クラウドネットワーキング

クラウドファイアウォール くらうどふぁいあうぉーる

ファイアウォールクラウドセキュリティネットワーク保護パケットフィルタリングセキュリティグループFWaaS
クラウドファイアウォールについて教えて

簡単に言うとこんな感じ!

クラウド上のシステムを守る「デジタルの門番」だよ!物理的な機器じゃなくて、インターネット越しにソフトウェアで動く関所みたいなもの。「怪しい通信はブロック、許可された通信だけ通す」を24時間やってくれるんだ。


クラウドファイアウォールとは

クラウドファイアウォールとは、クラウド環境(AWS・Azure・Google Cloudなど)で動作する、ソフトウェアベースのネットワーク保護機能のことです。従来のオンプレミス(自社設置)環境では専用のハードウェア機器として設置していたファイアウォールを、クラウド上のサービスとして提供するものです。FWaaS(Firewall as a Service) とも呼ばれます。

具体的には「どのIPアドレスからの通信を許可するか」「どのポート番号への通信を遮断するか」といったルールをクラウド管理画面から設定し、不正アクセスや攻撃の通信を自動的にブロックします。クラウドサーバーを立ち上げたとき、そのサーバーの周りに目に見えない防壁を張り巡らせるイメージです。

オンプレ型ファイアウォールと異なり、機器の購入・設置・保守が不要で、利用した分だけ課金されるケースが多く、拠点追加やトラフィック増大にも柔軟に対応できるのが最大の特長です。システム発注・運用コスト削減を考えるビジネスパーソンには見逃せないポイントです。


クラウドファイアウォールの種類と仕組み

クラウドファイアウォールは「どこに置くか」「何を守るか」によっていくつかの種類に分かれます。

種類概要主な利用シーン
セキュリティグループクラウドのVM(仮想サーバー)1台1台に付けるファイアウォール。AWSやAzureの基本機能サーバー単位のアクセス制御
ネットワークACLVPC(仮想ネットワーク)のサブネット単位で制御するフィルターサブネット全体への防御
NGFWaaS(次世代FWaaS)URLフィルタリング・侵入防御・アプリ制御まで行う高機能版大規模企業・ゼロトラスト構成
Webアプリケーションファイアウォール(WAFHTTPSなどWeb通信を専門に守るファイアウォールECサイト・APIサーバー保護

「インバウンド」と「アウトバウンド」で覚えよう

ファイアウォールのルール設定では必ず2方向を意識します。

  • インバウンド(内向き):外部 → サーバーへの通信。不正アクセスをブロックする”玄関の鍵”
  • アウトバウンド(外向き):サーバー → 外部への通信。マルウェア感染時の情報流出を防ぐ”裏口の鍵”

語呂合わせ:「イン=入ってくる」「アウト=出ていく」 で覚えると迷わない!

パケットフィルタリングの仕組み

【通信パケットが届くとき】

外部インターネット


  ┌─────────────────────┐
  │  クラウドファイアウォール  │
  │                         │
  │  ルールチェック           │
  │  ① 送信元IPは許可済み?  │
  │  ② ポート番号は許可済み? │
  │  ③ プロトコルはOK?      │
  └─────────────────────┘
       │             │
    許可 ✅         拒否 ❌
       │             │
  クラウドサーバー   破棄(ドロップ)

歴史と背景

  • 1990年代前半:ファイアウォールはルーターに組み込まれた単純なパケットフィルタリング機能として誕生。企業ネットワークの境界を守る物理機器が主流に
  • 2000年代:CheckPoint・Ciscoなどの専用ハードウェアアプライアンスが普及。しかし機器コストが高く、中小企業には導入障壁が高かった
  • 2006年:AWSがEC2(仮想サーバー)サービスを開始。「セキュリティグループ」という形でクラウドファイアウォールの概念が広まる
  • 2010年代:Azure・GCPも独自のファイアウォール機能を整備。クラウド移行と同時にクラウドファイアウォールの利用が急拡大
  • 2015年以降次世代ファイアウォール(NGFW)のクラウド化が進み、Palo Alto NetworksやZscalerがFWaaSを提供開始
  • 2020年代:テレワーク普及・ゼロトラストセキュリティの考え方が広まり、「どこからでも安全に接続できるクラウドファイアウォール」がスタンダードに

オンプレミス型との比較・構成図

オンプレ型とクラウド型の違いを整理しておくと、発注判断がしやすくなります。

比較項目オンプレミス型クラウドファイアウォール
初期コスト高い(機器購入)低い(従量課金が多い)
保守・運用自社または業者が担当クラウドベンダーが担当
スケーラビリティ機器増設が必要即座に拡張可能
設置場所自社データセンタークラウド上(場所不要)
障害時の対応自社対応ベンダーのSLAに依存
テレワーク対応VPN併用が必要柔軟に対応可能

オンプレ型 vs クラウド型の構成比較図

ファイアウォール構成の比較 オンプレミス型 🌐 インターネット (外部からのアクセス) 🔥 物理ファイアウォール (専用ハードウェア機器) 🏢 社内サーバー (オンプレミス設備) ⚠ 機器購入・保守が必要 クラウドファイアウォール 🌐 インターネット (外部からのアクセス) ☁️ クラウドファイアウォール (ソフトウェア・サービス) 💻 クラウドサーバー (仮想サーバー・VM) ✅ 機器不要・即時スケール

関連する規格・RFC

規格・RFC番号内容
RFC 2979ファイアウォールの基本動作と透過性に関する定義
RFC 4949インターネットセキュリティ用語集(ファイアウォールの定義を含む)
NIST SP 800-41ファイアウォール技術と運用に関するガイドライン
ISO/IEC 27033ネットワークセキュリティに関する国際規格群

関連用語