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Elastic IP えらすてぃっく あいぴー

固定IPアドレスAWSパブリックIPEC2IPアドレス管理フェイルオーバー
Elastic IPについて教えて

簡単に言うとこんな感じ!

クラウド上のサーバーに「永久に使える固定の住所(IPアドレス)」を割り当てる仕組みだよ!ふつうはサーバーを再起動するたびにIPが変わっちゃうんだけど、Elastic IPを使えばずっと同じアドレスをキープできるんだ。引っ越ししても住所が変わらない「私書箱」みたいなイメージだね!


Elastic IPとは

Elastic IP(エラスティック IP)とは、AWS(Amazon Web Services)が提供する静的なパブリックIPアドレスのサービスです。通常、AWSのEC2インスタンス(仮想サーバー)を起動するたびに割り当てられるIPアドレスは変わってしまいますが、Elastic IPを取得してインスタンスに関連付けることで、同じIPアドレスを恒久的に使い続けることができます。

Elastic IPの最大の特徴は「弾力性(Elastic)」の名が示すとおり、IPアドレスをあるサーバーから別のサーバーへ素早く付け替えられる点にあります。障害が発生したサーバーから正常なサーバーへIPを即座に移動させることで、ユーザーからは同じアドレスに見える状態を維持できます。これはシステムの可用性(止まらないこと)を高める上で非常に重要な機能です。

実務的には、外部のパートナーやシステムと「このIPアドレスからのアクセスを許可する」というホワイトリスト設定をしている場合に特に重宝されます。IPが変わるたびにホワイトリストを更新する手間を省けるため、安定した外部連携を実現するインフラの要として広く活用されています。


Elastic IPの仕組みと特徴

Elastic IPは、以下のような仕組みで動作します。

項目内容
取得方法AWSコンソール・CLI・APIから申請。アカウントに割り当てられる
関連付け先EC2インスタンス または ネットワークインターフェース
付け替え関連付けを外して別のインスタンスへ即座に移動可能
リリース不要になったら解放(返却)できる
料金インスタンスに関連付けて使用中は無料。未使用・停止中は課金あり

🔑 「Elastic = 付け替え可能」の覚え方

Elasticはゴムの「伸び縮み」のイメージ。IPアドレスをゴムひものようにどのサーバーにでも引っ張ってくっつけられる、と覚えましょう!

【通常のパブリックIP】
  起動: EC2 → IP: 203.0.113.10
  再起動: EC2 → IP: 203.0.113.55  ← 変わる!

【Elastic IPあり】
  起動: EC2-A → Elastic IP: 54.0.0.1
  障害発生 → EC2-B → Elastic IP: 54.0.0.1  ← 変わらない!

📋 Elastic IPの用途分類

ユースケース具体例
固定アドレスの必要なシステム外部パートナーのFWホワイトリスト登録
フェイルオーバー障害時に待機系サーバーへIPを移動
DNS設定の安定化ドメインのAレコードが変わらない
メール送信サーバー送信元IPの評判(レピュテーション)維持

歴史と背景

  • 2006年 — AWSがEC2をリリース。当初のIPアドレスは起動ごとに変わる動的割り当てのみで、安定運用に課題があった
  • 2007年 — Elastic IPアドレスサービスが導入。「クラウドでも固定IPを使いたい」という強いニーズに応えた
  • 2010年代前半 — クラウド移行の加速とともにElastic IPの利用が急拡大。オンプレミス(自社サーバー)からの移行時に既存のIP管理ルールを維持するために不可欠な機能として定着
  • 2019年頃〜 — AWSが未使用Elastic IPへの課金を強化。使い捨て的な取得を抑制し、アドレス資源の枯渇(IPv4アドレスは世界的に枯渇傾向)に配慮した運用を促進
  • 現在 — 1アカウントあたりデフォルト5個までという制限があり、大規模利用には上限緩和申請が必要。IPv6の普及とともに役割が変化しつつあるが、IPv4固定IPとして引き続き重要

通常IPとElastic IPの比較・構造

通常のパブリックIP vs Elastic IP 通常のパブリックIP EC2インスタンス(起動1回目) IP: 203.0.113.10 ↓ 再起動 EC2インスタンス(起動2回目) IP: 203.0.113.55 ← 変わる! 外部システムのホワイトリスト設定が 毎回更新が必要になる Elastic IP Elastic IP: 54.0.0.1 EC2インスタンスA(通常時) → Elastic IPが関連付け ↓ 障害発生・付け替え EC2インスタンスB(待機系) → 同じElastic IPが移動! 外部から見るIPは変わらず ホワイトリスト更新も不要! ※ Elastic IPはAWSアカウントに紐づき、インスタンスへ付け替え自在

他クラウドとの対応関係

クラウド対応サービス名
AWSElastic IP(EIP)
Google Cloud静的外部IPアドレス(Static External IP)
Microsoft AzureパブリックIPアドレス(Static割り当て)
さくらクラウドグローバルIPアドレス

どのクラウドでも「固定のパブリックIPをサーバーに割り当てる」機能は存在しますが、AWS独自の呼び名が「Elastic IP」です。

⚠️ Elastic IPを使わなくていいケース

状況理由
ドメイン(URL)でアクセスする場合DNSで名前解決するので、IPが変わってもCNAMEやRoute 53のAliasで対応可
ロードバランサー(ELB)を使う場合ELBが固定エンドポイントを提供するため不要なことが多い
開発・テスト環境頻繁に起動・停止するため、未使用課金のリスクあり

関連する規格・RFC

規格・RFC番号内容
RFC 791IPv4プロトコルの基本仕様。Elastic IPで使われるIPv4アドレスの根拠
RFC 8190特殊用途IPアドレスの最新定義。Elastic IPの割り当て範囲の前提知識
AWS公式ドキュメントElastic IP アドレス — AWSが定める利用条件・制限・料金体系

関連用語