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リザーブドインスタンス りざーぶどいんすたんす

AWSEC2コスト最適化オンデマンドインスタンスクラウド料金キャパシティ予約
リザーブドインスタンスについて教えて

簡単に言うとこんな感じ!

「1年か3年、このサーバー使い続けます!」って前払い予約することで、通常料金より最大72%も安くなるクラウドの割引プランだよ。ホテルの長期滞在割引みたいなイメージで、使い続けることが分かってるなら断然お得なんだ!


リザーブドインスタンスとは

リザーブドインスタンス(Reserved Instance / RI)とは、AWSをはじめとするクラウドサービスにおいて、仮想サーバー(インスタンス)を1年または3年単位で「使い続けることを約束」する代わりに、通常の従量課金(オンデマンド)よりも大幅に割引された価格で利用できる料金モデルのことです。

通常のクラウド利用(オンデマンドインスタンス)は、使った分だけ払う「タクシー方式」です。一方リザーブドインスタンスは、「この路線を毎日使うので定期券を買います」という方式に近く、長期利用を前提にした契約によって単価を下げる仕組みです。Webサービスの本番環境や基幹システムなど、常時稼働が必要なワークロードに向いています。

ITシステムを発注・運用する立場では、「クラウドの請求が思ったより高い」という課題に直面したとき、リザーブドインスタンスへの切り替えがコスト削減の第一手として挙がることが多く、クラウドコスト最適化(FinOpsの文脈で必ず登場するキーワードです。


リザーブドインスタンスの種類と仕組み

AWSのEC2を例にすると、リザーブドインスタンスにはいくつかの選択肢があります。

区分内容割引率の目安
期間1年 または 3年3年の方が割引大
支払い方法全額前払い / 一部前払い / 前払いなし全額前払いが最大割引
スコープリージョン単位 / アベイラビリティゾーン単位リージョンの方が柔軟
タイプスタンダード RI / コンバーティブル RIコンバーティブルは変更可

スタンダードRIとコンバーティブルRIの違い

スタンダードRI    : 割引率が高い(最大72%)。インスタンスタイプ変更は不可
コンバーティブルRI: 割引率はやや低め(最大54%)。インスタンスタイプ・OSを変更可

「前払いなし」でも割引は受けられる

全額前払いが最大割引になりますが、前払いなし(No Upfront)を選んでも、オンデマンドより安い月額料金で使えます。キャッシュフローを抑えたい場合はこちらが選択肢に。


歴史と背景

  • 2009年 — AWSがEC2のリザーブドインスタンスを導入。クラウドの「従量課金一辺倒」モデルに長期割引という選択肢が加わる
  • 2011年頃 — 企業のクラウド本格移行が進み、コスト管理の重要性が高まる。RIが大企業の予算計画に組み込まれ始める
  • 2016年 — AWS、コンバーティブルRIを導入。インスタンスファミリー変更に対応し、将来的な技術変化への柔軟性が向上
  • 2018年頃Savings Plans(セービングスプラン)が登場し、RIより柔軟な割引モデルとして注目される
  • 2020年代 — FinOps(クラウド財務管理)が業界トレンドとなり、RIとSavings Plansの使い分けが標準的な知識に

リザーブドインスタンスと他の割引モデルの比較

クラウドのコスト削減手段にはいくつかの選択肢があります。

AWSの主な割引モデル比較 リザーブドインスタンス Reserved Instance 💰 割引率: 最大72% 📅 期間: 1年 / 3年 🔒 対象: EC2など固定 🔄 変更: 制限あり ✅ 向く用途:  常時稼働の本番環境  インスタンス固定運用 Savings Plans セービングスプラン 💰 割引率: 最大66% 📅 期間: 1年 / 3年 🔓 対象: 利用額でコミット 🔄 変更: 柔軟に対応 ✅ 向く用途:  複数サービス利用  将来変更の可能性あり スポットインスタンス Spot Instance 💰 割引率: 最大90% 📅 期間: 短時間・不定 ⚡ 対象: 空きリソース ⚠️ 中断: あり得る ✅ 向く用途:  バッチ処理・開発  中断許容できる処理 ※ オンデマンド(通常)= 割引なし・いつでも開始・いつでも停止。最も柔軟だが最も高い

実務での選び方

【リザーブドインスタンスが向く場合】
  ✔ 24時間365日動かすサーバーがある
  ✔ 使うインスタンスタイプがほぼ固まっている
  ✔ 1〜3年の長期運用が見込める

【Savings Plansが向く場合】
  ✔ EC2だけでなくFargateやLambdaも使う
  ✔ 将来インスタンスタイプを変える可能性がある
  ✔ 利用額コミットの方が管理しやすい

【スポットインスタンスが向く場合】
  ✔ 夜間バッチ処理など中断してもよいジョブ
  ✔ 開発・テスト環境
  ✔ とにかく安さ優先

導入前に確認すべきポイント

リザーブドインスタンスは「予約したら基本的にキャンセルできない」ため、発注・意思決定の立場では以下を確認しておくことが重要です。

チェック項目内容
稼働率の確認対象インスタンスは常時稼働しているか(稼働率70%以上が目安)
期間の見極め1年後・3年後もそのシステムを使い続けるか
サイズの確定インスタンスタイプ(サーバーのスペック)が固まっているか
マーケットプレイス活用不要になったRIはAWSマーケットプレイスで売却できる
Cost Explorerの活用AWSのコスト分析ツールでRI推奨を確認できる

関連する規格・RFC

※ リザーブドインスタンスはAWSの独自サービスであり、特定のIETF RFC・ISO・IEEE規格は存在しないため、このセクションは省略します。


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