IaaS(Infrastructure as a Service) いあーす
簡単に言うとこんな感じ!
「サーバーやネットワークなどのハード部分だけをクラウドで借りるサービス」だよ!自分でOSやアプリを自由にインストールできる”土地だけ借りて家は自分で建てる”イメージなんだ。
IaaSとは
IaaS(Infrastructure as a Service) とは、サーバー・ストレージ・ネットワークといったITインフラ(基盤)をインターネット経由で提供するクラウドサービスのことです。従来は自社でサーバー機器を購入・設置する必要がありましたが、IaaSを使えばそのハードウェア部分をクラウド事業者が用意し、利用者は必要なぶんだけ借りて使うことができます。
利用者はその上にOS(Windows・Linuxなど)やミドルウェア、アプリケーションを自由にインストールできるため、高い柔軟性が確保されます。一方で、OSのセキュリティパッチ適用やソフトウェアの管理は利用者側の責任です。「土地(インフラ)は借りるが、建物(ソフトウェア)は自分で建てる」サービスモデルと考えるとわかりやすいでしょう。
代表的なサービスとしては、Amazon Web Services(AWS)の EC2、Microsoft Azure の Virtual Machines、Google Cloud の Compute Engine などがあり、世界中の企業が基幹システムの移行先として活用しています。
IaaSの責任分担モデル
クラウドサービスでは「責任共有モデル」という考え方が重要です。IaaSの場合、クラウド事業者と利用者でそれぞれ管理する範囲が決まっています。
| 管理対象 | IaaSでの担当 |
|---|---|
| 物理サーバー・データセンター | ☁️ クラウド事業者 |
| ネットワーク機器・ハイパーバイザー | ☁️ クラウド事業者 |
| OS(Windows / Linux 等) | 👤 利用者 |
| ミドルウェア(DBなど) | 👤 利用者 |
| アプリケーション | 👤 利用者 |
| データ | 👤 利用者 |
覚え方:「ハードはクラウド、ソフトは自分」
IaaSの責任分担は「ハードはクラウド、ソフトは自分」と覚えましょう。物理的なモノ(ハードウェア)はすべてクラウド任せ、その上に乗るソフトウェアは自分たちで管理する、と押さえておけばOKです。
IaaS・PaaS・SaaSの違い
クラウドサービスには3つの主要モデルがあります。IaaSは最も自由度が高い反面、管理作業も多いモデルです。
| モデル | 自由度 | 管理の手間 | 向いているケース |
|---|---|---|---|
| IaaS | 高い | 多い | 既存システムをそのまま移行したい |
| PaaS | 中程度 | 中程度 | アプリ開発に集中したい |
| SaaS | 低い | ほぼなし | すぐ使えるアプリが欲しい |
歴史と背景
- 2000年代前半:サーバーはすべて自社購入・設置(オンプレミス)が当たり前。初期コストが高く、調達に数ヶ月かかることも
- 2006年:Amazon Web Servicesが Amazon EC2(仮想サーバーサービス)を公開。IaaSという概念が急速に広まるきっかけとなる
- 2008〜2010年:Google App Engine(PaaS)、Microsoft Azure(IaaS/PaaS)が相次いで登場。クラウド競争が本格化
- 2011年:米国立標準技術研究所(NIST)がクラウドの定義を整理し、IaaS・PaaS・SaaSの3分類を公式に定義(NIST SP 800-145)
- 2010年代後半:日本企業でもクラウドファーストの方針が広がり、IaaSへの移行が加速
- 現在:AI・機械学習の基盤としてGPUを提供するIaaSも普及。IaaSはデジタルインフラの”社会インフラ”化が進む
クラウド3モデルの比較と構造
IaaS・PaaS・SaaSは「どこまでクラウドにまかせるか」の違いです。下の図で自分たちが管理する範囲(グレー部分)とクラウドが担う範囲を確認してください。
主要なIaaSサービスの比較
| サービス名 | 提供会社 | 特徴 |
|---|---|---|
| Amazon EC2 | AWS | 世界最大シェア。豊富なインスタンスタイプ |
| Azure Virtual Machines | Microsoft | Windowsとの親和性が高く企業導入に強い |
| Compute Engine | Google Cloud | 高性能ネットワークとAI基盤との連携が得意 |
| さくらのクラウド | さくらインターネット | 国内データセンター・日本語サポートが充実 |
関連する規格・RFC
| 規格・番号 | 内容 |
|---|---|
| NIST SP 800-145 | クラウドコンピューティングの定義。IaaS・PaaS・SaaSの3分類を公式に規定 |
関連用語
- PaaS — OS管理もクラウドに任せ、アプリ開発に集中できるクラウドサービス形態
- SaaS — アプリケーションまるごとクラウドで提供するサービス(メール・グループウェアなど)
- オンプレミス — 自社でサーバーを購入・設置・運用する従来型のIT基盤
- 仮想マシン(VM) — 物理サーバー上にソフトウェアで作られた仮想的なコンピューター
- クラウドコンピューティング — インターネット経由でITリソースを提供・利用する仕組み全般
- スケーラビリティ — 需要に応じてシステムの規模を柔軟に拡張・縮小できる性質
- 責任共有モデル — クラウドでの管理責任を事業者と利用者で分担する考え方
- ハイパーバイザー — 物理サーバー上で複数の仮想マシンを動かすための制御ソフトウェア