VLSM ぶいえるえすえむ
VLSM可変長サブネットマスクサブネット設計CIDRアドレス効率化
VLSMについて教えて
簡単に言うとこんな感じ!
ネットワークを必要な大きさに合わせて細かく分割する技術だよ。100部屋の部屋をそのまま借りるのではなく、必要なところは2部屋、必要なところは50部屋と可変長で使い分けるイメージ。IPv4アドレスの無駄を減らせるんだ!
VLSMとは
VLSM(Variable Length Subnet Mask:可変長サブネットマスク)は、同じIPアドレスブロックを異なる長さのサブネットマスクで分割する技術です。従来の「全部同じサブネットマスク」という制約を取り払い、各サブネットの必要規模に合わせた効率的なアドレス割り当てが可能です。
例えば192.168.1.0/24というアドレスブロックを持っているとき、本社ネットワーク(100台必要)には/25を、支社ネットワーク(30台必要)には/27を、P2Pリンク(2台だけ必要)には/30を割り当てるといった設計ができます。
VLSMを使いこなすには、アドレスが重ならないように慎重に設計する必要があります。現代のルーターはすべてVLSM(クラスレスルーティング)に対応しており、ルーティングテーブルにはプレフィックス長(マスク長)が記録されます。
VLSMの設計例
192.168.1.0/24を以下のように分割する場合:
| サブネット | 用途 | 割り当て | ホスト数 |
|---|---|---|---|
| 192.168.1.0/25 | 本社LAN | .0〜.127 | 最大126台 |
| 192.168.1.128/26 | 支社LAN | .128〜.191 | 最大62台 |
| 192.168.1.192/27 | テストLAN | .192〜.223 | 最大30台 |
| 192.168.1.224/28 | 管理LAN | .224〜.239 | 最大14台 |
| 192.168.1.240/30 | WAN P2Pリンク① | .240〜.243 | 2台 |
| 192.168.1.244/30 | WAN P2Pリンク② | .244〜.247 | 2台 |
歴史と背景
- 1987年:RFC 1009でサブネット拡張の基礎が議論
- 1992年:VLSMの概念が実用化。クラスフルからクラスレスへの移行が始まる
- 1993年:CIDR(RFC 4632)と組み合わせてVLSMが普及
- 現在:OSPF・BGP・EIGRPなどすべての現代ルーティングプロトコルがVLSMをサポート
VLSMが使える・使えないルーティングプロトコル
| プロトコル | VLSM対応 |
|---|---|
| RIPv1 | 非対応(クラスフルのみ) |
| RIPv2 | 対応 |
| OSPF | 対応 |
| EIGRP | 対応 |
| BGP | 対応 |
| IS-IS | 対応 |
現在ほぼ使われなくなったRIPv1以外はすべてVLSMに対応しています。
関連する規格・RFC
| 規格・RFC番号 | 内容 |
|---|---|
| RFC 4632 | CIDR(VLSMの基盤) |
| RFC 1338 | 可変長サブネット化の提案(VLSMの前身) |
関連用語
- サブネットマスク・CIDR — VLSMの基礎となる概念
- スーパーネッティング — VLSMの逆:複数ネットワークを1つにまとめる
- ルーティングテーブル — VLSMが反映されたルート情報を保持
- IPAM — VLSMを使ったアドレス管理を行うシステム