ストレージ

ストレージゲートウェイ すとれーじげーとうぇい

クラウドストレージハイブリッドクラウドオンプレミスAWS Storage Gatewayデータ移行キャッシュ
ストレージゲートウェイについて教えて

簡単に言うとこんな感じ!

社内のファイルサーバーとクラウドの倉庫をつなぐ「翻訳係&中継所」だよ!社内のシステムからは「いつものファイルサーバー」に見えるけど、裏ではデータをクラウドにどんどん送ってくれてるんだ。古いシステムをそのまま使いながら、クラウドの恩恵も受けられるってこと!


ストレージゲートウェイとは

ストレージゲートウェイとは、社内(オンプレミス)のITシステムとクラウドのストレージサービスを橋渡しする装置・ソフトウェアのことです。社内のサーバーやアプリケーションからは「普通のファイルサーバーやディスク」として見えるため、既存のシステムを一切変更せずにクラウドを活用できるのが最大の特長です。

具体的なイメージとしては、「会社の倉庫(社内ストレージ)」と「外部の大型倉庫(クラウド)」の間に立つ物流センターのようなものです。頻繁に使うものは手元(キャッシュ)に置いておき、あまり使わないものはどんどん外部倉庫に移して、スペースと費用を節約してくれます。

クラウド移行を進めたいが、既存システムへの影響を最小限にしたいという企業にとって、ストレージゲートウェイはハイブリッドクラウド構成を実現するための重要な入り口となっています。


ストレージゲートウェイの種類と仕組み

ストレージゲートウェイには、接続方法や用途に応じて主に3つのタイプがあります。代表的なサービスである AWS Storage Gateway の分類を例に見てみましょう。

タイプ社内から見える形主な用途
ファイルゲートウェイNASファイルサーバー(SMB/NFS)ファイル共有・バックアップ
ボリュームゲートウェイiSCSIディスク(ブロックストレージデータベース仮想マシンのディスク
テープゲートウェイ仮想テープライブラリ(VTL)既存テープバックアップの置き換え

仕組みをざっくり理解する「郵便局モデル」

【社内システム】          【ストレージゲートウェイ】        【クラウド】
  アプリ・PC             ┌──────────────────┐
      │                  │  キャッシュ(手元在庫)  │
      │ 普通のファイル   │  よく使うデータを保持    │────→ S3 / Azure Blob
      └─────────────────→│                          │      Google Cloud等
                          │  使われてないデータは    │
                          │  自動的にクラウドへ転送  │
                          └──────────────────┘

アプリ側は「普通のファイルサーバーに書き込む」感覚で操作するだけ。あとはゲートウェイが自動でクラウドと同期してくれます。

キャッシュの働き

ストレージゲートウェイが特に便利なのは、キャッシュ機能のおかげで速度が落ちにくい点です。

  • よく使うデータ → ゲートウェイのローカルキャッシュに保持。クラウドに取りに行かず高速に応答
  • しばらく使ってないデータ → クラウドに移動してローカルの容量を節約
  • 新しく書いたデータ → まずキャッシュに書いてから、バックグラウンドでクラウドに転送

歴史と背景

  • 2000年代前半 — 企業のデータ量が急増。テープや磁気ディスクへのバックアップコストが問題になり始める
  • 2006年 — Amazon S3が登場。クラウドにデータを置くという概念が生まれるが、既存システムとの接続方法がなかった
  • 2012年AWS Storage Gatewayリリース。既存システムの改修ゼロでクラウドストレージを使えるとして注目される
  • 2013〜2015年 — MicrosoftのAzure StorSimple、Googleのストレージ連携サービスも登場し、市場が拡大
  • 2018年以降 — ハイブリッドクラウドが企業の主流戦略になるにつれ、ストレージゲートウェイは「クラウド移行の第一歩」として標準的な選択肢に
  • 現在 — オンプレミスとクラウドを組み合わせる企業の多くが導入。バックアップ・DR(災害復旧)・データアーカイブの用途が中心

オンプレミスストレージとの比較・構成図

ストレージゲートウェイを使う前後で、社内のストレージ構成がどう変わるかを見てみましょう。

ストレージゲートウェイ 導入前後の比較 導入前(従来型) 社内アプリ / PC ファイルを読み書き 社内ファイルサーバー NAS / SAN 物理ディスク 容量上限あり・高コスト テープ / 外部ディスク 手作業バックアップ 導入後(ハイブリッド型) 社内アプリ / PC 変更不要・そのまま使える ストレージゲートウェイ キャッシュ + 自動転送 ローカル キャッシュ クラウド S3 / Blob 自動バックアップ・無制限容量 コスト削減・手作業ゼロ

主要サービスの比較

サービス名提供元特徴
AWS Storage GatewayAmazonFile / Volume / Tape の3タイプ。最も普及
Azure StorSimpleMicrosoftAzure Blobと連携。Azureユーザーに最適
NetApp Cloud Volumes ONTAPNetAppエンタープライズ向け高機能。マルチクラウド対応
NasuniNasuniファイルゲートウェイ専門。拠点間のファイル共有に強い

関連する規格・RFC

規格・プロトコル内容
SMB(Server Message Block)WindowsのファイルサーバープロトコルFIle。ゲートウェイがこれをエミュレート
NFS(Network File System)LinuxのファイルプロトコルFile。ゲートウェイがこれをエミュレート
iSCSIブロックストレージをIPネットワーク上で使うためのプロトコル。ボリュームゲートウェイで使用
VTL(Virtual Tape Library)物理テープをソフトウェアで仮想化する規格。テープゲートウェイで使用
TLS 1.2/1.3ゲートウェイとクラウド間の通信暗号化に使用

関連用語