リスクマネジメント りすくまねじめんと
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リスクマネジメントについて教えて
簡単に言うとこんな感じ!
「もしも○○が起きたら、プロジェクトはどうなる?」を事前に考えて備えておく活動だよ。火事が起きてから消防車を呼ぶのではなく、火災報知器・消火器・避難経路をあらかじめ準備しておくイメージなんだ!
リスクマネジメントとは
リスクマネジメント(Risk Management) とは、プロジェクトの目標達成を妨げる可能性がある不確かな事象(リスク)を、事前に識別・分析・対応計画・監視するプロセスです。PMBOKでは独立した知識エリアとして定義されており、プロジェクト管理の中核を担います。
リスクには「脅威(Threat)」だけでなく「好機(Opportunity)」も含まれます。例えば「キーパーソンが退職するかもしれない(脅威)」だけでなく「競合ベンダーが撤退して優秀な人材が採用しやすくなるかもしれない(好機)」もリスクとして管理します。ただし実務では脅威管理が中心です。
発注者側の担当者にとって重要なのは、「問題が起きてから報告を受ける」のではなく「起きそうな問題を事前に知っておく」 ことです。ベンダーに「リスク登録簿を見せてください」と定期的に確認する習慣があると、プロジェクトの健康状態が把握しやすくなります。
リスクマネジメントのプロセス
| プロセス | 内容 | アウトプット例 |
|---|---|---|
| ① リスク計画 | 管理方針・手順を決める | リスク管理計画書 |
| ② リスク識別 | 起こりうるリスクを洗い出す | リスク登録簿(初版) |
| ③ 定性的分析 | 発生確率・影響度で優先度付け | 優先順位付きリスク一覧 |
| ④ 定量的分析 | 数値でコスト・期間の影響を試算 | リスクスコア・期待金額値 |
| ⑤ リスク対応計画 | 各リスクへの対策を決める | 対応策・コンティンジェンシー予備 |
| ⑥ モニタリング | 状況変化を監視・記録更新 | 更新されたリスク登録簿 |
リスクの4つの対応戦略(脅威の場合)
| 戦略 | 説明 | 例 |
|---|---|---|
| 回避(Avoid) | リスクが発生しないよう計画を変更 | 実績のない新技術をやめ枯れた技術に切り替える |
| 転嫁(Transfer) | リスクを第三者に移転 | 保険加入・ベンダーへの責任移転 |
| 軽減(Mitigate) | 発生確率・影響度を下げる | 早期テスト・プロトタイプ作成・バックアップ要員確保 |
| 受容(Accept) | 対策せず発生時に対処 | 影響が小さく対策コストが見合わない場合 |
歴史と背景
- 1940〜50年代: 保険・金融業界でリスク定量化の手法が発展。期待値理論が基礎に
- 1958年: NASA/米陸軍がPERT(Program Evaluation and Review Technique)を開発。スケジュールリスクの定量化に活用
- 1970〜80年代: 原子力・航空業界でFTA(故障の木解析)・FMEA(故障モード影響解析)が体系化
- 1996年: PMBOKがリスク管理を知識エリアとして正式採用
- 2009年: ISO 31000「リスクマネジメント-原則及び指針」が発行。汎用的なリスク管理の国際標準となる
- 現在: AIを活用したリスク予測・サイバーリスク管理が新たな重要分野として台頭
リスク分析:確率×影響度マトリクス
リスク登録簿の記載例
| No. | リスク内容 | 確率 | 影響度 | 優先度 | 対応策 | 担当 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| R01 | キーパーソンの離脱 | 中 | 高 | 高 | バックアップ要員確保・ナレッジ共有 | PM |
| R02 | 要件定義の遅延 | 高 | 高 | 最高 | 要件固め期限の設定・決定権者の明確化 | 発注者 |
| R03 | 外部APIの仕様変更 | 低 | 中 | 低 | 変更通知の購読・疎結合設計 | ベンダー |
関連する規格・RFC
| 規格・番号 | 内容 |
|---|---|
| ISO 31000:2018 | リスクマネジメントの国際規格。原則・フレームワーク・プロセスを定義 |
| PMBOK 第7版(PMI) | リスク・パフォーマンス領域として体系化 |
| IEC 31010 | リスクアセスメント技法の国際規格。50以上の手法を解説 |
| ISO/IEC 27005 | 情報セキュリティリスクマネジメントの国際規格 |
関連用語
- 課題管理 — リスクが顕在化したものが「課題(Issue)」。リスクと課題は別管理が基本
- ステークホルダー管理 — ステークホルダーの反対・無関心もリスクの一種
- 変更管理 — 変更要求はリスクを生む。変更とリスクは表裏一体
- コミュニケーション計画 — リスク情報の共有方法・エスカレーションルートを定める
- プロジェクト憲章 — プロジェクト開始時に主要リスクを特定・記載する
- クリティカルパス — クリティカルパス上のタスクへのリスクは特に優先度が高い