロックする設定が強化(情報漏洩事故が多発したため)
- 2022年 — S3 Object Lambdaなど、データ取り出し時にリアルタイム変換する機能が登場
- 現在 — AWS全体で最も利用されるサービスのひとつ。他社クラウドも「S3互換API」を実装するほどの標準的地位を確立
S3と他のストレージ方式の比較
クラウドストレージには大きく3種類の方式があります。S3はそのうちの「オブジェクトストレージ」です。
主要なS3互換サービスとの比較
「S3互換API」とは、S3と同じ操作コマンド・プログラムがそのまま使えるストレージサービスのことです。
| サービス名 | 提供会社 | 特徴 |
|---|---|---|
| Amazon S3 | AWS | 本家。最も機能が豊富 |
| Google Cloud Storage(GCS) | GCPユーザー向け。S3互換あり | |
| Azure Blob Storage | Microsoft | AzureユーザーはS3より自然 |
| Cloudflare R2 | Cloudflare | 転送量(egress)が無料で安い |
| MinIO | MinIO社 | オンプレミスで自前構築できるOSS |
| Wasabi | Wasabi | 安価なS3互換クラウドストレージ |
関連用語
- AWS(Amazon Web Services) — S3を含むAmazonのクラウドサービス群
- オブジェクトストレージ — ファイルをキーと値のペアで管理するストレージ方式
- CDN(コンテンツデリバリネットワーク) — S3と組み合わせてファイルを高速配信する仕組み
- IAM(Identity and Access Management) — S3バケットへのアクセス権限を管理するAWSの仕組み
- データレイク — 大量の生データを一箇所に集めておく分析基盤。S3がよく使われる
- 静的ウェブサイトホスティング — S3でHTML/CSS/JSファイルをそのまま公開する機能
- バックアップ — S3はシステムのバックアップ先として広く利用される
- 暗号化(サーバーサイド暗号化) — S3に保存するデータを暗号化してセキュリティを高める機能