クラウドの基本概念

クラウドコンピューティング くらうどこんぴゅーてぃんぐ

IaaSPaaSSaaSオンプレミス仮想化スケーラビリティ
クラウドコンピューティングについて教えて

簡単に言うとこんな感じ!

自分でサーバーを買って管理しなくても、インターネット越しに「コンピューターの力」を借りられる仕組みだよ!電気みたいに「使った分だけ払う」イメージで、必要なときに必要なだけ使えるのが最大の魅力なんだ!


クラウドコンピューティングとは

クラウドコンピューティングとは、サーバー・ストレージ・ネットワーク・ソフトウェアなどのコンピューターリソースを、インターネット経由でサービスとして提供・利用する仕組みのことです。自社でハードウェアを購入・設置・管理する「オンプレミス(自前運用)」とは対照的に、必要なリソースをクラウド事業者から借りて使います。

「クラウド(cloud)」という名称は、ネットワーク図でインターネットを雲の形で表してきた慣習に由来します。つまり「雲の向こう側にあるコンピューター」をインターネット越しに使うイメージです。使った分だけ課金される従量課金モデルが基本で、初期投資を抑えながら大規模なシステムを素早く構築できることが最大の特徴です。

ビジネスの現場では、メールシステム・会計ソフト・ビデオ会議ツールなど、すでに日常的に使っているサービスの多くがクラウドコンピューティングで動いています。「クラウドを導入する」と聞くと大がかりな印象がありますが、GmailやZoomを使った時点で、すでにクラウドのユーザーなんです。


クラウドの3つのサービスモデル

クラウドは「どこまで事業者が面倒を見てくれるか」によって3種類に分類されます。ピザ屋の例えで覚えるとわかりやすいです。

モデル正式名称提供されるもの代表例ピザ例え
IaaSInfrastructure as a Serviceサーバー・ネットワーク・ストレージAWS EC2, Azure VM食材だけ届く。調理は自分
PaaSPlatform as a ServiceOS・ミドルウェア・開発環境Google App Engine, Heroku調理済み半製品。味付けは自分
SaaSSoftware as a Serviceアプリケーション丸ごとGmail, Salesforce, Zoom宅配ピザ。届いたら食べるだけ

覚え方:「I(アイ)・P(ピー)・S(エス)= 上に行くほどラクになる」

IaaS → PaaS → SaaS の順に「自分が管理する範囲」が減っていきます。
IaaS(下)は自由度◎・管理コスト大、SaaS(上)は自由度△・管理コスト小と覚えておきましょう。

クラウドの4つの提供形態

形態内容向いている場面
パブリッククラウドAWS・Azureなど不特定多数が利用コスト重視・スタートアップ
プライベートクラウド自社専用のクラウド環境セキュリティ重視・金融・官公庁
ハイブリッドクラウドパブリック+プライベートを組み合わせ機密データは自社管理、他はパブリック
マルチクラウド複数のクラウド事業者を併用特定事業者への依存リスク回避

歴史と背景

  • 1960年代:MIT のジョン・マッカーシー氏が「コンピューターはいずれ公共インフラになる」と予言。クラウドの概念の原型
  • 1999年:Salesforce が SaaS 型 CRM をリリース。「ソフトはネット越しに使う時代」の先駆けに
  • 2006年:Amazon が AWS(Amazon Web Services) を開始。IaaS の商用サービスとして本格的な普及の号砲
  • 2008年:Google が Google App Engine(PaaS)を公開。Microsoft も Azure を発表
  • 2010年代前半:スマートフォン普及と連動し、企業・個人ともにクラウド利用が急拡大
  • 2020年〜:新型コロナによるリモートワーク需要急増で、クラウド移行が一気に加速。オンプレミス維持のコスト・リスクが再認識される

オンプレミスとクラウドの比較

システムを導入するとき「自前で持つ(オンプレミス)か、借りる(クラウド)か」は最初の大きな選択肢です。

オンプレミス vs クラウド 🖥 オンプレミス 初期コスト:大(サーバー購入) スケール変更:難しい・時間かかる セキュリティ管理:自社で完結 カスタマイズ:自由度◎ 障害対応:自社エンジニア必須 ☁️ クラウド 初期コスト:小(従量課金) スケール変更:即座に対応可 セキュリティ管理:事業者と分担 カスタマイズ:制約あり 障害対応:事業者が主体で対応 vs

発注担当者が押さえるポイント:

  • 変化が激しい業務・新規サービス → クラウドが向いている(素早く始めて、すぐ止められる)
  • 長期間・安定稼働・機密性の高いシステム → オンプレミスまたはプライベートクラウドを検討
  • コスト比較は「5年間の総所有コスト(TCO)」で判断。クラウドは月額が続くため、長期では逆転するケースも

関連する規格・RFC

規格・文書内容
NIST SP 800-145クラウドコンピューティングの定義を標準化した米国政府文書。5つの特性・3つのモデル・4つの形態を規定
ISO/IEC 17788クラウドコンピューティングの用語と概念を定義した国際標準規格
ISO/IEC 27017クラウドサービスに特化した情報セキュリティ管理策の国際規格
ISO/IEC 27018クラウド上の個人情報保護に関する国際規格

関連用語

  • IaaS — インフラをサービスとして提供するクラウドモデル。自由度が高い分、管理は自前
  • PaaS — アプリ開発基盤をサービスとして提供。インフラ管理を省いて開発に集中できる
  • SaaS — ソフトウェアをそのまま使えるサービス。Gmail や Zoom が代表例
  • オンプレミス — サーバーを自社で購入・設置・管理する従来型の運用形態
  • 仮想化 — クラウドを支える基盤技術。1台の物理サーバーを複数の仮想サーバーに分割する
  • スケーラビリティ — 負荷に応じてシステムの規模を柔軟に拡張・縮小できる性質