クラウドの基本概念

オンプレミス おんぷれみす

クラウド自社運用サーバーインフラハイブリッドクラウドデータセンター
オンプレミスについて教えて

簡単に言うとこんな感じ!

自社でサーバーや機器を買って、自分たちの建物の中に置いて管理する方式だよ。クラウドが「レンタルキッチン」なら、オンプレミスは「自前の台所」って感じ!設備は全部自分持ちだけど、好きなように使えるんだ。


オンプレミスとは

オンプレミス(On-Premises) とは、サーバーやネットワーク機器・ソフトウェアなどのITインフラを、自社の敷地内(社内やデータセンター)に設置・所有して運用する形態のことです。「オンプレ」と略して呼ばれることも多く、クラウドサービスが普及する以前は、これが企業のITシステムの標準的な構築方法でした。

クラウドが「インターネット越しに借りるサービス」であるのに対し、オンプレミスは機器の購入・設置・保守・セキュリティ管理をすべて自社で行う方式です。初期投資は大きくなりますが、カスタマイズの自由度が高く、外部ネットワークに依存しないため、特定の業界や用途では今も主流の選択肢となっています。

金融機関や医療機関のように機密性の高いデータを扱う組織や、法規制によりデータの保管場所が制限される業種では、オンプレミスが義務的に選ばれるケースもあります。クラウドとオンプレミスをうまく組み合わせた「ハイブリッドクラウド」構成も広まっており、オンプレミスの知識はクラウド導入を検討する際にも欠かせません。


オンプレミスの特徴と構成要素

要素内容
ハードウェアサーバー・ストレージ・ネットワーク機器などを自社購入
設置場所自社サーバールームや契約したデータセンター
運用・保守自社のIT部門または委託業者が担当
セキュリティ物理・論理的な対策をすべて自社で設計・実施
コスト構造初期投資(CAPEX)が大きく、運用コスト(OPEX)は比較的安定

覚え方:「自前の家」で考えよう

オンプレミスを覚えるコツは「賃貸 vs 持ち家」の比喩です。

  • クラウド = 賃貸マンション(月払い・管理はオーナー任せ・引越しが楽)
  • オンプレミス = 持ち家(ローンで購入・自分でメンテ・自由にリフォーム可能)

どちらが「良い」ではなく、事業の性質・規模・リスク許容度によって選ぶものです。

オンプレミスが選ばれる代表的なケース

  • 金融・医療・官公庁など、データを外部に出せない規制がある
  • 既存の基幹システムとの連携が複雑で、クラウド移行コストが高い
  • 大量のデータを常時処理するため、通信コストより自前の方が安い
  • インターネット障害の影響を受けずに業務を継続したい

歴史と背景

  • 1960〜70年代:企業のコンピュータは高額な専用機器。大企業だけが自社に設置できる時代
  • 1980〜90年代:PCサーバーの普及で中小企業にもオンプレミス環境が広まる。「サーバールーム」が企業の標準設備に
  • 2000年代前半仮想化技術(VMwareなど)の登場で、1台のサーバーを複数の用途に使い回せるようになり、オンプレミスの効率が向上
  • 2006年:Amazon Web Services(AWS)がクラウドサービスを開始。「オンプレミス」という言葉が、クラウドとの対比として広く使われるようになる
  • 2010年代:クラウド普及に伴い、オンプレミスの維持コスト・人材不足が課題として顕在化。「クラウドファースト」方針を掲げる企業が増加
  • 2020年代:完全クラウド移行の難しさが明らかになり、ハイブリッドクラウド・マルチクラウド戦略として、オンプレミスとクラウドを共存させる設計が主流に

クラウドとオンプレミスの比較

比較項目オンプレミスクラウド
初期コスト高い(機器購入・設置)低い(月額課金)
スケール変更機器追加が必要で時間がかかる設定変更ですぐに拡張・縮小
カスタマイズ性高い(自由に設計可能)サービスの仕様に依存
セキュリティ管理自社で完全制御事業者と責任を分担
障害対応自社対応(専門人材が必要)事業者が一部対応
データの場所完全に自社管理事業者のデータセンター(国外も)
導入スピード遅い(数週間〜数ヶ月)速い(数分〜数日)
オンプレミス vs クラウド:責任範囲の違い オンプレミス アプリケーション OS・ミドルウェア 仮想化基盤 サーバー・ストレージ ネットワーク・施設 ★ すべて自社が管理 クラウド アプリケーション OS・ミドルウェア 仮想化基盤(事業者) サーバー・ストレージ(事業者) ネットワーク・施設(事業者) ★ 下層はクラウド事業者が管理

上の図で濃い色の部分が「自社が責任を持つ範囲」です。オンプレミスはすべてが自社管理、クラウドは下の層をサービス事業者が担います。


関連する規格・ガイドライン

規格・ガイドライン内容
ISO/IEC 27001情報セキュリティ管理の国際規格。オンプレミス環境でも準拠が求められる場面が多い
FISC安全対策基準金融機関のシステム(オンプレミス含む)に関する安全対策の基準
政府情報システムのためのセキュリティ評価制度(ISMAPクラウド・オンプレ問わずシステム調達時のセキュリティ基準

関連用語