契約・調達

クラウドサービス調達 くらうどさーびすちょうたつ

クラウド調達SaaSクラウド移行ベンダー選定クラウドコストマルチクラウド
クラウドサービス調達について教えて

簡単に言うとこんな感じ!

クラウドサービス調達は「ネット経由で使えるソフトやシステムを契約する購入プロセス」のことだよ。電気や水道みたいに「使った分だけ払う」仕組みが多いのが特徴。従来のソフトウェア購入と違って、試しやすい・変更しやすい反面、「気づいたらコストが膨らんでいた」「複数契約がバラバラで把握できていない」という落とし穴もあるんだ!


クラウドサービス調達とは

クラウドサービス調達とは、インターネット経由で提供されるITサービス(SaaS・PaaS・IaaS)を評価・選定・契約・導入・管理する一連のプロセスのことです。従来のオンプレミス(自社サーバー)へのソフトウェア購入と異なり、初期費用が低く・素早く使い始められる一方で、セキュリティ・データ主権・ベンダーロックイン・継続コストなどの観点から慎重な調達判断が必要です。

クラウドサービス調達の特徴的な課題として「シャドーIT」があります。クレジットカードさえあれば誰でも簡単に契約できるクラウドサービスは、IT部門の管理外で現場が独自に導入してしまうケースが増えています。これはセキュリティリスク・データ漏洩リスク・コスト管理不能の原因になるため、調達ポリシー(承認ルール)を整備する必要があります。

発注者(ユーザー企業)がクラウドサービスを調達する際は、「費用対効果だけでなく、データの所在・可搬性・セキュリティ認証・SLA・解約時のデータ返還条件」まで確認することが重要です。特に重要業務に使うサービスでは、ベンダーが突然サービスを終了したり、価格を大幅に変更したりするリスクも考慮する必要があります。


クラウドサービス調達のチェックポイント

確認項目チェック内容重要度
セキュリティ認証ISO 27001・SOC2・FISCなどの第三者認証★★★
データの所在データセンターの国・地域(国内法の適用範囲)★★★
SLA(稼働率99.9%・99.99%など月間稼働保証の確認★★★
データ移行解約時にデータを自社形式で取り出せるか★★★
価格体系利用量・ユーザー数による変動コストの上限試算★★☆
サポート体制日本語サポートの有無・応答時間のSLA★★☆
カスタマイズ性自社業務に合わせた設定・連携の可否★★☆
ベンダーの信頼性財務安定性・サービス継続意思★★☆

クラウド調達の主な契約形態

契約形態特徴向いている場面
ペイ・アズ・ユー・ゴー使った分だけ支払う従量課金利用量が不定・試験的導入
リザーブドインスタンス1〜3年で事前確約することで大幅割引安定稼働が確定しているワークロード
フラット月額(SaaS)ユーザー数・機能で月額固定一般的なSaaS
エンタープライズ契約大量利用で年間一括契約・価格交渉全社展開・大規模利用

歴史と背景

  • 2006年:AWS(Amazon Web Services)がEC2・S3を公開。「クラウドコンピューティング」の商業化が本格スタート
  • 2008〜2010年:Google Apps(現Google Workspace)・Salesforceの普及で企業向けSaaSが一般化
  • 2011年:NIST(米国立標準技術研究所)がクラウドコンピューティングの定義(SP 800-145)を公開。3つのサービスモデルと5つの特性が標準化される
  • 2015年:日本政府が「クラウド・バイ・デフォルト」原則を採用。官公庁でのクラウド活用が推進される
  • 2018年GDPRの施行でデータの所在・移転規制が厳格化。クラウド選定に「データ主権」の観点が加わる
  • 2020年代マルチクラウド・ハイブリッドクラウドが主流化。FinOps(クラウド財務最適化)が新たな専門領域として登場

クラウドサービス選定の判断フレームワーク

クラウドサービス選定の主要判断軸 機能・コスト適合性 ・必要機能をカバーしているか ・5年間のTCOは許容範囲か ・スケールアップ時のコスト試算 ・無料トライアルで検証できるか セキュリティ・コンプライアンス ・業界認証(ISO27001等)の取得 ・データ所在地(国内か海外か) ・個人情報保護法・GDPRへの対応 ・監査ログの取得・保全機能 継続性・移行可能性 ・ベンダーの財務安定性 ・サービス終了時のデータ取得方法 ・標準API・オープンフォーマット対応 ・他サービスへの乗り換え実績 運用・サポート体制 ・日本語サポートの有無 ・SLA(稼働率保証)の内容 ・障害時の補償・クレジット ・既存システムとの連携方法

関連する規格・RFC

規格・標準内容
NIST SP 800-145クラウドコンピューティングの定義(3モデル・5特性・4展開形態)を規定
ISO/IEC 27017クラウドサービスにおける情報セキュリティ管理の国際標準
ISO/IEC 27018クラウドにおける個人識別情報(PII)保護の国際標準
FISC安全対策基準金融機関がクラウド利用時に参照する安全基準

関連用語