MACアドレス まっくあどれす
簡単に言うとこんな感じ!
MACアドレスは、ネットワーク機器一台一台に付いている「製造番号つきの名札」だよ。世界中のどのパソコンやスマホとも絶対かぶらないように設計されていて、同じLANの中で「どの機器に届けるか」を識別するために使われるんだ!
MACアドレスとは
MACアドレス(Media Access Control Address) とは、ネットワークに接続する機器が持つ物理的な識別番号のことです。LANカード(NIC:Network Interface Card)やWi-Fiアダプターなど、ネットワークインターフェースごとに割り当てられており、同じLAN(ローカルエリアネットワーク)内でデータを正しい相手に届けるための「住所」として機能します。
IPアドレスが「建物の郵便番号」だとすれば、MACアドレスは「部屋番号のついた表札」のようなイメージです。IPアドレスはネットワーク管理者が自由に変更できますが、MACアドレスは原則としてメーカーが製造時に書き込んだ固定値で、世界中で一意(ユニーク)になるよう設計されています。
MACアドレスはOSI参照モデルの第2層(データリンク層) で使われ、同一ネットワークセグメント内での通信制御を担います。インターネットを越えた通信ではIPアドレスが主役になりますが、その手前のLAN内での配達はMACアドレスが仕切っているのです。
MACアドレスの構造と読み方
MACアドレスは 48ビット(6バイト) の数値で、16進数2桁を6組並べて表記します。
例: 00:1A:2B:3C:4D:5E
│─────────┤│────────│
前半3バイト 後半3バイト
(OUI) (デバイス固有番号)
| 部分 | バイト数 | 名称 | 役割 |
|---|---|---|---|
| 前半3バイト | 24ビット | OUI(Organizationally Unique Identifier) | メーカー識別子。IEEE(アイトリプルイー)が各メーカーに割り当て |
| 後半3バイト | 24ビット | デバイス固有番号 | メーカーが機器ごとに独自に付番 |
覚え方
「MAC = メーカー+あなた固有のコード」と覚えましょう。前半がメーカーの名前、後半がその機器の固有番号、合わせて世界でたった一つの番号になります。
表記の種類
同じMACアドレスでも、OSやツールによって区切り文字が異なります。
| 表記例 | 区切り文字 | 主な利用環境 |
|---|---|---|
00:1A:2B:3C:4D:5E | コロン(:) | Linux / macOS |
00-1A-2B-3C-4D-5E | ハイフン(-) | Windows |
001A.2B3C.4D5E | ドット(.) | Cisco機器 |
歴史と背景
- 1970年代: Xerox PARCがイーサネットを開発。LAN内の機器を識別する仕組みとしてMACアドレスの概念が生まれる
- 1980年: IEEE 802委員会が設立され、イーサネット標準化の議論が始まる
- 1983年: IEEE 802.3 としてイーサネットが正式標準化。MACアドレスの形式(48ビット・OUI方式)が確定
- 1990年代: インターネットの爆発的普及とともに、MACアドレスを使ったARP(Address Resolution Protocol)がLAN通信の基盤として定着
- 2000年代以降: Wi-FiデバイスにもMACアドレスが付与され、無線LANでも同一の仕組みが使われるように
- 2010年代〜: スマートフォン普及により、プライバシー保護のためMACアドレスのランダム化(ランダマイゼーション) 機能がOSに搭載されるようになる(iOS 14 / Android 10 など)
IPアドレスとMACアドレスの関係
同じ「アドレス」でも、MACアドレスとIPアドレスは役割が異なります。この2つは ARPプロトコル によって紐付けられます。
スイッチによるMAC学習
スイッチ(LAN内のデータ中継機器)は、接続された機器のMACアドレスを自動的に学習して「MACアドレステーブル」を作ります。これにより、データを全ポートに流さず、必要な相手だけに転送できるようになります。
| 機器 | MACアドレスの使い方 |
|---|---|
| スイッチ | MACアドレステーブルを学習し、適切なポートへ転送 |
| ルーター | MACアドレスは次のホップまでのLAN内にしか使わない |
| ファイアウォール | MACフィルタリングで特定機器の通信を制御 |
| Wi-Fiアクセスポイント | 接続許可機器をMACアドレスで管理(MACフィルタリング) |
関連する規格・RFC
| 規格・RFC番号 | 内容 |
|---|---|
| IEEE 802.3 | イーサネット標準。MACアドレスのフォーマット(48ビット・OUI方式)を規定 |
| RFC 826 | ARP(Address Resolution Protocol)の仕様。IPアドレスからMACアドレスを解決する方法を定義 |
| RFC 5342 | IEEEとIETFにおけるEUI(拡張固有識別子)とMACアドレスの扱いに関するBCP |
| RFC 4291 | IPv6アドレスアーキテクチャ。MACアドレスからIPv6リンクローカルアドレスを生成する仕組み(EUI-64)を含む |
関連用語
- IPアドレス — ネットワーク上の論理的な住所。MACアドレスとペアで機器を特定する
- ARP(アドレス解決プロトコル) — IPアドレスからMACアドレスを調べるプロトコル
- イーサネット — MACアドレスを使うLAN規格の代表格
- スイッチ(L2スイッチ) — MACアドレスを学習してLAN内の通信を中継する機器
- OSI参照モデル — MACアドレスが属する「データリンク層(第2層)」を定義したモデル
- NIC(ネットワークインターフェースカード) — MACアドレスが書き込まれているネットワーク接続用のハードウェア
- MACフィルタリング — MACアドレスを使って特定機器の通信を許可・拒否するセキュリティ機能
- VLAN — スイッチ上でMACアドレスを活用しつつ論理的にネットワークを分割する技術