データセンター・ティア でーたせんたーてぃあ
簡単に言うとこんな感じ!
データセンターの「信頼性ランク」のこと。Tier1〜Tier4の4段階があって、数字が大きいほど電源や冷却の冗長化が厚く、止まりにくい。システムに合ったティアを選ぶことがコスト管理の基本だよ。
データセンター・ティアとは
データセンター・ティアとは、Uptime Institute(米国の独立認定機関)が定めたデータセンターの信頼性・可用性の格付け基準です。Tier I〜Tier IVの4段階で評価され、電源・冷却・ネットワークの冗長性や年間ダウンタイムの上限が規定されています。
システムを発注する際、「このデータセンターは何ティアですか?」という確認は、運用要件の重要な確認事項です。ティアが高いほど設備コストは上がりますが、障害に強くなります。すべてのシステムにTier IVが必要なわけではなく、ビジネス要件に見合ったティアを選択することがコスト最適化の鍵になります。
クラウドサービスプロバイダー(AWS・Azure・Google Cloud)の主要データセンターは一般的にTier III相当以上の設備を持つとされていますが、詳細は非公開なことが多く、SLA(サービスレベル合意)として稼働率の保証を確認するのが実務的なアプローチです。
ティア別の特徴比較
| ティア | 年間停止時間上限 | 稼働率 | 冗長性レベル | 主な特徴 |
|---|---|---|---|---|
| Tier I | 28.8時間 | 99.671% | 冗長化なし | 単一経路、計画停止あり |
| Tier II | 22時間 | 99.741% | 部分冗長 | UPS・発電機を追加 |
| Tier III | 1.6時間 | 99.982% | N+1冗長 | メンテナンス中も稼働継続可能 |
| Tier IV | 0.4時間 | 99.995% | 2N冗長 | 任意の障害1件に耐えられる |
各ティアの電源構成イメージ
| ティア | 商用電源 | UPS | 自家発電機 |
|---|---|---|---|
| Tier I | 1系統 | なし | なし |
| Tier II | 1系統 | あり | あり |
| Tier III | 複数系統 | N+1構成 | N+1構成 |
| Tier IV | 複数系統 | 2N構成(完全二重化) | 2N構成 |
歴史と背景
Uptime Instituteは1993年に設立され、2005年にデータセンターの格付け基準「Tier Standard」を正式発表しました。それ以前はデータセンターの品質を客観的に比較する統一基準がなく、ベンダーの自称に頼るしかありませんでした。
日本では2010年代に入りクラウドシフトが加速し、オンプレミスのサーバールームをTier IIIのコロケーション施設に移行する企業が増えました。近年はサステナビリティ(電力効率・PUE)の観点も加わり、単純なティア評価だけでなく環境負荷も選定基準に含まれるようになっています。
ティアとクラウドSLAの対応
クラウドSLAとティアは直接対応しませんが、AWSのEC2は99.99%、Azure VMは99.99%のSLAを提供しており、Tier III相当以上の設備に裏付けられています。
関連する規格・RFC
| 規格 | 内容 |
|---|---|
| Uptime Institute Tier Standard | データセンター格付けの国際標準 |
| TIA-942 | EIA/TIAによるデータセンター設備標準(Aからの4段階評価) |
| ISO/IEC 22237 | データセンターの国際標準(ティア相当概念を含む) |
関連用語
- コロケーション — Tier認定DCを借りるサービス形態
- 高可用性(HA) — システム設計での可用性の考え方
- SLA・SLO・SLI — サービス稼働率の合意・測定指標
- 稼働率(99.9%・99.99%・99.999%) — ナインズで表す可用性の水準
- 冗長化 — 障害対策のための二重化設計