クラウドネットワーキング

サブネット さぶねっと

IPアドレスサブネットマスクCIDRルーティングVPCネットワーク分割
サブネットについて教えて

簡単に言うとこんな感じ!

大きなオフィスビルを「フロアごと」に区切るイメージだよ!1つのネットワークを「部署ごと」「用途ごと」に小さく分けたものがサブネットなんだ。こうすることで通信が整理されて、セキュリティも上がるってこと!


サブネットとは

サブネット(Subnet) とは、“Sub Network”(サブネットワーク)の略で、1つの大きなIPネットワークを複数の小さなネットワークに分割したものです。ひとつの建物を壁や扉で「部屋」に分けるように、ネットワークを論理的に区切ることで、通信を整理・管理しやすくします。

サブネットを使うと、「この機器とあの機器は同じグループ(サブネット)にある」「別グループへの通信はルーターを経由する」という境界を作れます。これにより、通信の効率化・セキュリティの向上・管理のしやすさ を同時に実現できます。クラウド環境(AWS VPCやAzure仮想ネットワークなど)でも、サブネットはネットワーク設計の基本単位として必ず登場します。

ビジネスの現場では、「インターネットから直接アクセスできるゾーン(パブリックサブネット)」と「社内システムだけが使う安全なゾーン(プライベートサブネット)」を分けるために使われることが多く、システム発注・設計時に必ず理解しておきたい概念です。


サブネットの仕組みと構造

サブネットを理解するには、IPアドレスサブネットマスク(またはCIDR表記) の組み合わせを押さえるのがポイントです。

要素説明
IPアドレスネットワーク上の機器の住所192.168.1.0
サブネットマスク「ネットワーク部」と「ホスト部」の境界を示すもの255.255.255.0
CIDR表記サブネットマスクを /数字 で短縮表記したもの/24
ネットワークアドレスサブネットの先頭アドレス(機器には割り当てない)192.168.1.0
ブロードキャストアドレスサブネット内の全機器に一斉送信するアドレス192.168.1.255
使えるホストアドレス数実際に機器に割り当て可能なアドレス数/24 → 254台

CIDRの「/数字」の覚え方

/の後の数字 = ネットワーク部のビット数」と覚えよう!数字が大きいほどネットワークは小さく(使えるアドレス数が少ない)、数字が小さいほど大きいネットワークになるよ。

/24 → 254台使える(よく使う標準サイズ)
/28 → 14台しか使えない(小さなサブネット)
/16 → 65,534台使える(大きなネットワーク)

語呂合わせ:「スラッシュ小さい=大家族、スラッシュ大きい=少人数

よく使うCIDRとホスト数の早見表

CIDRサブネットマスク使えるホスト数用途例
/28255.255.255.24014台小規模サブネット
/27255.255.255.22430台小〜中規模
/24255.255.255.0254台一般的なオフィス
/22255.255.252.01,022台中規模企業
/16255.255.0.065,534台大規模VPC全体

歴史と背景

  • 1981年 — IPv4が定義された(RFC 791)。当初はクラスA/B/Cという固定の区切り方しかなく、アドレスの無駄遣いが多かった
  • 1985年サブネット化(RFC 950) が標準化。1つのクラスネットワークをさらに細かく分割できるようになった
  • 1993年CIDR(Classless Inter-Domain Routing) が登場(RFC 1519)。クラスに縛られず自由な単位でネットワークを区切れるようになり、現在の /24 などの表記が普及
  • 2000年代〜 — クラウドの普及とともに、VPC(仮想プライベートクラウド)の中でサブネットを設計するケースが急増
  • 現在 — AWSやAzure、GCPなどのクラウドでは、サブネットはネットワーク設計の最小単位として必須の概念に

パブリックサブネットとプライベートサブネット

クラウド環境では特に、サブネットを用途別に分ける設計が重要です。代表的な2種類を比較します。

項目パブリックサブネットプライベートサブネット
インターネット接続直接アクセス可能不可(NATゲートウェイ経由)
主な用途Webサーバー、ロードバランサーDBサーバー、アプリサーバー
セキュリティレベル低め(外部に公開)高め(外部から見えない)
グローバルIPの付与通常は付与する通常は付与しない

以下の図は、クラウド上でよく使われる「パブリック/プライベートサブネット」の構成イメージです。

VPC(仮想プライベートクラウド) 例: 10.0.0.0/16 パブリックサブネット 10.0.1.0/24 🌐 Webサーバー グローバルIPあり ⚖️ ロードバランサー インターネット向け 🔀 NATゲートウェイ 内部→外部の橋渡し プライベートサブネット 10.0.2.0/24 🗄️ データベース 外部から見えない ⚙️ アプリサーバー 内部通信のみ 🔐 認証サーバー セキュリティ重視 内部通信 🌍 インターネット 外部ネットワーク

セキュリティグループとの組み合わせ

サブネットだけでなく、セキュリティグループファイアウォールルール)と組み合わせて使うことで、より細かいアクセス制御ができます。「サブネットで部屋を分け、セキュリティグループでドアの鍵をかける」イメージです。


関連する規格・RFC

規格・RFC番号内容
RFC 791IPv4の基本仕様を定義
RFC 950インターネットサブネット化の標準手順を定義
RFC 1519CIDR(クラスレスドメイン間ルーティング)を定義
RFC 4632CIDRの改訂版・現在の標準

関連用語

  • IPアドレス — ネットワーク上の機器に割り当てられる「住所」
  • CIDR — サブネットを /24 のようなスラッシュ表記で表す方式
  • ルーター — サブネット間の通信を仲介するネットワーク機器
  • VPC — クラウド上に作る仮想的なプライベートネットワーク(サブネットの親)
  • ファイアウォール — サブネット間やインターネットとの境界で通信を制御するセキュリティ機能
  • セキュリティグループ — クラウドで使う仮想ファイアウォール。サブネット内の機器単位で制御
  • NATゲートウェイ — プライベートサブネットからインターネットへ出るための中継役
  • ルーティング — パケットをどのサブネット・経路へ送るかを決める仕組み