クラウドの基本概念

パブリッククラウド ぱぶりっくくらうど

クラウドコンピューティングIaaSSaaSプライベートクラウドマルチクラウド従量課金
パブリッククラウドについて教えて

簡単に言うとこんな感じ!

インターネット経由で「コンピューターのパワーやストレージを必要な分だけ借りられるサービス」のことだよ!電気みたいに「使った分だけ払う」仕組みで、自前でサーバーを買わなくていいから、小さい会社でも大企業と同じ最新技術をすぐ使えるんだ!


パブリッククラウドとは

パブリッククラウドとは、Amazon・Microsoft・Googleなどの大手事業者が、インターネット経由で不特定多数の企業・個人に対してコンピューティングリソース(サーバー・ストレージ・ネットワーク・ソフトウェアなど)を提供するサービスのことです。「パブリック(公共の)」という名前の通り、同じインフラを複数の利用者が共有しながら使う形態が基本です。

自社でサーバーを購入・設置・保守するオンプレミスと比べると、初期投資がほぼゼロで始められ、使った分だけ課金される従量課金が最大の特徴です。需要の増減に合わせてリソースを柔軟に拡張・縮小できるスケーラビリティも大きな魅力で、急なアクセス増加にも自動で対応できます。

代表的なサービスとして、AWS(Amazon Web Services)Microsoft AzureGoogle Cloud(GCP) の3大クラウドがあり、世界中のデータセンターに分散配置されたインフラを利用者が共有します。今や基幹システムからWebサービス・AIまで、幅広い用途で活用されています。


パブリッククラウドの仕組みと主なサービス形態

クラウドサービスは提供される「層(レイヤー)」によって大きく3種類に分類されます。どこまでをクラウド事業者が管理し、どこからを利用者が管理するかが異なります。

サービス形態正式名称利用者が管理するもの代表例
IaaSInfrastructure as a ServiceOS・ミドルウェア・アプリAWS EC2, Azure VM
PaaSPlatform as a ServiceアプリケーションのみAWS Elastic Beanstalk, Heroku
SaaSSoftware as a Serviceデータと設定のみMicrosoft 365, Salesforce

覚え方:「アイパサ(IaaS・PaaS・SaaS)」

イスを ッと ッと食べる」と覚えよう。下から上に行くほど利用者の管理範囲が減り、手軽になっていくイメージです。

パブリッククラウドの主要3大サービスとシェア(2024年時点)

クラウド提供企業市場シェア(概算)特徴
AWSAmazon約31%サービス数最多、先駆者
AzureMicrosoft約24%Microsoft製品との親和性が高い
GCPGoogle約12%データ分析・AI/MLが強い

歴史と背景

  • 2006年 — AmazonがAWS(S3・EC2)を一般公開。クラウドビジネスの本格的な幕開け
  • 2008年 — GoogleがGoogle App Engineを発表。PaaSの概念が普及し始める
  • 2010年 — MicrosoftがMicrosoft Azureを正式リリース。企業向けクラウドが加速
  • 2011年 — 米国立標準技術研究所(NIST)がクラウドコンピューティングの定義(NIST SP 800-145)を公開。業界の共通認識が整理される
  • 2013〜2015年 — 日本企業でもクラウド移行が本格化。「クラウドファースト」方針を掲げる企業が増加
  • 2020年 — コロナ禍でのリモートワーク急拡大により、クラウド需要が爆増。デジタルトランスフォーメーション(DX)推進の文脈でさらに加速
  • 2023年以降 — 生成AI・LLMのインフラとしてパブリッククラウドの役割がさらに拡大

パブリッククラウド vs プライベートクラウド vs オンプレミス

クラウドを検討するとき、「どの形態を選ぶか」が重要な判断ポイントになります。

インフラ形態の比較 パブリッククラウド クラウド事業者が管理 ✅ 初期コスト:ほぼゼロ ✅ 拡張性:非常に高い ✅ 導入速度:速い ⚠️ カスタマイズ:限定的 ⚠️ データ所在:海外も AWS / Azure / GCP プライベートクラウド 自社 or 専用環境で管理 ⚠️ 初期コスト:高い ✅ 拡張性:中程度 ⚠️ 導入速度:遅い ✅ カスタマイズ:自由 ✅ データ所在:自社内 VMware / OpenStack オンプレミス 自社で全て管理 ❌ 初期コスト:最高 ❌ 拡張性:低い ❌ 導入速度:最も遅い ✅ カスタマイズ:完全自由 ✅ データ所在:完全自社 自社データセンター

ハイブリッドクラウドマルチクラウドという選択肢もあります。ハイブリッドクラウドはパブリックとプライベートを組み合わせた構成で、機密データは自社環境・汎用処理はパブリッククラウドと使い分けます。マルチクラウドは複数のパブリッククラウド事業者を組み合わせて使う戦略で、ベンダーロックイン(特定事業者への依存)を避ける効果があります。


関連する規格・RFC

規格番号内容
NIST SP 800-145クラウドコンピューティングの定義(パブリック・プライベート・ハイブリッドの区分を規定)
ISO/IEC 17788クラウドコンピューティングの概要と語彙の国際標準
ISO/IEC 27017クラウドサービス向け情報セキュリティ管理策

関連用語