EBS(Elastic Block Store) いーびーえす(えらすてぃっく ぶろっく すとあ)
簡単に言うとこんな感じ!
EBSは、AWSのクラウドサーバー(EC2)に取り付ける「外付けハードディスク」みたいなものだよ!パソコンにUSBストレージを差し込む感覚で、サーバーにくっつけてデータを保存しておける領域なんだ。サーバーを止めてもデータは消えないし、サイズも後から変えられる便利なストレージってこと!
EBS(Elastic Block Store)とは
EBS(Elastic Block Store) は、Amazon Web Services(AWS)が提供するブロックストレージサービスです。主にAWSのクラウドサーバーであるEC2(Elastic Compute Cloud) インスタンスにアタッチ(接続)して使用します。物理的なサーバーに内蔵HDDやSSDを搭載するのと同じ感覚で、クラウド上のサーバーに「仮想的なディスク」として割り当てられます。
EBSの大きな特徴は、EC2インスタンスとは独立して存在する点です。サーバーを停止・削除してもEBSボリューム(ストレージの単位)のデータは保持され、別のサーバーに付け替えることもできます。また「Elastic(弾力的)」の名のとおり、容量をあとから変更したり、ボリュームの種類を変更したりといった柔軟な運用が可能です。
システム開発・運用の発注者として知っておきたいのは、EBSはAWSを使ったシステムのデータ永続性(データが消えない仕組み) を担う重要な基盤部品だということです。どのタイプのEBSを選ぶかがシステムのコストとパフォーマンスに直結するため、設計段階での選定が重要になります。
EBSボリュームの種類と特徴
EBSにはいくつかのタイプがあり、用途・コスト・性能によって使い分けます。
| タイプ | 名称 | 特徴 | 主な用途 |
|---|---|---|---|
| gp3 | 汎用SSD(第3世代) | バランス型・最もコスパ良好 | 一般的なWebサーバー・DBなど |
| gp2 | 汎用SSD(第2世代) | gp3の旧世代・現在はgp3推奨 | 旧システムの移行など |
| io2 / io1 | プロビジョンドIOPS SSD | 高速・高性能・高コスト | 高負荷データベースなど |
| st1 | スループット最適化HDD | 大容量・順次読み書きに強い | ログ処理・ビッグデータ |
| sc1 | コールドHDD | 最安値・低頻度アクセス向け | バックアップ・アーカイブ |
覚え方:「gp3がまず最初の選択肢」
迷ったら gp3(General Purpose SSD) を選ぶのが定石です。「g=General(一般)、p=Purpose(目的)」と覚えておきましょう。高性能が必要なDBなら io2、安くログを保存したいなら st1 や sc1 と段階的に考えると整理しやすいです。
EBSの主要スペック数値
| 項目 | gp3の値 | 備考 |
|---|---|---|
| 最大容量 | 16TiB | 1ボリュームあたり |
| 標準IOPS | 3,000 IOPS | 追加費用なし |
| 最大IOPS | 16,000 IOPS | 追加設定で拡張可能 |
| スループット | 最大1,000 MiB/s | gp2より大幅改善 |
| 可用性 | 99.8〜99.9% | AZ内での耐久性 |
歴史と背景
- 2008年 — AWSがEC2の正式サービス開始とともにEBSを提供開始。クラウド時代のブロックストレージの先駆けとなった
- 2012年頃 — gp2(汎用SSD)タイプを追加。HDDからSSDへの移行が本格化
- 2014年 — スナップショット(バックアップ)機能の強化。S3への自動バックアップ連携が容易に
- 2016年 — EBSの暗号化(保存データの暗号化)がデフォルトで選択可能に。セキュリティ要件への対応が強化される
- 2020年 — gp3リリース。gp2と同等性能をより低コストで提供できるようになり、実質的に標準ボリュームとして置き換えが進む
- 2021年 — io2 Block Express リリース。超高性能・超大容量(64TiB)に対応し、オンプレミスのSANストレージ代替として注目される
EBS・S3・インスタンスストアの比較
AWSのストレージには複数の種類があり、EBSとの違いを理解することが選定のポイントです。
スナップショットによるバックアップ
EBSの重要な機能としてスナップショットがあります。任意のタイミングでボリュームの状態をコピーし、S3(Simple Storage Service) に保存できます。スナップショットは増分バックアップ(差分のみ保存)のため効率的です。
[EBSボリューム] ──スナップショット──▶ [S3に保存]
│
┌─────────────────┘
▼
[別AZや別リージョンへのコピーも可能]
│
▼
[新しいEBSボリュームとして復元]
EBSとEC2の関係(アタッチ・デタッチ)
EBSはEC2インスタンスへのアタッチ(接続) とデタッチ(取り外し) ができます。同一AZ(アベイラビリティゾーン)内でのみ付け替えが可能です。
┌───────────────┐ ┌───────────────┐
│ EC2インスタンス │◀─attach─│ EBSボリューム │
│ (サーバー) │ │ (仮想ディスク)│
└───────────────┘ └───────────────┘
│ │
│ ※同一AZ内のみ付け替え可 │
▼ ▼
┌───────────────┐ ┌───────────────┐
│ EC2インスタンス │◀─attach─│ 同じEBSを別の │
│ (別サーバー) │ │ インスタンスへ │
└───────────────┘ └───────────────┘
関連する規格・RFC
EBS固有のIETF RFC・ISO規格はありませんが、EBSが依拠する技術の関連規格として以下があります。
| 規格・RFC番号 | 内容 |
|---|---|
| RFC 3720 | iSCSI(Internet Small Computer Systems Interface)— EBSの基盤となるブロックストレージプロトコル |
| RFC 5996 | IKEv2 — EBS暗号化に使われるキー交換プロトコル |
関連用語
- EC2(Elastic Compute Cloud) — EBSを接続して使うAWSの仮想サーバーサービス
- S3(Simple Storage Service) — EBSのスナップショット保存先にもなるAWSのオブジェクトストレージ
- スナップショット — EBSのある時点の状態をバックアップとして保存する機能
- AZ(アベイラビリティゾーン) — EBSが存在する物理データセンターの単位。同一AZ内でのみEC2にアタッチ可能
- ブロックストレージ — EBSが採用する固定サイズのブロック単位でデータを扱うストレージ方式
- IAM(Identity and Access Management) — EBSへのアクセス権限管理に使うAWSの認証・認可サービス
- KMS(Key Management Service) — EBSの暗号化で使う鍵を管理するAWSサービス
- クラウドストレージ — EBSが属するクラウド上のストレージサービス全般の総称