プロジェクト管理

EVM(アーンドバリュー管理) いーぶいえむ(あーんどばりゅーかんり)

EVMアーンドバリュー進捗管理コスト管理CPISPI
EVM(アーンドバリュー管理)について教えて

簡単に言うとこんな感じ!

「今どこまで進んでいて、コストは予定どおりか」を数値でズバリ示す管理手法だよ。「40%完成・予算50%消化」なら要注意!と一目でわかる。「進捗」と「コスト」を別々じゃなく同時に見られるのが特徴で、問題を早めに発見できるんだよ。大規模な公共系プロジェクトでよく使われる本格的な手法なんだ!


EVM(アーンドバリュー管理)とは

EVM(Earned Value Management、アーンドバリュー管理) とは、プロジェクトのスケジュール・コスト・スコープを統合的に管理する手法です。計画値・実績値・出来高(アーンドバリュー)の3つの指標を使って、「今いくら使ったか」だけでなく「その費用で何が完了したか」 を評価できます。

EVMの核心は 「出来高(EV: Earned Value)」 という概念です。例えば「予算1,000万円の工程を50%完了した」場合、出来高は500万円(EV=500万円)。実際に使ったコスト(AC)が600万円なら「予算を超えて仕事をしている」、400万円なら「予算内で仕事をしている」とわかります。

発注者がEVMを使うメリットは、ベンダーへの丸投げを防げる ことです。「何%完成しましたか?」という主観的な報告ではなく、数値で客観的に進捗・コスト状況を評価できます。ただし導入・維持には手間がかかるため、大規模・長期プロジェクト向きです。


EVMの主要指標

指標英語名意味計算式
PVPlanned Value計画時点までに完了予定だった作業の予算計画上の累積予算
EVEarned Value実際に完了した作業の予算(出来高)予算 × 進捗率
ACActual Cost実際に使ったコスト実績費用の累積
SVSchedule Varianceスケジュール差異(EV − PV)SV > 0: 進んでいる
CVCost Varianceコスト差異(EV − AC)CV > 0: 予算内
SPISchedule Performance Indexスケジュール効率(EV ÷ PV)SPI ≧ 1: 順調
CPICost Performance Indexコスト効率(EV ÷ AC)CPI ≧ 1: 予算内
EACEstimate at Completion完成時の総コスト予測BAC ÷ CPI

歴史と背景

  • 1960年代: 米国国防総省が「PERT/COST」として開発。アポロ計画などで活用
  • 1967年: 国防総省が「コスト/スケジュール管理システム基準(C/SCSC)」を制定。EVMの前身
  • 1996年: 米国政府がNational Defense Industrial Associationと協力し、EVMSガイドラインを策定
  • 1998年: PMBOKに正式採用。民間プロジェクトにも普及が広がる
  • 2005年: EIA-748がANSI規格として採用。32のガイドラインが定義される
  • 現在: 大規模ITプロジェクト・公共投資・防衛調達で標準的に使われる。Jira・MSProjectもEVM対応

EVM指標の読み方

EVMグラフのイメージ(プロジェクト中間時点) コスト (万円) 1000 700 500 300 月1 月2 月3(現在) 月4 月5(完成予定) PV(計画) EV=500万 AC=600万 SV(遅延) CV(超過) PV(計画) EV(出来高) AC(実績コスト) → スケジュール遅延 + コスト超過の状態

関連する規格・RFC

規格・番号内容
EIA-748(ANSI規格)アーンドバリュー管理システムの32ガイドラインを定義
PMBOK 第7版(PMI)プロジェクト実績の測定指標としてEVMを体系化
ISO 21508:2018プロジェクト・プログラム管理におけるアーンドバリューの国際標準

関連用語